エッセイ・短編 命・言葉・愛・感謝・希望等をテーマにした作品です
持てなかった想い
あのとき、
差し伸べられた手を受け取っていたら、
世界は、少しだけ違っていたのだろうか。
たぶん、そうだと思う。
でも、それを握る勇気がなかった。
ほんの少し、
あと少しだけ、どうしても踏み出すことが出来なかった。
あの手を取れていたら、
何かが変わったかもしれない。
世界じゃなくても、
せめて自分くらいは、変えられたのかもしれない。
悔やんでいるわけじゃない。
けれど今になって、ふと思うことがある。
一歩の勇気スイッチが押せていたら——
未来は、もっと自分の手で作れるものだったのかもしれない、と。
そう思えるようになった今の私は、
きっと、あの頃よりも少しだけ、
勇気を持った証なのだろう。
拙文、読んで下さりありがとうございます。