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狛犬は、それでも神社を守った。
宮司すら来なくなり、ただ静かに朽ちゆく神社を、それでも守った。
ある日、久しぶりに子供の気配がして、狛犬は本殿から出た。
小さい神社だ。
気配を探して本殿の裏手にまわると、瘦せこけた少女がすすり泣いていた。
少女の体には穢れがまとわりてついている。このままでは、そう長くは生きられないだろう。
狛犬の気配に気づいた少女が顔を上げた。
鋭い目で狛犬のいる方を見るが、何も見えない。
狛犬はそっと少女の涙を拭って彼女に生玉を持たせた。
驚いた少女は悲鳴をあげて、生玉を持ったまま逃げ出した。
これで生玉が彼女の穢れを祓い、生気を与え、天寿を全うさせるだろう。
助けられて良かった。
狛犬は重い足を引きずって本殿へ帰り、なるべく力体力を使わないよう横になった。
生玉がなくなった今、狛犬自身に残された力が尽きれば消えてしまう。
狛犬は目を閉じて、緩やかにその時を待った。




