【もふもふ王国】エキシビション【漫才】
神埼「うおおおお!! おっはようございまぁぁぁぁす! もふもふ王国ですよろしくお願いします! こっちの美人が神埼で、そこの目つきの悪いのが二宮さんです! さて二宮さん! わたしわからないことがあります!」
二宮「俺にはお前がわからないんだけど」
神埼「そうなんですか! やったあ! ひゃっほう! よっしゃー!」
二宮「何が嬉しいの!?」
神埼「ふたりともわからないことあるの、コンビの相性いいなって!」
二宮「お前のことで悩んでるんだけど!? なんでお前が呑気なんだよ」
神埼「悩むことなんかないですよー。こんな美人を相方にして悩みなんて、贅沢ですよねー。で、わたしのわからないことなんですけど」
二宮「そういう所だよ!」
神埼「漫才がわかりません!」
二宮「このコンビはもう終わりだー!」
神埼「えっ」
二宮「終わりだよもう。ボケが漫才わかってないコンビに未来はないって」
神埼「だってわたし、二宮さんの言う通りに喋ってるだけですもん!」
二宮「俺が全部ネタ書いてるからな。そうなるのは当然なんだよ」
神埼「でも大丈夫です二宮さん!」
二宮「お前が大丈夫だった時は一度もない」
神埼「大丈夫なんです! わたしもそろそろ、漫才について勉強しよっかなーって思いまして!」
二宮「その心構えは嬉しいけどさ」
神埼「それでですね。漫才について勉強できるイベントを見つけまして」
二宮「イベント?」
神埼「始まって二回目の、歴史の浅いイベントなので二宮さんも知らないかもしれないですけど」
二宮「俺は漫才に詳しいんだよ。いいから言ってみろ」
神埼「漫才王になろうGPってご存知ですか?」
二宮「知ってる! 去年出てた! 優勝した!」
神埼「ええっ!? 二宮さんご存知だったんですか!?」
二宮「逆にお前知らなかったの!? 去年バレンタインデーに優勝しただろ!」
神埼「あー。ありましたねー」
二宮「他人事!? あれを何だと思ってたんだ!?」
神埼「営業とか、ユーチューブの仕事で漫才やってるのの、なんか豪華なやつだなって」
二宮「うわ嫌な奴! 武道館公演なんてライブハウスと同じっすよー。とか言ってるイキったバンドマンみたいなこと言いやがって!」
神埼「えっ? ぶどっ。ぶどう?」
二宮「なんで驚いた顔してるんだよ。怒られるからな」
神埼「ぶどうって。グレープフルーツみたいな?」
二宮「武道館知らない!?」
神埼「はい! 初めて聞きました!」
二宮「漫才以外も世間を知れ!」
神埼「それでですね、今回漫才王になろうGPの審査員に任命されました! わたしが!」
二宮「お前に審査される漫才師は屈辱だろうなあ」
神埼「なんでですか!? 美人に審査されて嬉しいに決まってるじゃないですか!」
二宮「そういう所! あと漫才に詳しくない所!」
神埼「大丈夫です! 出場するコンビについては勉強しましたから! 何組か、注目のコンビがいますよ。二宮さん、右往左往ってコンビご存知ですか? ネタ見たことありますか?」
二宮「あるわ! てか去年も大会出てただろ! 忘れたのかお前」
神埼「わたし、過去は振り返らない主義なので」
二宮「もうちょっと振り返れ! 人生で一番いい日だぞ!」
神埼「わたしの人生で一番いい日は、二宮さんと出会った日です!」
二宮「いいこと言って誤魔化そうとするな」
神埼「バレたか。それでですね、わたしに負けた右往左往さんですが」
二宮「お前には負けてない。俺のネタに負けただけだ」
神埼「このコンビの特徴はやはり、テンションの高い関西弁ですね」
二宮「うん。良い感じの関西弁で客を引き付けて、テンポ良く漫才をしてくるのが上手いよな」
神埼「お金儲けなんてあたま悪そうな題材の漫才だったのに、銭洗弁天なんて知的なネタを入れてくるのも良かったです」
二宮「あんまり頭悪いって言うなよ。あの人ら賢いだろ」
神埼「勉強できなかった二宮さんには出来ない漫才ですよね」
二宮「言い方に棘があるんだよなあ。でも俺は勝ったんだよ。だから俺の方が偉い。賢さなんていらないんだ」
神埼「そういうの、すっぱい武道館って言うんですよね」
二宮「すっぱいブドウでいいんだよ! なんで武道館出てくるんだ!?」
神埼「学んだことはすぐ使いたい主義です!」
二宮「よく知らない言葉を使うな!」
神埼「でも、すっぱいグレープフルーツに二宮さんは勝ったんですよ! 喜んでください!」
二宮「喜ぶけどさ! お前に言われて喜ぶのは嫌なんだよ!」
神埼「あ、でも右往左往がやってたネタってしゃべくり漫才だったじゃないですか」
二宮「そうだったな」
神埼「これで一勝一敗ですね」
二宮「俺いつ負けた!?」
神埼「だって二宮さんのネタっていつもコント系の漫才じゃないですか! しゃべくり漫才の方が漫才っぽいので、右往左往の勝ちです!」
二宮「そこに優劣はない! てかコント漫才やってる芸人に怒られるからなそれ!」
神埼「二宮さんも、ウケるしゃべくり漫才が出来るよう頑張ってくださいね!」
二宮「そん時はお前も頑張るんだよ!」
神埼「もうひとつ注目のコンビがあって、恋人じゃないさんです! この人たちが見せた漫才は、さらに特徴的でした」
二宮「だな。今回もあのスタイルで行くのか、変えてくるのかはわからないけど」
神埼「面白いですよねー。決まった型みたいのがあって」
二宮「持ちギャグがあるってのは強いと思う」
神埼「こう、二宮さんの顔を指さしてー。ハッハー! 二宮さんの仏頂面!」
二宮「違うからな! 二人揃ってやるから面白いんだから! 片方だけやっても面白くないから!」
神埼「あの二人、これで流行語大賞狙ってるそうですね。ブレイクしてほしいですね」
二宮「売れたらみんなやるだろうからなー」
神埼「ハッハー! 自分も流行語ほしいって二宮さんの顔!」
二宮「だから! 一人で! やるな! あと俺の顔ばっかり指さすな!」
神埼「こういう漫才って、システム漫才って言うんでしたっけ」
二宮「システム漫才の定義がわからないから、なんとも言えないけど、そうかもしれないな」
神埼「システム漫才ってコント漫才とどっちが勝ってるんですか?」
二宮「面白い方が勝ちだ! 形式で勝ち負けは決まらない!」
神埼「あとこのコンビ、ネタの中に映画が出てきたのが印象的でした」
二宮「あー。出てたな。好きなのかもな」
神埼「ま、わたしその映画見たことないんですけどね!」
二宮「無いの!? 結構有名なやつだけれど」
神埼「家の方針で、そういうのあんまり見せてもらえなかったんですよね」
二宮「金持ちの家って映画見ないものなのか?」
神埼「あ! でもお父さんに名作だから見てって言われた映画もあります! 怒りの葡萄って映画です」
二宮「出たよ! 金持ちにありがちな古い名作だけ見せるやつ!」
神埼「今思えばそうでしたねー。ちなみに、つまらなかったです!」
二宮「名作ではあるんだけどな。バカにはわからなかったか」
神埼「ブドウ全然出てこないんですもん。もっとこう、グレープフルーツが、もう怒ったぞー! って言うような映画だと思ったのに」
二宮「そんな映画はない! ていうかさ、さっきからお前、ブドウをグレープフルーツって言ってる!?」
神埼「え? ブドウってグレープフルーツじゃないんですか!?」
二宮「グレープでいい! フルーツいらない!」
神埼「またまたー。バカにしないでください。ブドウがグレープなことくらい知ってますよ。でも、ブドウって果物ですよね?」
二宮「それはそうだけど」
神埼「だからグレープフルーツ」
二宮「そういうことじゃないんだよ!」
神埼「ハッハー! どう説明すればいいかわからない顔!」
二宮「おいこら!」
神埼「まあそんな感じで、ブドウ対ブドウの戦いなわけですけど」
二宮「ブドウじゃないからな!」
神埼「いいえ、ブドウです」
二宮「なんで」
神埼「ととのいました! この大会の出場者は、みんな粒ぞろいでしょう」
二宮「いきなり上手いこと言っても笑えないから!」
二人「どうもありがとうございましたー」