表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/80

第59話 そして俺は死んだ……?

お久しぶりです。

読者様も体調にはお気をつけください。

とりあえずここで断るわけにもいかない。

仕方なく、深月さんをマンションに入れることにした。


さてどうするか。


いつもは鬱陶しいエレベーターにも感謝だ。

少しだけ思考する時間が得られる。


え。

でも、まじでどうしよう。


やっぱり.……怒っているのかな?


「ど、ど、どうします?」

「どうしよう。俺……殺されちゃうよ!!」

「ひかる様ならナイフくらい避けられるじゃないですか!!」

「でも、別に怒ってないから体動かないんだよ!!悪いのは俺だし!!」

「とりあえず、下まで避難しますか?? 飛び降りしますか?」

「最上階だぞ?? 流石に死ぬだろ!!」

「では、どうするのですか!!」


色々考えているとあっという間に、トントンとドアをノックする音が聞こえた。


あーー!!

南無阿弥法蓮華経!! アーメン!!

色々混ざってしまった。


恐る恐る覗き穴で覗いてみると、深月さんがいた。


誰だよ。マジで。

深月さんのデリバリーなんて頼んでないぞ!!


どうしようもないので、ゆっくりと玄関を開けた。


「あ、あの……ひ、久しぶり……」


俺の挨拶なんて無視して、深月さんは、俺に向かってきて、手に持っているナイフらしきもので腹を刺してきた。


頑張れば避けれたが、俺には深月さんに対して怒りの感情がなかった。


ああ。

俺は刺されて終わるのか。


色々の思い出が走馬灯のように思い出していた。

深月さんに刺されたからか、結構、深月さんとの思い出がフラッシュバックしていた。


別に、騙す気はなかったんだ……

俺は刺された勢いでそのまま床に尻もちをついた。


それにしても、痛くないものだな。

俺の体質が異常だからか?


そのうち痛いのかな?


あれ……?


でも、マジで痛くないぞ?

俺の脳が理解できてないのか?


ゆっくりと、腹を触ってみると血も出ていない。


腹筋で致命傷にならなかったか?



あれ?

目の前にいる深月さんが爆笑しているぞ。


そんなに嬉しかったの?


あれ?

深月さんが持っているナイフ……血ついてなくね?


え?

深月さんは、ナイフの刃をシュポシュポして押したりしている。


……おもちゃ??


あーーーーー。

そういうことか。



「アハハハハハ!! どう?? びっくりした〜〜?」


そう言ったのは、ウィッグを外した陽菜さんだった。



騙されたぜ。

リサだって、インターホン越しに真似されたら気が付かないはな。


「びっくりしたは!!」

「深月ちゃんが怒って殺しに来たと思ったでしょ〜〜??」

「……まあな」

「大丈夫だって言ったじゃ〜ん!!」

「信じてはいたけど万が一があるからさ……」


リサも少し安心した様子で、陽菜さんに声をかけていた。



「陽菜様でしたか。お久しぶりです」

「ごめんね〜〜!! リサちゃん!!!」

「いえいえ。それにしても、上手いですね」

「一応、一卵性だからね〜〜!!」


「まあ、玄関でもあれだろ。入りなよ」

ということで、陽菜さんを家にあげることにした。


「お邪魔しま〜〜す!!」

やはり、陽菜さんは噛まなかった。



「てか、どうしたの?」

「元気してるかな〜って! ……迷惑だった?」

「いや。暇だったしいいんだけど。来るなら言ってくれれば色々準備あったのに」


「いいよ〜〜気にしなくて!! あ!!ここ部屋? 見てもいい?」

「別にいいけど、面白くないぞ?」


とういうことで、陽菜さんが俺の部屋に。

リサはリビングで陽菜さんをもてなす準備だ。


「男の子の部屋って感じする〜〜!! 月城くんの匂いもするし!!」


あれ。

ゴミ箱は大丈夫か!?!?


俺は、瞬時にゴミ箱を確認した。


どうやら大丈夫そうだ。

文化祭1日目以降はしていないからな。


その後はそれどころではなかったし。


「そうなのか」

そういえば、陽菜さんの部屋に入った時も、陽菜さんの匂いしてたな。


「あの金庫すご!! すごいお宝が入っていたりして〜〜?」


あ。やべ。

お宝と言われましても……


「まあ、色々ね?」

「見せてよ〜〜」

「金目当てみたいだぞ?」

「発言だけ聞いてたらそうだね!! やめておこう!!」

「まあ、いつかね」


ふう。

なんとか御神体は大丈夫そうだ。


「部屋にふたりっきり……。ま、まさか…エッチなことを……?」

「陽菜さんが言ったんでしょ!! それに、夏休みにもあっただろ」

「そうだね〜〜!!」

「それにしても、なんでわざわざ変装したの?」

「え〜〜。男の子の家に通ってるのがバレたら……。それに、どっかの誰かさんは区別できなそうですし?」

「あ……」


「怒ってないよ〜〜!! でも、ウィッグはいい思い出かなって!! てか、なんで、編入試験の時、逃げたのよ〜〜?」


「え?」

「え?」


これどっち??


部屋に来て、キスの話するってことは……?


本当に覚えてないのか??

意識も微妙そうだったしな?


でもな、わざわざ、変装してくるってことは……

キスの話して欲しいのか……?


俺は深呼吸をした。


「そ、それは……陽菜さんが……き、キスしてくるからだろ……?」


少し強気で言って、気にしていない感じを出すつもりが、あまりうまくいかなかった。


これは……意識しすぎた痛い男と思われているのか??


陽菜さんは目が点になっている。


しばらくすると、何かを理解したのかのように急に笑顔になった。


「も〜〜〜!! いつからそんな冗談言えるようになったの〜〜!! 欲求不満なの〜〜??」


えーーーーーー!!!

覚えてないの!?!?


なんか、俺……虚しい男じゃん!!!


『キス程度挨拶ですけど?』的な??


「い、いや……ちょっと冗談を言ってみたかっただけだ……」

「わたしはキスしてもいいんだよ〜〜??」


本当に覚えていないのであろうか?


とりあえず、部屋に二人でいると、いけないことをしそうなので陽菜さんを置いてリビングに退散しよう。



「ま、まあ、冗談だ。パソコンでなんか見ていてくれ!! 俺はリサを見てくる」

「エッチなの?」

「違う!! アニメとか動画とか好きなの見てていいぞ!!」

「いいの〜〜? パソコンの中身見ちゃうよ〜〜?」

「まあ、見られてやばいものなんて入っていないから、なんでも見てくれて構わないぞ」

「じゃあ、エッチなのないか探しておこう!!」

「残念だがないんだな」

「つまらない〜〜」

「なんだそれ。じゃあ、自由にしていてくれ」

「は〜い!!」



残念だったな。

あるに決まっているだろう。


ただ、リサが来てから、学校行っている間に、万が一俺様のコレクションがバレてしまったらよろしくないので、しっかりと、誰にもバレないようにプログラムして隠してあるんだよ!!!!



とりあえず、リビングに行き、リサの手伝いをした。


「別に、わたくし一人でできますよ」

「いや、あえてここにいるんだ」

「そうですか」



一応頭の中で、もう一度見られてやばそうなものがあるか思い出していた。



あ。やべ。


リサ対策だったから一つ見落としていた……

俺は急いで部屋に戻ったが、遅かった。


陽菜さんは、鬼頭との対戦の映像を見ていた。


「あ……」



「……ごめん。なんでも見ていいのかと……」

「いや……別に見たことは構わないんだけど……幻滅しただろう。不快なもの見せてごめん」

「え? なんで?」

「え? いや普通に……?」

「すごくない? てか、月城くんだったんだね〜〜。噂と違かった!! あ、でも、一条だからいいのか!!」

「いやそこじゃないだろ!! 無理に俺と仲良くならなくてもいいんだぞ?」

「だ〜か〜ら〜なんで?」

「普通に……怖くないのか?」

「うん。てか、忘れたの? これ遠足の時でしょ? なら、遊園地に行ったじゃん! その時も優しかったよ? だから怖くない」

「でも……」

「それに、やっと、実力通り体が動いて気持ちよかったんでしょ? 本当の月城くんは優しいの知ってるよ。だから怖くない」

「……」

「でも大変だね。体が思い通りに動けば、本当に弟くんと平和になれたのにね。 月城くんは普通に賞賛されて、弟くんも一緒に高めあっていけたのにね」

「まあ、夢物語みたいだけどな。二人で色々とできたのになとは思っている」

「わたしは裏切らなからさ? 安心して?」

「いつでも裏切って大丈夫だぞ?」

「え〜〜。ひっど〜〜!!」

「そうじゃなくてさ……その無理しないでって意味で言って……」

「わかってるよ〜〜!!」


少ししんみりな感じになったので、部屋を出てリビングでおやつタイムだ


「意外にもファミリー用があるんだ!! やりたい!!」


陽菜さんがテレビの前のゲーム機を発見した。


そう!

今まで個人で遊べるゲームしか買ってこのこなかったが、勘違い男は、姉妹で集まった時や、友達を呼ぶために、こっそりと買っていたのだ。



まあ、もう必要ないんだがな。



陽菜さんが遊びに来たことで、一応、使うことになったのでよしとしよう。


と言うことで、おやつの時間の後はレースゲームで3人で勝負だ。


4人がよかったな。


そう思いながらも、とりあえず、陽菜さんをゲームでボコボコにしておいた。



「ねえ!! 少しは手加減してよ〜〜」

「ゲームに手加減はできない」

「手加減してくれないと、授業中思いっきり背中刺すよ??」

「やめてください……」


「そういえば、みんなも心配しているよ〜〜? 先生も、そこまで停学のことを言っていないから、とりあえず、体調不良で通してるけどさ?」


確かに、グループラインでも色々と心配してくれているのに、本当のことを言ってないのは申し訳ないな。

そもそも、こないだ裏切ってしまった俺に友達としての資格があるのか??


「……」

「どうしたの?」

「いや……」


俺は、陽菜さんに、この間起きてしまったことを相談してみた。



「それは、仕方ないんじゃない? 月城くんも背負ってるもの多いし」

「でもさ……」

「ねえ。嫌じゃなかったら少し明かしてみたら?」

「え?」

「本当は言いたいんでしょ? でも、怖くさもあるんでしょ?」

「まあ……」

「大丈夫だとも思うよ。だから、言ってみたいと思ったんでしょ?」

「そうだけど……」

確かに陽菜さんの言う通りだ。


アイツらならどこかわかってくれそうな気もする

ただ、もし……


「もうすぐ中間テストでしょ? せっかくだからここで勉強会とかしたらどう?? その時、少し明かしたら?」

「もし来てくれるなら、一緒に勉強会でもしてみたいな」

「じゃあ、色々誘っておくね!!」

「無理しないでいいから」

「大丈夫だよ〜〜」


陽菜さんにはいつも感謝だ。


と言うことで、ちゃんと次の対戦でもボコしておいた。

ナイフで刺されたお返しをしておかないとな。


ゲームを終えた後は、学校の話題で盛り上がっていた。

気がつけば、あっという間にいい時間になっていた。


帰る時、下のエントランスで、陽菜さんが珍しく、緊張した感じで話しかけてきた。


「ねえ、二人でいる時は……光くんって呼んでいい?」

「別に構わないぞ。俺も勝手に『陽菜さん』って呼んでるからな。俺も一応双子だしな」

「嬉しんだよ〜〜? 昔はそれすら苦手だったのにね〜〜。成長したね〜〜」

「そう言われても……」


なんかすごく恥ずかしいな。



「じゃあ、今度はみんな誘っとくね!! じゃあまた来るね!!! 光くん!!」

「また今度! 今日はありがと!」


陽菜さんは、わざわざ心配して来てくれたのかな?

考えすぎかな?


でも、そんな気がするな。



それにしても……とうとう人生初の友達が家に来るかもしれないぞ??

ボート展開は回避。


キスはまだまだちゃんと擦ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
久しぶりの更新おつかれさまです。 boat展開も回避しましたが妹との即和解も回避でしたね その分姉との距離は更に近づいた気もしますがw 一体姉は何を思ってあの時にキスしたのかまだ謎のままですしね  …
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ