遅すぎる懺悔
愛してるって言葉が消えればいいのに。
一体何日経ったのだろう。暗い部屋で光を探した。
不思議だ。
なんで涙が出ないんだろう。
人間が本当にショックを受けたときは涙を出すことさえ忘れてしまうんだろう。
引き込もっていた私に母から嫌な言葉を聞いた。
「愛?梨本くんっていう子がきてるけど…?」
私達は部屋の端と端で話をした。
「あ、あのさ…」
気まずいと分かってはいるがどうすることも出来ない。躰が拒否している。
「瀬戸…とはどうだ?仲直りしたか?」
この人からそんな言葉を聞くとは思わなかった。
「心配だったんだよ…二人ともあんなに仲良かったし大丈夫だよな?」
自分が止められなかった。気が付いたら泣き叫んでいた。
「心配…勝手な事言わないでよ!誰のせいでこんなことになったと思っての!?」
「橘…」
「あなたのせいで私達はじこくにつき落とされたのよ!返してよ!あたしに!凌を返してよぉ…」
「ごめん…ごめん」
泣き崩れていた彼がいた。
「俺がこの町に戻ってきたのは謝るためだったんだ…本当に俺…誤って済むことじゃないけど…ごめん…」
情けなく謝り続ける彼を見ているうちに、攻められなくなっていた。
お願いだから謝らないで。私はあなたを許してしまう。
自分の居場所がわからないー…
凌聞こえる?
私は貴方を愛してます。
溢れる気持を抑えきれない。
愛してるという言葉が消えればいいのに…。
でも、もしそうなったら私は新たな愛を伝えられるの言葉を探しさ迷い続けるんだろう。
探しさ迷い続けるんだろう。