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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

触れることさえ許されない


僕は恋をした。

ひとめぼれだった。

いつから好きだとか、そんなことはわからない。

わかるのは、ひとめぼれだったってことと、叶わぬ恋だってことだけ。

「おはよう、今日も綺麗だね。」

僕の想い人は僕と同じで男で…。

僕がニコリと笑えば、ニコリと笑い返してくれる。

だけど僕の気持ちに応えてはくれないのだ。

色素の薄い髪、明るい茶色の瞳。

「……好きだよ。」

「………。」

応えてもらえない恋。

叶うはずのない恋。

してはいけなかった恋。

頬にポロリと涙が零れる。

「なんで泣くの?」

目の前にたって、君も泣きながら聞いてくれる。

「なんでってそりゃ、辛いからさ。」

どうして僕は、違う人を好きにならなかったんだろう。

多分理屈なんかじゃなくて、本能。

本能的に好きになってしまった。

理由などない想い。

理由などなく叶わない想い。

触れることも、愛を囁き会うことも、喧嘩をすることも、メールをすることもできない恋なのだ。


「おはよう、今日も綺麗だね。」

そして今日も僕は彼に口説かれる。

「僕はキミが好きだ。」

その想いに僕は応えられない。

だって、その想いを口にしているのも僕なのだから。

自分を好きになってしまったら、失恋することすらできないよなーと思って。

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