色の無い世界
初めての投稿になります。こんな感じで良かったのかわからないのですが、
少しでも読んでもらえると嬉しいです。
自分でもわかってる。
27年間も生きていれば、自分がどれ程の人間かくらいある程度わかってくる。
今まで何かを成し遂げた事も無く、ただ悶々と暮らす日々・・・
色の無い世界と自分
今自分を写真で取れば、モノクロ写真がお似合いだろう。
朝起きて、パンを焼き、大して興味の無いテレビを見ながら食べる。
適当に身だしなみを整え出社する。
そして適当に仕事をこなして帰って寝るだけ、クダラナイ。
(俺は特別な、何かになんかなれない。)
でも、そんな下らない人生を送る俺だけど、今日はいつもと「少し」違っていた。
普通は無いよな。人が目の前で死んでるなんて。
1人じゃない、3人も。
まぁあれだ、何て言えばいいんだろ。
・・・殺したのは俺です・・・
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-ピピピッ・ピピピッ・ピピピッ-
スマートフォンの目覚まし時計がいつもの時間に鳴り響き、モソモソと布団から伸ばす手が、
いつまでも鳴り止まない物体を探す。
でも、いくら探しても見つからないそれを止める為、仕方なく体を起こす。
「っ!!さむ・・・」
朝の七時。窓から差し込む光は心持ち朱を帯びて、窓から顔を出せば、
様々な形をした、家の屋根を薄っすらと赤く染める。
窓から見えるこの感じだけは好きだわ。
「涼。起きたか?」
この男はプライバシーって物を知らないのか。
そんな事を考えながら父さんを見返したが、
起きているのを確認するとすぐに引き返していきおった。
もうすぐ30歳にもなる息子を起こしに来るとかどれだけ過保護なんだよ。
あれじゃあまるで母親だわ。
実はこの家に母はいない。
少し前に遺伝からくる重い病気でなくなったばかりだ。
闘病生活が長かった事もあって、父も俺以外の兄弟達も、
心の準備は出来ていた。
ただ、やはり何処と無く、暗くなり、少し痩せたように感じる父を
一人にはしておけず、一緒にまた暮らし始めた。
「もう会社いくから。戸締まりだけ、しっかり頼んだよ。しばらく帰って来れないから家の事は頼んだよ?」
「わかってますってば。いってらっしゃい。」
パンでも焼いてサクッと会社に行く準備でもしますか。
そういえば、父は今日から出張か。
~~~~
「お、今日は中々上手くセット出来たな」
一人になると勝手に言葉が出ちゃうよね。
あぁ憂鬱だ。クダラナイ。また1日が始まった・・・。
でも、今日は違った!
最寄りの駅で若い女子高生と少し話が出来たのだ!
・・・我ながらこんな事でテンションが上がるとか本当に情けなくなるな。
切符売場に並ぶ自分の前に一人の女子高生が並んでいた。
大して何か気になるわけでも無く、光景として見えただけで
自分とは一切関わりがないのだから、ただ認識しているだけ。
ソレが絶世の美女だったとしても、関わりを持たないのであれば景色と一緒である。
俺の番が来た。
券売機を見ると先ほどの女子高生の物だろう。可愛らしい財布があるじゃないか。
別に何かの含みがあったわけでもなく、切符をそそくさと買い、その可愛らしい財布を掴むと、その子を追いかけ、肩を叩いた。
「これ、忘れてたよ。」
「あっ、ありがとうございます!」
外が寒いからか少し頬を赤く染めたその子がしっかりを礼をする。
どちらかと言えば、俺は年上好きだけど、純粋に可愛い子だなっと思ってしまった。
最近では仕事以外で、女性と話をすることが無くなっていた自分にとっては、凄く新鮮で気分が良くなった。
見返りとか求めてないけど、その笑顔プライスレスだな。
まぁそれだけなんですけどね。
えっ、会話してないじゃん?
いいじゃん!一言でも会話でしょ!?
でもさ、テンションが上がったのは別に可愛らしい女子高生と話が出来たからって、理由じゃないんですよ。
一瞬でも見えただよ。
その子の綺麗な色が見えたんだ。
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あぁしんどい。
残業って、したい人間だけがすればいいんじゃないですかね?
俺は当然したくない。
「ただいまー。」
父は帰ってないけれど、言ってしまうのが子供の時からの、
ずっと言ってきた慣れって奴ですよ。
そそくさと部屋に入り、スーツを脱ぎ捨てた。
家では寝間着以外は着たくないよね。
分けるとか面倒です。洗濯物増えるし。。。
現在夜中の3時・・。
買ってきたコンビニ弁当を食べて、風呂に入って、
さっさと寝ますかね。
そんな事を考えながら自室でタバコに火をつける。
何度やめようとしたけど、無理だわホント。
何も考えずボーっとタバコを吸う。
無音の部屋。
無色な部屋。
空っぽの自分。
「下らない、こんな世界の何が楽しいんだろ。」
ひとりごとばっかりの自分が嫌いだ。
「っ!!」
突如、窓の向こうから不安を掻き立てるような風船を割ったような破裂音と、
遅れてやってきた、言葉にもならない、タダの叫び声が聞こえてきた。
体がビクっと反応してしまった。
え、今のって何。
「銃の音か?」
正直、何だかわからないけど、すぐに理解が出来た。
日本に住んでいたらリアルで聞く機会なんて、滅多に無いその馴染みのない音。
グワム旅行で実際にお金を払って、撃った音に似ている。
窓から恐る恐る顔を出す。
家の隣は広い駐車場で、その向こうには古い一軒家が立ち並ぶ。
深い時間には誰も歩いていない、何てことはない下町だ。
だからこそ、いつもと違うそれにすぐに視線を移せた。
一つのボロボロの1階建の家に人が入っていく。
照明のキレかけた街灯の光が点滅しながらも、
その光景を照らしていた。
スーツを来た人間がその家に男人も入っていく。
これだけならまぁギリギリあるだろう。
ただ、どう贔屓目で見ても、昼間必死に働く会社員のそれではない。
「まぁ普通の感じには見えないよな」
正直、いつもの俺なら即通報しますよ。
だって無関係な世界の話なんだもの。
「でも、それじゃ間に合わないでしょ。」
だってさ、聞こえてきた叫び声が、女性の声だったんだよ。
俺は通勤用の黒いコートと中に出来る限りの服を着こみ、
玄関先に忘れ去られているゴルフクラブを掴み、急いで飛び出した。
読んでいただきありがとうございます。
ここまで勢いで書きました。
仕事もあり、書き溜めも無いので投稿は遅くなりがちです。
でも、単純なのでエサ(感想)などを貰えたら、筆が少しでも早くなるかもしれません。