第十話「危機一髪」
【スキルのレベルが上がりました。マゾヒズム LV.3】
やったね!Mのレベルが上がったよ!
って、もう本当にそれどころじゃない。
腹筋もできないくらい毛が短くなったら、完全に詰みだ。
そうなってしまう前に、死ぬ気でもう一度チャレンジだ!
死力スキルは使わないけどねっ。
俺は再び毛根を、Gちゃんの頭部目がけて引き起こす。
毛を食べられ短くなった、おかげで毛根から頭部までの距離が縮まっている。
同時にGちゃんの、お口までの距離も縮まっていますがね!
ですけれど!ワタクシは、このピンチをチャンスに変えてみせますわ!
狙いは毛根とGちゃんの頭部との距離が最短になる、その瞬間ですの。
その一瞬の交差に、すべてを託しますわ!
……クネッ、ぴたっ。
あまりにも呆気ない。
最初は単純に距離がありすぎたのが問題だったようでござる。
まったく驚かせ〈ムシャムシャムシャ〉ってまだ齧られとる!!
Gちゃんの食事が進行するに連れて、今さっきくっついた毛根が引き抜かれそうになる。
美少女の毛穴に食われるのなら、ともかく。
Gちゃん!君に食われるのだけは死んでも嫌だっ!
俺はすぐさま【スキル:寄生】を発動させてGちゃんの肉体の主導権を把握した。
虫の精神力と元人間の精神力ではその差は大きかったということらしい。
さしたる苦労もなく主導権の把握は成功したった。
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種族:スティンク・コックローチ(アンノウン・ブラックヘアー)
称号:【超不快害虫】(【愚者】【天性の勝負師】【寄生虫】)
LV.3(1)
HP:15/15(0.78/2.25)
MP:1/1(0/0)
筋力:5(0.91)
耐久:4(1.33)
敏捷:98(0.81)
魔力:1(0)
スキル
【毒耐性 LV.1】【病気耐性 LV.8】【悪臭 LV.3】(【死力】【根性】【天運】【吸収 LV.3】【勤勉 LV.4】【マゾヒズム LV.2】【匍匐前進 LV.1】【寄生 LV.1】【光合成 LV.1】【ウルシオール】)
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ステータス画面を確認してみると、ウルシウィードちゃんの時と同じく宿主であるGちゃんの能力が表示された。
敏捷値おかしいよん……。
俺より軒並み高い能力値を見ていると、空しくなってきたのでGちゃんの称号とスキルの確認をしてみることにした。
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【称号:超不快害虫】
『外見が不快なだけではなく、あらゆる生物に有害な能力を持つ虫に与えられる』
設定中、生物に対し、不快感を与えるスキルの効果が1.1倍になる。
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【スキル:毒耐性 LV.1】(パッシブスキル)
毒に対する耐性を得る。
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【スキル:病気耐性 LV.6】(パッシブスキル)
病気に対する耐性を得る。
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【スキル:悪臭 LV.3】(アクティブスキル)
嫌な臭いを発することができる。
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スキルばかり数が多くて、申し訳ないでござる。
それにしても、なんて恐ろしい子なんだ、Gちゃんは。
もしも地球に存在していたら、彼らとの戦いに人類はとても苦戦していたに違いない……。
毒耐性スキルは殺虫剤も防げるのかなぁ。




