表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/80

第63話 陽菜の隠れたメッセージ

久々の更新になってしまったのと、デート回なので、ちょっと長めです。

ある日、陽菜さんと一緒に帰っていると、陽菜さんに遊びに誘われた。


テスト頑張ったから何か買ってくれるらしい。

別に、俺は何もしてないのにな。

陽菜さんに迷惑をかけないように1位を自己満で取っただけなんだけどな……


それに、陽菜さんはいつも通り3位だったし。

最も、俺や深月さんとは80点以上点数が違かったが。


いいのだろうかと思いながら、断るのもアレなので、遊びに行くことにした。


とういうことで、その週の日曜日。

俺らは、少し離れた場所にあるショッピングモールに行くことになった。


今日は買い物だけではなく、映画を見たり、ご飯を食べたりする予定だ。


そういえば、陽菜さんと二人ってそんなに機会なかったな。


下手したら、ちゃんとしたのは初めてか。

いつも、友達がいたり、深月さんがいたり、行事の途中だったりしたもんな。


これって……陽菜さんにとってはどういう意味なんだろうか。

一緒に登校するのも……


まあ、変に考えるのも良くないな。


とりあえず考えるのはやめて、俺は、待ち合わせ場所である、陽菜さんの家の最寄駅に予定より早く向かった。


改札付近をぶらぶらしていると、目の前に見覚えのある、髪の長い、モデルのような美人と鉢合わせした。


見間違える訳ない。


深月さんと鉢合わせしてしまったのだ……


え。なんで?


深月さん……だよな。

このスタイルに、この顔……

間違いない。


髪長いし……


こんなタイミングで会うか……?

偶然にも程があるだろう。


あーーーーーーー。

はいはい。


いつものパターンね。


陽菜さんよ。

俺に同じパターンは効かないぜ。


まあ、びっくりはしたけどな。


でも確かに、変装するメリットもあるよな。


日曜日に、私服で二人で歩っているのバレるのはな。

モデルの仕事もあるし。

超絶有名というわけではないとしても、本気を出せばいつでも芸能界で頂点取れるレベルだ。

学校ならまだしも、公共の場だしな。

二人でいるところをバレるのは困るのであろう。


髪が長ければ、最悪、『妹の方です』とか言えば誤魔化せるしな。


ただ、今日の陽菜さんは、本当に深月さんの感じがするな。


顔の区別というより、雰囲気というか、仕草というか。

そんなに演技上手くなられても今後困るんですけど……


髪の長い陽菜さんは、少し顔を下に向けて俺と目を合わせない。

本当の深月さんだったら、確かに、気まずいし、そうしそうだな。


演技は上手くなってはいるが、もうバレバレですぜ。

まあ、待ち合わせの時にこうやって楽しませてもらえるのは、個人的には楽しいからいいのだが。


「相変わらずだな」

俺は陽菜さんに声をかけた。


「……え?」

陽菜さんはいつも以上に、声が小さかった。


次の瞬間、俺は『お待たせ〜〜!!』と聞き慣れた声と共に、ドンと背中を押された。


は??

誰!?


振り返ると……背中を押したのは……

肩が見えている、ちょっとセクシーな洋服を着た、陽菜さんだった……。


え??

じゃあ……目の前にいるのは誰??


おいおい。マジか……?

脳が理解するより先に冷やせをかいてきた。


深月さん……ってことだよな?



「え。偶然!! 深月ちゃんだったの〜〜。通りで、()()()がわたしに似てる人といるなって思ったんだ〜〜!!」

「偶然だね。 ちょっと、大きめの図書館に出かけるって言ったじゃん。だから電車乗らないといけなくて」

「あ〜〜! そうだったね!! じゃあ、頑張ってね!!」

「うん。ありがとう」


え。やばいって。


そんな偶然あるのかよ。

まあ、あり得なくはないか。

だって、ここは、陽菜さんの家の最寄駅だもんな……。

深月さんが使う可能性も普通にあるよな。


マジかよ……

深月さんだったのかよ……


「すいませんでした」

なぜか、俺は深月さんの顔を見ると、昔のように敬語に戻ってしまっていた。


「大丈夫です」

深月さんも敬語に戻っていた。


深月さんは、そのまま改札をすぎて駅のホームに向かっていた。

しばらく会わないうちに、随分、遠くに行ってしまったな。



「も〜〜。びっくりしたよ〜〜」

「びっくりしたのは俺だ」

「でも、なんで深月ちゃんなんかに声かけたのよ〜」

「声かけたと言うわけではなく、偶然出会ったんだ……」

「そうだったの!! もしかして、区別つかなかったの?」

「い、いや……」

「顔見るの苦手って言っても、髪の長さでわかるじゃん!!」

「いつもの変装かと……」

「あ〜〜。こないだみたいなね??」

「いや、でも今回は、途中で怪しいと思ったんだ。でも、そんな偶然あるのかなと思ったら、偶然があったんだ」

「気がついたらよしとしますか!! ちょっと、おこだけどね??」


陽菜さんは少しご立腹な様子だ。

顔をぷくーっと膨らませているぞ。


まあ、それもそうだろう。

せっかく、遊びに誘ってくれたのに、区別もつかないような男だったら嫌だよな


どうしようかな。

このまま、ご立腹状態で遊ぶというのも良くないであろう。


あ!そうだ!!


待ち合わせした時に、女性の服を褒めておけってネットに書いてあったしやってみよう。


でも、俺……何がファッションかわからないですけど……

どうしよう。


待てよ……


今日の陽菜さんの服

前に、見せてもらった、陽菜さんのSNSの画像と同じコーディネーションじゃね??


記憶を思い出して、照らし合わせてみるとやはりそうな気がする。


「その服……いいね。あれだよね……モデルの撮影の時に着てた…よね?」

「そうそう!! 撮影の時は借りてた服なんだけど、気に入ったから買っちゃった。よくわかったね!!」


陽菜さんのテンションが上がった。


「まあ、記憶力はあるのでね」

「なるほど〜〜。どう? オフショルダーはエッチでしょ?」

「まあ……普通に似合っているよ」

「やったね〜〜!!」


ふう。

助かった。

機嫌は戻ったので一安心だ。


俺らはショッピングモールに向かうことにした。


制服とは異なり、私服の陽菜さんのオーラはすごい。


電車では、スマホに夢中な人達も、男女問わず、みんな視線をあげ陽菜さんをじっと見る。

そして、隣にいる俺に疑問の視線を投げかける。


まあ、俺も、自分のことをマネージャーにしか思えないから安心しろ。

やっぱり、学校じゃないと、学年1という称号もないし、不釣り合いか。


この感じ。懐かしいな。

改めて、レベルの高さを痛感させられるな。


やっぱり、早乙女姉妹とは釣り合っていないよな。


なのに、これはどういう意味なんだろう。

ただの、お遊びなのかな。


気がついたら、ショッピングモールについていた。


休みということもあり、人が多く、めまいがしそうだ。


「じゃあ、まずは映画を見に行こっか〜〜!!」

「そうだな。ただ、俺、映画館とか行ったことないんだけど大丈夫?」

「お金持ちだね〜〜。映画館とかいつでも買えます的な?」

「いや。一緒に行く友達がいなかっただけなんだが……陽菜さんはよく行くの?」

「深月ちゃんとか友達とか誘ったりしてね〜〜。でも、男の子は初めてだよ??」


上目遣いでそう言われても……


「そうなのか」

「反応薄い〜〜」

「そんなもんだ」


俺らは見る映画を決めていた。

というか、陽菜さんの見たい映画を見るだけなんだが。


内容は恋愛系だ。


詳しいことは調べる時間がなかったが、軽く予告を見ると、どうやら、初恋の男女が転校とかの事情で離れたが、運命的な再会を果たすという、ありきたりなやつぽっかった。


別に嫌いではないが、個人的には、魔法とか、超能力とかの激しいバトル系を見たいのもあるが。

まあ、陽菜さんが見たいんだから見よう。


でも、ベタ中のベタを楽しめるのかな?


とりあえず、券売機にたどり着いた。

券売機の扱いは、陽菜さんが慣れた手つきでやってくれていた。


「席どこがいい〜〜??」

「俺は特にこだわりないぞ。そもそも、どこがいいとか知らないし」


そういうと、陽菜さんは少し笑い、「そっか〜〜。じゃ、一応、暗黙のルールは守らないとね」と言った。


「……ルール?」

「わたし達、今日二人じゃん? だから、この二つがくっついている席にするのが決まりなんだよ!」

「そうなのか。暗黙のルールとかあるのか。まあ、一人の人とかが一人席優先なのか」


陽菜さんは、どこか、笑いを堪えた感じで、「そうなんだよ〜〜!! じゃあ、ここにしよう〜〜!!」と言い、チケットを購入した。


それにしても、なんかよくわからないビジネスモデルだな。

男友達と2人で見たい時も、暗黙の了解でそこを選ばないといけないのかな?

3人席とかも用意していた方がいいんじゃないか

それに、回転効率なんて変わらなくないか?


そう思いながらも、俺らは、購入した席である、一番後ろの左端のペア席に座った。


映画館は想像していたより広かった。


前の席に、少しチャラついた雰囲気のカップルが座った。


本当だ。

二人組だから、暗黙のルールでこの席選んでいるのか。


迷惑カップルは、予告も始まっていないのにイチャつき始めた。


『え〜〜〜。いいじゃん。せっかく、カップル席なんだし〜〜』

『暗くなったらな??』


と何かしそうな会話をしている。


てか……待て待て。

今、『カップル席』って言ったよね……??


よくよく映画館を見渡すと、2人組には男女が多かった。


ん?

え?

そういうこと……?


「どう? びっくりした?」

周りを見渡している俺を見て、陽菜さんが声をかけてきた。


「俺はいいが……いいのか……?」

「怒るのかと思った〜」

「怒る訳ないだろ」

「じゃあ、ドッキリ大成功だね!!」

「完敗だよ」


これは……イジリなのか……?


結局、俺は陽菜さんとカップル席で映画を見ることになった。


暗くなると共に、前のカップルがキスを始めた。


そういう席なの!?


いや。これは違うな

こいつらだけだろう。


暗いと、そういう雰囲気になるのはわかるが。


陽菜さんは、俺の肩に頭を乗っけてきた。


友達の距離感ってなんだっけ……



久々に近いな。

懐かしい匂いだ。


意識してみると、ほんの少しだけ深月さんと匂いが違う気がする。


俺はもっともっと知らないといけないよな。

今日の反省としてもな。


映画自体は、意外と良くできた内容だった。

映画館ということもあり、迫力もあったからかもしれない。


陽菜さんも夢中で見ている。


初恋とか運命とか好きなんだな。

モデルでも意外とミーハーなのか。


映画もクライマックスに近いところで、事件は起こった。


おいおい。

濡れ場シーンあるって聞いてないんですけど……


「ねえ、ねえ」

陽菜さんが小声で話しかけてきた。


やっぱり、気まずいか?


「……ん?」


「…立ってる?」

「……は?」

「だって……エッチじゃん」


なんで俺はいつも暗闇だとエロいものを目撃するんだ?

深月さんとカラオケ行った時もそうだったし……

暗闇危険というやつだな


「立ってないよ……」

「なんだ。興奮してるのかと思った……足組むし」

「マジの偶然だ。映画に集中しなさい」

「は〜い」


美女が横にいながら立っていたら怒られそうだ。


本当は全然ビンビンだけどな??


別に女優の体にって訳ではなく、隣に女子がいて一緒にエロいのを見ているのが興奮するんだよ!!


陽菜さんは興味津々に見ている

興味津々なところは似てるんだな。


濡れ場というからには……陽菜さんも……


これ以上考えるのはよそう。

トイレに駆け込まないといけなくなるからな。


2時間の映画もあっという間だった。

テンプレかと思ったが、結構楽しめた。

初めての映画館も楽しかったぜ。


映画も楽しみ、昼食の時間になった。


俺らはテキトーに飲食店を周ったが、結構混んでいたため、ケーキバイキングの店に入った。


個人的には大満足だ。

男一人では入りにくいからな。


正直、周りに女性しかいないのは緊張するが、これも経験だろう。


とりあえず、ケーキを大量に取ってきた。


「美味しそう〜〜!! いただきま〜す!」

「甘いもので良かったのか……?」

「カロリーーは気になるけど、今日はチートデイ!!」

「ちゃんと、気にするんだな。偉いな」

「気にしないのは、深月ちゃんだけだから〜〜」

「まあ……そうだな」


深月さんなら、ここのケーキは全部食べるだろうな。


ケーキを食べながら、学校の話題、映画の感想を話していた。

映画の感想の中で、運命の話になった。


「ねえ……光くんって、中学も龍上の系列だよね?」

「そうだぞ。今更感だが、龍上高校は系列あるからな」

「わたし達、中学3年生の頃、中学の文化祭行ったことあるんだよ?」

「そうだったのか」

「どっかで、すれ違ってたりしてね〜〜〜」

「下向いて歩ってるからよくわからないがな」

「あれま〜〜」


3年の頃の文化祭か……

行事なんて参加ししてないし、誰にやられたか知らないけど、ケチャップをかけられるという陰湿なイジメを受けたような記憶が……

制服洗うの大変だったな……

嫌な記憶だぜ……


「でも、なんで文化祭なんて来たの? 友達がいたの?」

「じつは、わたしと深月ちゃん、龍上高校を受けようとしてたんだよ〜〜! それで、中学もノリで見に行った感じ!!」


「そうだったのか。でも、なんで、今の学校にしたの?」


二人の学力なら十分合格できる。

仮に、中学の頃バカでも、顔だけで裏口入学くらいできそうなものだが……


「……落ちゃって……」

「え?? 採点ミスかもだぞ? ちゃんと、調べようか?」

「違う違う!! 深月ちゃんは受かったんだけど、わたしがダメで」

「そうだったのか……。でも、そこまで差はないと思うけどな」

「ちゃんと早く寝て、臨んだけど。具合が悪くてどうしても上手くできなかったの……」

「そうだったのか……」

「それで、深月ちゃんが一緒がいいって龍上高校蹴って、今の高校入ったんだ」

「……」

「わたしは暗い話したいんじゃなくてね、もし受かってたら光くんに会えてたわけじゃん? でも、入れなかったけど、結局こうやって光くんに逢えたし、運命ってあるんじゃないかなって」


「運命か……。確かにそう考えると面白いな」


どうだろうか。

昔は会話をすることすらできなかったし。


陽菜さんが龍上にいたら、関わっていない気もする。


でも、陽菜さんの性格だと、陰キャの嫌われ者でも、声を掛けてくれてた気はするな。


俺とも関わっていたのかな……?


「でも、時たま、深月ちゃんは、やっぱり入りたかったんじゃないかって思うんだよね〜〜」

「まあ、真偽はわからないが、大丈夫だろう。入らなくても龍上でもかなり高いレベルだし。行っても意味なかったんじゃないかな?」

「だといいけどね〜〜」


この世は運命で決まっているってのも、個人的にはあり得る話だと思っている。


もし、陽菜さんの言うように、深月さんが龍上に未練があったと仮定する。


だから、俺が避けようとしても、最終的に、龍上のトップである弟と関わりを持ったのも運命だったのかもしれないな。


弟と深月さんはどこかで会う運命だったのかもしれないな。


仮に、深月さんだけが龍上高校に入ってたら、弟が一目惚れをして、俺と深月さんの接点などはなく、弟と付き合っていただろう。


双子だから俺は、陽菜さんと出会っていた可能性はあると言うことか。

陽菜さんとこうなることも運命だったのか……?

階段での出来事も……運命か……。


なんか頭がこんがらがってきたぞ??

まあ、いいか。


「そういえば、弟くんって、光くんに似てるの? 見たことないんだけど」

「そういえば、そうだったな。ネットでも、一条家が圧力かけているからな。 まあ、二卵性だから普通に似てないぞ」

「似てるとか言われないの??」

「前の学校では、似ても似つかないって言われたし、他の人から見ても似てないんだろう。あいつはイケメンだし」

「そうなんだ。光くんもかっこいいよ〜〜??」

「はいはい」

「本当だよ!!」

「はいはい」


見たかったのかな。

俺はずるい人間だ。

見せて、弟の方に行かせたくはなかった。深月さんみたいに。


というか、そもそも、弟の写真なんて持っていないんだけどな。



「まあ、人生ってわからないものだな」

「どうせこうなるならさ、受かっても良かったくない?」

「いや。逆に、陽菜さんが受かっていたら、今のこの状態はなかったと思うよ。前の学校では今みたいな幸せな生活をしてなかったし」

「じゃあ、良かったのか!!!」

「やっぱり、さっきの映画みたいに運命とか大事なの?? 運命の相手が運命じゃなかったらどうするの? 俺も何言っているかわからいけどさ」

「わかってないな〜〜! 女の子の憧れだよ!! 」

「そういうものか」



てか、今日の映画のテーマ

運命だったな


まさか陽菜さんそこまで……??

考えすぎか。


そんな会話をしながら糖分補給という名の昼食は終わった。


そして、本題の買い物を始めた。


「ねえ!! あれ買おうよ〜〜!!」


陽菜さんが指差したのは、パワーストーンエリアだった。


「パワストーンか」

「そういうの信じない人?」

「いや、そもそも買ったことがない」

「色々効果あるからさ、緊張とかしなくなるかもよ? お守り的な?」



お守りか。

缶バッチは捨ててはいないが、もう着ける資格ないよな。


確かに、裏に、みんなとのプリクラもあるが、俺の中では、深月さんとの思い出の品の意識が強い。


ずっと持ち運ぶのも、ストーカーぽいしな。


それに、病気のこと知っている陽菜さんとのお守りなら効果ありそうだしな。


「それもいいな。買おう」

「わたしも健康にいいの買おうっと!」


それぞれ欲しいやつを選んだ。


結局選んだのは、陽菜さんと同じ形で、色違いなのだった。


「明日の学校から付けようよ!! じゃあ、買ってくるね〜〜!」

「せっかくだし、そうするよ。でも、やっぱ、奢らなくていいよ。悪いし」

「え〜。だってさ、わたしが朝誘ったから、どうせ色々考えて1位取ってくれたんでしょ?」

「そんな大そうなもんじゃないし、俺にとってテストはそこまで大変じゃないし」

「うわ〜〜。まあ、そこは認めるけど、わたしが言いたいのは、目立ちたくないのに、目立ってくれたお礼ってこと」

「じゃあ、陽菜さんのは俺が買うから、俺のは陽菜さんが買ってくれ」

「それじゃ意味なくない?」

「それじゃなきゃ、奢られないぞ? 交換しようってことだ」

「交換か!! それもいいね〜〜」


ということで、会計を済ませ、プレゼント交換的なことをした。


俺は、新たなお守りを手に入れた。


その後は、陽菜さんと話しながら、色々見て周った。


「こういうところって、緊張しないの? 結構普通にしてない? お店の人と話すのとか」

「いや。目線とか結構無理。ただ、陽菜さんといると落ち着くというか……」


なんて言うんだろう。

リサといる時に近い感覚だ。

深月さんといる時とはちょっと違う、独特の感覚。


共通の何かがあって、少し脳が落ち着くというか……


言葉では言いにくいし、そもそも俺だけがそう思っていてもキモいだろうし……


「わかる!! なんていうんだろう……。共鳴?みたいな??」

「共鳴って……ゲームじゃないんだから」

「誰かさんの影響で、色々なゲームに詳しくなったからね〜〜」

「でも、いい例えだ。そんなことを言いたかった」


陽菜さんの言っていることは、しっくりきた。


陽菜さんも同じ感情なのかな?



気がついたらいい時間になっていたので、俺は、陽菜さんを家の近くまで送り届けた。


「今日は楽しかった。誘ってくれてありがとう」

「わたしもすっごく楽しかった〜〜!! じゃあ、また明日いつも時間に駅集合ね!!」

「おう。ちゃんと寝ろよ」

「は〜〜い!」


リサといるような安心感だったな。



帰り道、俺は、今日の出来事や、今までの陽菜さんとの出来事を思い出していった。



共鳴か……



陽菜さんの行動一つひとつにどんな意味があったか、1万通りくらい考えた。


その中で、可能性の一つに、陽菜さんが俺のことを好きというのもあった。



もしかして、俺から告白して欲しいのかな……


どうなんだろうか。


本当にして欲しいなら、告白してあげるんだが。


いつも通りの勘違いの可能性もあるからな。



慎重にしないとな。

運命ってあるのでしょうか。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
久々の更新おつかれさまです。週1更新が恒例になってしまいましたね忙しいようなので仕方ないですが。 主人公と妹と久しぶりに再会したものの図書館で会う前に戻ったようですね反比例で姉との距離がすごく近い気…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ