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1.

かさり、ぱさり。

乾いた音がするわ。


まだ、目覚めには少し早いかしら。

まだ、音がしてるもの。

まだ、眠いのだから、きっと。



あら、音がしなくなったわ。

あら、空気が乾いてきてしまっているわ。

少し、寝坊したのかしら。


そろそろ、行かなきゃ怒られちゃうわ。




ふぅわり、ふわり。

はじめは柔らかく、舞うように。



ひとのこどもの声がするわ。

わたしの訪れを喜んでいるようね。

でも、まだ遊べるようになるだけ降ってあげることはできないから、今のうちにあったかい手袋でも編んでもらうといいわ。


あら、あそこの畑、まだ備えが足りないわ。

わたしがいくら寝坊しすぎちゃったからって、いくらなんでもゆっくりしすぎじゃあないかしら。

そんなに慌てて、転んだら大変だわ。

仕方ないから、少し、回り道をしてあげましょう。


そうだわ。

まちで一番に高い教会に、わたしの訪れがすぐに分かるようにお化粧をしてあげなきゃ。

他の場所よりも念入りに。

ふわふわで、さらさらなわたしの欠片で冬の訪れを伝えましょう。



これで寝坊しちゃった分は取り戻せたかしら?



まちの明かりにわたしの欠片が反射してとても綺麗。

明日からはもっと頑張らなくちゃ駄目ね。


……あら、

あそこのおうちはどうしたのかしら。

窓辺の寝台に身を横たえているあのひとはなんであんなに外をみているのかしら。

あらあら。なんて顔色が悪いのかしら。


あら、目が合ったかしら?

いいえ、きっと気のせいだわ。


そうよ、目を閉じて。よく眠ると良いわ。

わたしはもっと頑張らなきゃいけないから、もっともっと寒くなるわ。

早く良くなるといいわね。

おやすみなさい。


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