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第69話 ごめん……

今回は記念すべき【69話】!!!

69といえば、皆様が好きな数字ですね!!!

テンション上げていきましょう!!


(注.本編は真面目に進みます)

そして、深月に向かって、ゆっくりと、話した。



「でも……


もし、陽菜さんと付き合っていなくて,


陽菜さんと、深月さんのどちらかしか助けられない状況であったら、


俺は……




迷わず深月さんのことを助けると思う。



体がそう反応していると思う。


深月さんにとって、俺が運命の人じゃないとわかっている。


それでも……


俺は……



深月さんのことが好きなんだ……」


「……????」


深月は光が何を言っているか理解できなかった。



「始めは大した感情ではなかった。

 そもそも、人間違いから始まった。

 

ただ、段々と深月さんとの図書室での筆談の時間が楽しみだった。


気がつけば、俺は、図書室の時間のためだけに学校に通っていた気がする。


深月さんが、他の男と仲良くしているのを見て、辛かったこともあった。


一緒にファミレスに行ったことも、景品を交換したことも、遠足で食べ歩きしたことも、

合宿に行って遊んだことも、公園で走り回ったことも、文化祭の買い出しに行ったことも、死ぬほど楽しかった。


深月さんにとっては、これらの事は、色気のない、単なる日常だったのかもしれない。


でも、俺は、深月さんと過ごす、そんな日常が好きだった。


真面目なくせに、所々で抜けているところも、美味しそうに食べる姿も好きだった。


そして、何より、俺は深月さんの努力する姿に惚れたんだ。


俺にとって、初恋だった。


同じ容姿でも、深月さんに惚れてしまったんだ。


惚れている事には、徐々に気がついていた。


花火大会の時、陽菜さんか、深月さんのどちらかしか助けられない状況だった時、深月さんのことが、瞬時に浮かんでいたんだ。


深月さんが、俺のことを好きなんてありえないとわかっていた。

だから、ずっと、3人でいた方が幸せだとも考えたりもした。


頭がおかしくなる程キレてしまう時は、俺の心の中に、いつも、深月さんがいたんだ。


深月さんとの思い出の品を壊された時。

深月さんが、襲われたんじゃないかと思った時。

深月さんが、変な奴に絡まれた時。


そして……深月さんがいなくなってしまったあの日。


同じ大切な存在である、陽菜さんや友達では、あそこまではならなかった。


自分でも驚いた。

今まで大切に思っていた家族の弟さえ、殺せるほど、おかしくなっていたなんて。


ずっとずっと考えていた。


なんで、人前では緊張して、力が出せない()()の事を、陽菜さんに言えて、深月さんに言えなかったのかを。


なんで、勉強をできることを、陽菜さんに言えて、深月さんに言えなかったのか。


答えは簡単だった。


深月さんのことが、好きだったからだったんだ。


病気のことを言って、嫌われたらどうしようと怖かったんだ。


いくらでも本当の事を言うチャンスはあった。

でも、嫌われるのが怖くて、言えなかった。


勉強ができることを言って、弟みたいに、俺を、何か別の対象と見られたくなかった。


ただただ、一人の男として、接して欲しかったんだ。


だから、今まで騙してたわけじゃない。


いや……騙していたのは事実だ。


深月さんのことをバカにしたくて、騙していたわけではないんだ。


真実は、もっと醜くて、酷いんだ。


今まで本当にごめんなさい。 


()()さん」



「……え? ……き……気がついていたの……?」


深月は、ゆっくりと、髪を出した。


「……うん。振り返って顔見た時に気がついたんだ。


前の俺では無理だったけど、今の俺には、気がつけたよ。


正直、なんで、こんなとこにいるのかはわからなかったけど。


急に、こんなこと言っても、気持ち悪いのはわかっている。


でも、今しか言うチャンスがないと思ったんだ。

もう二人で話すチャンスなんてこれが最後だろうから。


深月さんの隣にいる男が、正直、弟でよかったと思っている。

あいつの凄さ、かっこよさ良さは、俺が一番知っている。


運命というものは、本当にすごいと思う。


弟と家族である以上、俺と将来的には関わってしまう。


俺も、陽菜さんと関わることで、深月さんも嫌でも関わってしまう。


今まで、深月さんに隠し事をして、傷つけてしまった。


だから、最後くらい、本当のことを話したかったんだ。


どんなにその内容が、深月さんにとって嫌だろうと。


ただ、傷つけるつもりはなかったことを伝えたかったんだ。

今まで過ごした日々に、偽りはなかった。


それだけは知ってもらいたかったんだ。


最後まで、自分勝手で本当にごめん。


じゃあ……弟をよろしく。


今まで本当に楽しかった。


さようなら…… 」


光は、その場を立ち去ろうとした。 


ああ。


言ってしまった……

でも、悔いはないな……



流石に、目の前に深月さんがいるとは思わなかった。



今までのシュミレーションは、陽菜さん対策であった。


なんの意味もなく、全部吹っ飛んだな。



深月さんを目の前にしたら、須子の言っていた事はわかった気がする。


本人を目の前にして、雰囲気が整っていたら、気がついたら、本音を話していた。


逆に、良かったかもしれない。


深月さんが、陽菜さんに、このことを言うかもしれない。


それでも、俺といることが幸せなら、俺は陽菜さんの願いを叶えよう。


「ちょ、ちょ、待ってよ……なに……自分だけ…ずるいよ……」


深月さんは走ってきて、俺の背中の服を引っ張った。


後ろにいても、わかる。


泣いているな。


いつも泣かせているな。俺。


キモ過ぎて、泣いていると言ったところであろうな。

わかってるよ。

いきなりこんなこと言われても、ドン引きなのはわかっている。


俺だって、無意識だったんだ。




「……こっち向いて……」


「ああ……」


今度は、思いっきりのビンタだろうな。


振り向きたくはなかったが、責任は取らないとな。


俺は、ゆっくり振り向いた。




……やっぱり、泣いていたな。


俺はクソ男だ。

こんな状況でも、涙を流している、深月さんが愛おしくて仕方がない。


「……私だって…好きだったよ……それに……今も好きだよ」


「……え?」


深月さん……?

……何を言っているの?  


「始めは不思議な人だった。


気がついたら、私も、毎日、毎日、筆談の時間のために、学校に通っていたよ。


人生で初めて、連絡して嫌われたらどうしようかと考えていたこともあった。


もちろん、行事の全てだって覚えているよ。


体育祭で、嫌われちゃって、本当に辛かった。

でも、勘違いって知って、とても、嬉しかった。


さっき言ってくれたように、私にとっても、派手じゃなくて、日常のような出来事がすごく好きだった。


気がついたら、陽菜ねーにも、嫉妬していたこともあった。


文化祭の時だって、一緒になりたくて、実行委員になったんだよ。


私にとっては、全てがカッコよかった。


虫が苦手なところも。


一番好きだったのは、私の努力を馬鹿にしなかったところだったの。


私の努力しているところを、いつも、優しく見守ってくれていた。

バカにしてない目をしてると思ってたの。


ただ、文化祭で、実くんに言われて、正直、裏切られたと思った。


薄々、頭いいところも不思議に思っていた。

それに、光くんも否定しなかったから。


好きな人だったから、本当に辛かった。


今までの日々が全否定されたって思ちゃった。


実くんの言っていることも、態度も嘘をついているように見えなかった。


でも、最近、なにか裏があるんじゃないかって思った。


ビンタしちゃった時、見た事ないくらい、悲しい顔してたのは今でも覚えている。


あの時、信じてあげていれば……って何度も思ったよ。


その時にはもう戻れないのかなって


仲直りしようとしたけど、手遅れの状態だった。


私は、光くんの隣にいるべき存在じゃないって、思わされて、苦しかった。


私の運命の人じゃないって諦めるしかなかった。


それなのに、少し触れ合っただけで、今までの想いが忘れられず、諦めきれなかった自分に驚いた。


今聞いて、びっくりした。


光くんは私のこと、ずっとずっと想っていてくれたんだね。


それに、やっぱり、日々は演技ではなかったんだね。


ずっと、病気と闘ってたんだね。

人付き合いは苦手なのかなって思ってたから、驚かないよ。


いつもの私なら、文化祭の時、信じられたと思う。


ただ、私が好きだったから、現実逃避したくて、避けちゃった。


光くんが、私のことを好きでいてくれたなんて信じられないよ。


私のこと好きになってくれて、ありがとう。


優しい嘘だったんだね。


私こそ、あの時、信じてあげられなくて、ごめん……」



言葉が出ない。


深月さんが俺のことを好き?


聞き間違いか?

俺の願望が幻聴として聞こえたのか? 


いや。違う。

奇跡が起きたんだ。


なんだこの気持ちは。

両想いだったのか。


俺はゆっくり、深月さんに近づいた。


止められない。


俺は、深月さんを抱きしめた。


深月さんは何も言わず、ハグをし返してくれた。

そして、安心したのか、また泣いてしまった。


失ったこの温もり。

少し力を入れたら、今に折れてしまいそうな、華奢な体。



問題が山積みなのはわかっている。

今後のことはわからない。



ごめん。陽菜さん。みんな。


今は考えたくないんだ。


今はこのまましばらくいさせてくれ。


俺は、深月さんを抱きしめながら、泣いている深月さんの頭をゆっくり撫でた。


深月の逆転。


光の心の中ではずっと、深月がいたんですね。

(そのよう作ってますので、是非読み直して見てください)


ただ、問題は山積みですね。


陽菜……


色々と言いたいことがある方は、感想欄にてお待ちしております。


次回の話は少し長くなりそうなので、もう数日したら更新できると思います。(多分)

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― 新着の感想 ―
更新おつかれさまです。 正直そうかもな?とは思っていたけど驚きはありましたね ただ残された姉はどうなるのか?そして弟もw 周囲の反応からしても妹を選ぶと色々問題ありそうですけどね 初めから姉妹両方派…
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