表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

軽く助走をつけて123。

次の瞬間、綺麗な青が目の前に広がる。背中にマットの感触がして、次にカランという音がした。ため息を1つついて、マネージャーに問いかける。


「今の何メートル?」

「1メートル55センチ」


という返事が返ってきた。

伸びない記録。そればかりか縮む一方の記録。今、きれいに見えた空も少し、くすんで見えた。


「そんなときもあるよ」


と言うマネージャーの言葉に苦笑で答える。そんな時しか最近はない。もう一度、跳ぼうかと迷っていると、


「集合」


とキャプテンの号令がかかる。私も他の部員もその言葉にしたがい、声のしたほうへ駆けていく。


「明日からテスト休みに入るが、朝練はいつものようにあるから、来るように。それでは、授業に遅れないように着替えて行く事。解散」

「はい」


他の部員と同じように返事をして、部室に歩いて行く。後ろから後輩の話す声が聞こえてきた。


「今日、自己新が出た!」

「やったね。何m?」

「1m63cm」

「すごい。次の総体いい線いくよ」

「そんな事ないよ」


そんな事あるよ。と心で呟きながら着替え始める。後輩に記録を抜かれ、今年、最後の総体。そう思うとため息しか出ない。


「ゆた。後5分だよ」

「えっ」

「1時間目、移動教室だから先に行くね」

「嘘。私も移動教室!」

後輩の言葉が頭の中を巡り考えながらゆっくり着替えていたら友達に次の授業開始5分前をを告げられ、着替えを急ぐ。

着替え終え、教室へ走り出した時に見上げた空は私を笑うように憎らしい青だった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ