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第64話 久しぶりの再会

今回は、途中で初の、深月視点入れてみました。


あと、情報量多いです。

また、普通の学校生活が始まった。


特に大きな出来事はなかった。

もうすぐ始まる、修学旅行の説明とかがあったくらいだな。


教室では、陽菜さんのパワーストーンが周りの女子達に結構ウケていた。


色違いとバレないように、シャツの袖をスッと伸ばした。

まだ少し暑いにも関わらず、冬服に変わっていたので、イライラしていたが、今日は長袖に感謝だ。


学校生活では、プラシーボ効果のおかげか、あまり緊張しないようにもなってきた。

ほんの少しだけ、力が出せるようになった気がするぜ。

お守り効果はあったようだ。


今日の体育はドッチボール。

2つのボールで行われるドッチボールは、結構激しいものだ。


そして体育は男女別で行われるが、女子も同じ体育館にいる。


男子たちのやる気度合いが違かった。

ボールのスピードが自然と速くなっていた。


俺も、色々と注目されるようになっているので、できれば頑張りたいと思っていた。


体育着は、半袖なので、パワストーンは手につけるわけにいかないが、ズボンにしまっておいた。


そのおかげか、100%の思い通り力とまでは言わないが、それなりに体が動いてきた。

何回か、ギリギリでボールをかわすという、いいプレイができて、マジで嬉しかった。


が、人数も減ってきて変に注目されて、また病気が発動して、ボール二つが同時に両目に当たった。

ノーガードで受けたボールは結構痛かった。


なんか、俺……調子乗ってるとやられるパターン多くね??

まあ、いいか。


とりあえず、保健室に行って、保冷剤を2個もらい、両目に乗せて休んでいた。

なんかすごく、ひんやりして気持ちいいな。


保健室付近の階段で座って、目を冷やしていると、誰かが近づいてきた。


そして、少し離れたところで足音が止まった。


あれ。

学校の中に殺し屋がいて、俺がターゲットだった的な?


目見えないで闘うのはキツイな……


と思ったら「大丈夫〜〜??」という陽菜さんの声が聞こえた。


ビビったぜ。全く。


とりあえず、保冷剤を外そうとしたところ、「あ〜〜!!大丈夫!!大丈夫!! 外さないでいいよ〜〜!!てか、そのままで!!」と意味わからない注文をされた。


「なんか面白いなそれ」

「え〜〜。 冷やさないとダメでしょ〜〜?」


俺は笑ってしまった。

よくわからないが、陽菜さんらしくなさが面白かったのだ。


「てか、なんで怪我してるのよ〜!! 本気でやれば避けれたんじゃないの??」

「どうだろう。完全に体を動かせれれば、あの瞬間でも避けられたと思う。でも、やっぱ人前だと力出せなくてさ。これでも動いた方だと思ってる」

「そ、そうだよね〜〜」

「陽菜さんのおかげだよ」

「わたしのおかげ……?」


俺はパワーストーンをポケットから出した。


「このパワーストーンで少しつづだが、いい感じだ。もっと、人前で力を出せるようにならないとな」

「そうやって、色々な人にいい感じのこと言ってるんでしょ〜〜? そんな言葉で落とせると思うなよ〜〜?」

「いい加減な気持ちはないよ。本当に感謝しているさ。色違いだからさ、病気の俺も一人じゃないって思えてマジで感謝している」


「……」


なんで黙るんだ。


え。

周りに人がいて、みんなにバカにされているとか?


いや。大丈夫だ。

人の気配は一人だけだ。


やっぱり、キモかった??


「ひ、陽菜さん?」

「ん?? いや〜〜嬉しいなって思ってさ〜〜!!」

「まあ、保冷剤乗っけながら感謝されてもな。でも、マジで感謝しているよ」

「う、うん!! じゃあ、わたし行かないと!!」

「じゃあ、また」

「うん!」


陽菜さんは走って戻っていたようだ。

それにしても、今日の陽菜さんは全体的に面白かったな。



俺は、残りの授業の時間、保冷剤で冷やしてサボっていた。



*(深月視点)


午後の授業中、私は外を見ながら考え事をしていた。



私は、彼が好きだったんだと思う。


私は、今まで、男子はあまり興味がなかった。

声をかけてくる男子は、みんないやらしい視線を向けてくるから、男子そのものが嫌いだった。


でも、彼だけは違った。

そんな彼との関わりは、本当にくだらないことから始まった。


気がついたら、私は毎日の図書室の時間が楽しみにしていた。


クラスが違うし、連絡も中々できなかった。

初めて、嫌われたらどうしようと心配して連絡できなかった。


行事では運良く、彼と過ごすことができた。

体育祭、遠足、文化祭では一緒に過ごす時間が本当に楽しかった。


夏休みには、初めてのお泊まりもしてしまった。


時間が経つにつれ、自分でも驚くらいに、彼のことで頭がいっぱいだった。

文化祭では、一緒になりたくて、自ら実行委員に立候補したくらい、私はおかしかった。


私は、彼も私のことを同じように思ってくれていると思っていた。

二人でいる時、彼も楽しそうにしてくれていたと思っていた。


でも、彼は違かった。


全て、騙していた。

ただ、私が楽しんでいるのを馬鹿にしていただけだった。

そう聞かされて、私はどうしようもなく、苦しかった。

本当にショックだった。

初めて、人に手を挙げた。


全てを聞かされて、私は彼を嫌いになったと思った。

下心ある男子より酷いことをされたんだから。


でも、不思議なことに、嫌いになれない私もいた。


思い出の品も捨てることができなかった。

時間が経てば経つほど、彼との楽しい思い出だけが残っている。


『図書室に来ないで』っと言ったのは私だったのに、誰もいない図書室は何も楽しくなかった。



恋は盲目。

今ならその意味がわかる気がする。


私は、彼が好きだったんだ。


正直、この間のテストで負けたのは悔しかったが、少しだけ嬉しくもあった。

文化祭の出来事を通じて、私のことを気にして、1位を取ってくれたのかと思ったから。


でも、そんなことは私の妄想であることはすぐにわかった。


なぜなら、次の日、私はクラスで散々聞かされた。

『ねえ、深月さ、ここだけの話、陽菜ちゃんって付き合ってるの?? 学年1位の子と?』と。


彼は、陽菜ねーと一緒に登校する為に、少しだけ本気を出したんだと気がついた。


実くんに一位取れなかったことを謝った時に、彼の点数も伝えた。

実くんは問題を見た上で、難しい問題であったが、彼が点数を調整した可能性すらあると言っていた。



恐らく、陽菜ねーのために頑張って、目立ちすぎないように、点数を調整したが、調整をミスして、私とギリギリの1点差になった感じなのかな。



姉妹のルールの中で、付き合ったからといって報告しなければならない義務はない。

そもそも、私は、誰とも付き合ったことがないから報告もしたことはなかった。


私も、陽菜ねーが彼にどんな気持ちを抱いているのかはなんとなくわかっていた。


ただ、友達の延長なのかなとも思っていた。


ただ、陽菜ねーは、文化祭以後、何があったかわからないが、すごく彼に惹かれている感じがする。

思い人を待っていたような、王子様にあったような、そんな感じがする。


陽菜ねーが幸せならそれでいい。

ただ、私としては、姉がバカにされているは、私が彼に未練があったとしても、許せなかった。


実くんに陽菜ねーのことを相談しようとも考えた。


そもそも、実くんとはそこまでプライベートの話をしていたわけではない。

それに、私には姉がいて、その姉が彼に惹かれていると言ったら、紳士的な実くんは恐らく陽菜ねーのことも助けようとするだろう。



実くんはすごく忙しそうだった。

あんなに全ての分野で努力している人を見たことがなかった。

だから、くだらないことで迷惑をかけられない。


それに、陽菜ねーは、ただの被害者でもなさそうだった。

だって、私は陽菜ねーに真実を伝えたから。

それでも、陽菜ねーは彼と仲良くしている。


陽菜ねーが幸せならいいが、妹としてやるせない気持ちもあった。


私は、彼の本心を聞きたいと思っていた。

陽菜ねーのことをどう思っているのかと。

遊びで付き合うのは反対だった。


そんな時、彼が体育の時間で目を怪我した。


チャンスだった。

文面だけでは本心はわからない。

それに、私が話かけても今までどうり、演技で上手く騙されてしまうだろうと思った。


そこで、陽菜ねーがドッチボールをやっている時、私は陽菜ねーの真似をして、「大丈夫〜〜」と彼に近づいた。


久々の彼との会話は、ものすごく緊張した。

いつもならもっと上手くできるモノマネも、全然上手くいかなかった。


そもそも、思いつきで行動してしまったが、陽菜ねーとどんな会話をしているかもよくわからなかった。


そして、話してくうちに、もっとよくわからなくなってしまった。


彼の言っていた『病気』ってなんだろう。


脳の構造が違うこと?

でも、それは陽菜ねーは知っているし……


人前では力が出せない設定なのかな……?


でも……、そう言った彼の雰囲気は嘘をついているように見えなかった

本当に、何かに向けて、陰ながら努力をしている感じであった。


第一、陽菜ねーにそんな単純な嘘が通じるのかと疑問だった。



ただ、実くんの方も嘘をついている様に思えなかった。

実くんは、殴り合いになって、怪我をしてでも、彼の考えを変えようとしていた。

そこの態度に嘘はなかった気がする。


また、私は彼に騙せれてるの?


何か見落としている……??


でも……なぜ、あの時、彼を信じて、もっと話を聞いてあげなかったんだろう……


私がやったことは、ただ、彼をそのまま拒絶してしまった。

彼に手を挙げてしまった時、彼はすごく悲しそうな顔をしていた。


もしかして、陽菜ねーは何か知っているのかな。


もう手遅れだ。


実くんに聞いても、実くんを疑うことになってしまう。


陽菜ねーは、彼のことを本気で好きなんだと思う。


パワーストーンのことでそう思った。

あれ、色違いだったんだ。


今朝、陽菜ねーのパワストーンを褒めた。

陽菜ねーは、「いいでしょ!!」というだけで、どこで買ったとか教えてくれなかった。


私が彼に怒っていると思って、気を遣ってくれて言わなかったのかな。


陽菜ねーはペアで買うのが好きなんだ。

昔、好きな人ができたらペアやってみたいと言っていたし。



午後の授業も終わり、帰り道、私は初めて、陽菜ねーと彼が歩っているところを発見した。


遠くから眺めると、二人は楽しそうに会話していた。


運命で結ばれた様な、家族のような雰囲気を感じた。



ああ。

体の奥がグッと痛くなった。



私の恋は……終わってたんだね。


もしあの時に、違う行動とっていたら、どうなっていたんだろう。


もう、私はあそこの輪に戻ることはできない。


過去は忘れ、次に進もうと決意した。


そんな中、実くんから連絡が来た。


内容は、修学旅行の時、一緒に遊ばないかというものだった。

偶然にも、京都の目的地と日付が同じだったんだ。


私もバカではない。

実くんが、私に好意を抱いているのは感じている。


でも、実くんも、他の男子とは異なり、浮ついた感じではない。


学校でもかなり人気であろう。

遠足では色々な人に囲まれていたし。


私はそこまで顔に興味はない。

それに、私からすれば、彼も実くんも似ている気はするし。


たった、遠足で一回会っただけなのに、まるで運命のお嬢様のように扱ってくれる。

いいのかな。こんな私で。


私も、実くんといるとすごく頑張れるし、すごく落ち着く。

やっぱり、二卵性とはいえ、彼と双子だからかな。


陽菜ねーが彼と運命のような関係なのと同様に、私も実くんと出会う運命だったのかなとか考えたりもした。


私が龍上高校に入ってたらどうなっていたんだろう。

実くんと仲良くなっていたのかな。


なんだか、わからなくなちゃった。


実くんには感謝している

せっかくの機会だ。


私は、実くんともっと仲良くなろう。


好きだったよ。光くん。




ある日、放課後に、俺と高安は、須子に少し話をしないかと誘われた。


珍しく、須子が緊張している様子だ。

緊張している様子というか、今日1日、下ネタを言っていないから、悩み事でもあるのかもしれないな。


近くのハンバーガーショップにつくと、須子が、重い口を開いた。


「前にさ、僕にも秘密があるって言ったじゃん?……覚えている?」


「そういえば、前に、俺の家で隠し事あるって言ってたな」

「オレが若頭って言った時だろ?」


「そうそう。大したことではないんだけど、言わないと思ってさ」


それで、少し言いにくかったのか。


「無理しない範囲で言ってくれ」


須子は深呼吸をして、

「僕さ、文化祭の後夜祭から、森さんと付き合っているんだ……」と言った。



え??


驚きすぎて、言葉が出なかった。


ああ。

だから、文化祭以後、二人の距離が近かったんだ。



「@:?・。(_**+」

高安なんて何言っているかわからないぞ。

おい。若頭戻ってこい!!


そう思いながら、俺は須子に対する返事を考えていた。

沈黙はかわいそうだ。


「まず、マジでおめでとう。冗談抜きで嬉しい」


人のことでこんなに嬉しいことは初めてだ。

ぜひ幸せになってほしいものだ。


正直、どかかで誰かは付き合うと思っていたが、本当に現実になるとは



「そう言ってくれて、嬉しい。黙っててごめん」

「マジでおめでとう。でも、なんで、秘密にしていたんだ?」


「もし、別れちゃったりしたらみんなに迷惑がかかるだろ? 急に付き合うことになったし。でも、しばらく経って、お互い本気ってわかったし。だから、大切な人には伝えようと思ってさ。女子の方にも今頃伝わっている頃だと思う」



「なるほど。のろけというやつだな」


「違うって!!」

そう言いながら、須子は幸せそうだった。


後夜祭というイベントで告白を成功させてたのか。

主人公かお前は!!


それから、色々盛り上がった。

ボーイズトークというやつだな。



その中で、俺は、二人に陽菜さんとの出来事を話していった。

合宿したことや、遊びにいったことなど包み隠さず話してみた。


信じられる奴の、客観的な意見が欲しかったんだ。


「……どういうことだと思う?」


「お前頭いいのにバカだな〜〜。それで好きじゃなかったら、早乙女さんサイコパスだぞ?」

「オレもそう思うぞ」


正直、この二人なら、俺をネタやいじめで告白させようとしているわけではないことはわかる。



「でも、なんだろ。ちょっと恋愛とは違う感じもするんだ。俺も初めてでわからないけどさ」 


「そんなもんだろ」


「もっと陽菜さんもハッキリいってくれればいいのに……」


「十分アピールしているだろう!! 待っているんだよ!!お前からの告白を」

「そうなのかな……」

「あのな〜〜、のんびりするのもいいけどな、あんないい人。ちゃんと彼氏という肩書きないと、知らない男にスッと取られるぞ?」


『取られる』……か

深月さんを一瞬で失った俺にはすごく響く言葉だな。



「善は急げだぞ?」

「そうは言っても、タイミングがあるだろ。 須子は後夜祭っていういいイベントあったからいいけど……いきなりってのも……。それに、もし失敗したらみんなとの関係もあるし。須子は心配しなかったの?」


「もちろんしたさ。でも、本人目の前にして、雰囲気が揃ってたら、頭の中真っ白で、そのまま思っていること伝えてたよ。告白というのはそんなもんだった」


「でも、俺が上手くいかなかったらみんなに迷惑かけちゃうし……」


「もし、ミスっても僕は友達を辞めないぞ?」

「オレも」


「ありがとう……」



「最近、修学旅行のしおりもらっただろ? あそこに、キャンプファイヤーがあって、そこで、告白するやつら多いんだってよ〜〜」


「修学旅行か……」


「別に、無理にってことじゃないけど、二人見てたら上手くいって欲しいさ」

「オレも上手くいくと思うぞ。学校も一緒に通ってて、告白されて、仲悪くなることなんてそうそうないだろう」


「色々ありがとう。まあ、色々検討しておくよ。てか、高安だって、数井さんとどうなのよ??」

「そうだそうだ〜〜!!若頭の亀の頭くらい見せたんだろうな〜〜??」


俺達は、高安と数井さんの話題で盛り上がった。


告白という経験をした須子は一回り成長していたな。



ありがとう。

二人のおかげで覚悟はできた。




俺は、修学旅行で陽菜さんに告白をするよ。



これにて、【日常編終了】です。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。


深月……せっかく気がつき始めたのに……


姉妹には幸せになって欲しいけどな……(親心)


次回からやっと、運命の【修学旅行編】です!!!


シリアスなのか、結局コメディーなのかよくわからない感じになっているのですが、それは修学旅行編が終わった時にでも感想ください。


それでは、執筆してきます。

最近更新遅くて申し訳ございません。

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更新おつかれさまです。 ついに運命の修学旅行編でどんな事になるのか 妹も好きだったと言いながら主人公に未練ある様子。 姉は主人公まっしぐらだけどそのままにはいかないでしょうし楽しみですね  更新してす…
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