表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/79

第5.5話 初めてのラインはテンパる

ブックマークとポイント下さった方々、いつも読んでくださっている方々、本当にありがとうございます!


今後とも、皆様を満足させれるような作品を作れるよう、精進してまいります。



結果的に、2組の方が早く終わっていた。

2組の生徒は、妹の方も含め、部活や帰宅で教室にほとんど誰もいなかった。


一応、2組の教室のゴミ箱を廊下から覗いてみたが、まだ俺のジャージは捨てられてはいない。


このまま、ジャージを持って帰るか?

いや、それこそ、犯罪な気がする。


とりあえず、姉の方の机の上に置いておくか。


そして、置いといたことを後で伝えるか…


俺は一度も発言したことない、クラスラインを開いた。


姉の方を友達に追加していいのか、ものすごく悩む。

ストーカーと思われたらどうしよう。

即ブロされたらどうしよう。


ま、その時はその時か。

今回は俺だって連絡したくてしているわけではないのだ。


しかし、今はまだラインする勇気はない。

家に帰ってからにしよう。


とりあえず、俺は、妹の方のジャージを姉の方の机に置いて、いつものメンバーで帰宅した。



結局家についた後も、友達に追加する勇気が中々出ず、その上、送る文面を考えていたら、気がついたら夜になってしまっていた。

明日になってしまったら、流石にマズそうなので覚悟を決めた。


姉の方を友人追加して、

「早乙女さんのジャージのことなんですが、間違えて入れ替わっていると思うので、とりあえず、早乙女さんの机の上に置いときます。伝えておいてください」

と気合いで送信した。


すぐに既読がついた。

「月城くん! よろしく! よくわからないけど伝えとくね!」


冷静になって、送った文章見ると、確かに伝わりにくいな。



どちらも早乙女さんだしな。

もっと具体的に、入れ替わったこと説明しておくべきだったか。

ああ。 終わったな。

俺はさっきまで何をしていたのだ……

まあ、終わってしまったことは仕方がない。


「よろしくお願いします」と打って、気持ちを落ち着かせるために、風呂に向かった。



陽菜は深月の部屋をノックした。

「深月ちゃん! 入るよ?」

深月は直前まで読んでいた月城との筆談をすぐに閉まった。


「どうしたの? 陽菜ねー」

「月城くんからライン来たんだけど…」

「ラインやってたの? 月城くんと?」

「いや? 今来たばっかだよ〜。ちょっと、焦っている様子なんだよね。」

「内容は?」

「ジャージを間違えたから、多分、わたしの机の上に置いておくってことかな?」

「そういうことか。 とりあえず、『了解!』って伝えといて!」

「わかったよ〜ん! でも、月城くんと接点あったの?」

「図書室で会ったくらいだよ」

「そーなんだ! 面白い子だよね。ちょっと、オドオドしてて、あまり目線合わせないし」

「今までの男子のタイプとは違うね」

「そうそう! なのにどこか芯がありそうだよね〜」

「陽菜ねーとそんな関わりあるの?」

「席が隣なくらいだよ?」

「ふーん」

「も〜どうしたの〜」


陽菜は深月の頭を犬のように撫で始めた。

わずか、数分しか違わないなに姉妹の間には、しっかりとした姉妹関係が形成されていた。


「ん〜〜。もうすぐ勉強するから!!」

「はいはい。じゃあ送っとくね!」

陽菜は自分の部屋に戻った。


深月は、こっそりとカバンから月城のジャージを取り出した。


深月は、図書室を出て、ジャージを着ようとしたところ、いつもとは異なる安心する匂いに気がついた。

その時に、名前を見て取り違いに気がついた。


図書室に戻っても、月城はやることがあると言っていたため、邪魔になるかと思い戻るのをやめた。



深月は図書室の帰りに廊下にある鏡を見て、下着が透けていることに気がついた。

暑かったため、月城の前で脱いでしまったことは反省したが、不思議と嫌な気持ちにはならなかった。


ただ深月は、クラスでは下着が透けるのは嫌だった。

また、深月は安心する匂いのジャージに包まれたいという思いが我慢できなかったのである。


深月はバレないように、刺繍を隠しながら家帰るまで、ずっと月城のジャージを着ていたのだった。


風呂に入って冷静さを取り戻した俺だが、姉妹で、悪口を言い合っているのが容易に想像できる。

浴槽で溺れてしまいそうである。


「深月ちゃん、了解だって!」

しばらくして、姉の方からラインが来た。


すぐに既読つけた方が良いのか。


15分くらいは待った方がいいのか。

失礼がないようにしないと。


「わざわざすみません」


『いいてことよ!』とアニメ通の俺でさえ知らない謎のキャラクターのスタンプで返信がきた。


こういう場合は、未読のままがいいのかな?

女子との個人ラインなんてどうすればいいか知らないぞ。


俺の方から既読しないというのも、女性の尊厳に問題がありそうだ。

『陰キャのくせに、学校1の美女を未読無視!』でスレを立てられたら嫌だ。


かといって、返信するのも、『勘違い乙!』と机に書かれたりしたら泣きそうである。


とりあえず、手を振るわせながら、初期設定で入っているスタンプを押しておいた。


既読無視なり、未読無視なりして貰えば向こうも満足であろう。


すぐに既読になり終わりだと思ったら、「ねえ、宿題どこだっけ?」と返信が来た。


即既読をつけるのはいいのか.?

でも宿題できないと困るし…

あああああああああああああああああ

何が正解なんだ。


高校生活はとても難しい。




気がつくと、妹のミスにより、俺はなぜか、姉の方とラインをする仲になっていた。


急に、姉の方がきましたな。


やはり、同じクラスはでかいですな〜

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ