第43話 4日目
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久々の双子バラバラです!!
4日目
朝起きて、姉妹がいるという不思議な状況にも慣れてきたなと思いながら、リビングに行ったところ、姉の方が熱を出していた。
無理させてしまった。
そういえば、あまり、睡眠時間取れてなかったな。
何が、カッコをつけて、命を助けてもらったから、全力を尽くすだよ。
俺は、自分のことしか考えず、姉の方の体調を気に掛けることもなかったではないか。
クソ野郎だな。
もちろん、熱を出したことに対し、誰一人、嫌がる人はいなかった。
一応、別室のベットでゆっくり休んでもらうことにした。
「ひかる様。陽菜様の体調はどうでしょうか?」
「まあ、大丈夫そうだ。疲労からくる発熱だとは思う。体温計がなかったから、詳しい温度とかはわからないからなんともいえないが、他の症状は見られない。海で変な虫に刺されたとかはなさそうだ」
「流石です。医術も学ばれた甲斐がありますね。卒業が資格でなきゃ、とうの昔に合格されていたはずなのに」
「ああ、色々と学ばせられたからな」
食料も尽きてきたので、とりあえず、ちょっと遠くのスーパーへ買い物に行こうとした。
『俺が行く!』と言ったが、妹の方が『面倒ごとは私がやる!』と聞かなかった。
本当はお菓子とか欲しかったりして。
とりあえず、リサと妹の方は買い出しに行った。
ということで、俺はお留守番だ。
確かに、強盗とか来た時、俺がいた方がいいか。
そんなことあるのか?
一応心配しつつ、ソファーでゲームをしていると、姉の方が、リビングに来た。
「寝てないとダメだろ??」
「トイレだよ〜〜」
熱があるからか、声量は小さかった。
ちょっとふらついた。
俺は、急いで近づき、そっと支えた。
「も〜、大丈夫だよ〜。トイレに行くのに近くこないでよ〜。変態だからな〜仕方ないな〜」
「安心しろ。その間は離れていてあげるから。変態だけどな」
支えながら、トイレまで行かせてあげた。
しばらくすると、ゆっくり出てきた。
「まだ、熱あるんだろ? 無理するなよ」
「大丈だよ〜〜。おでこで熱を測って見る?」
そう言いながら髪をかき上げた。
俺は、おでこで熱を測った。
結構熱いな……
「も〜〜なんで大胆なの〜〜」
「今はそういうこと言っている時じゃないって。熱いじゃん。今、部屋まで運ぶから」
「え?」
俺もちょっと強引になっていた。
俺は、2回目のお姫様抱っこをした。
こないだは寝ていたが、今は起きてるのか。
あの時から色々あったな。
「いいのに……重くないの?」
「すっげえ重い」
「降りる」
「嘘だから。大人しくしてな」
「ひど〜い。でも、なんか懐かしい感じする」
「まあ、体育祭の時に運んだからな」
「そうだったね。それだけ??」
それだけってどういうことだ?
ああ。
エロいことしてないかってことか。
「安心しろ。それだけだ」
「そっか……」
俺はベットに寝かせてあげた。
部屋を出ようとしたら、
「やっぱり、汗かいちゃった〜〜〜」と姉の方が騒いでいる。
「タオル持ってきてあげるから待ってて」
「タオルあるよ〜〜」
そう言って、タオルを見せびらかしてきた。
そして、いきなりパジャマのボタンを外し始めた。
俺は後ろを振り向いた。
「ねえ、ふいて〜〜!!」
「いじりたいのはわかっているが、自分でやりなさない。それに、ふざけている場合じゃないぞ?」
「も〜何言ってんの〜〜〜? 前は自分で拭くよ〜〜。背中は拭けないから言っているんだよ〜〜。おっぱい拭きたかったの〜〜??」
ああああああああああああああああ
はっずいいいいいいい。
「い、いや……」
「別に、おっぱいでもいいよ〜〜??」
「いいから!! てか、深月さんが帰ってきたら、やってもらいなよ」
「まだ、来ないでしょ??」
「まあ、そうだけど」
「じゃあ、よろしく」
上裸の姉の方が、俺に背中向けている。
確かに、海でオイルを塗ったことと変わらない。
けど、水着は着ていたぞ。
もう何も着ていないんだぞ。
俺がそっと近づくと、手で胸を隠した。
「ふ、ふくよ?」
「……うん」
「随分熱いな。タオル越しでもわかるぞ? 大丈夫か?」
「こんな格好にさせられるんだから……」
「自分で脱いでくせに」
「……ごめんね。せっかくの合宿をつまらなくさせちゃって……」
「何言っているんだ。俺は楽しかった。俺の方こそごめん。自分のことで精一杯だった。自分ことばっかで、陽菜さんが無理していることに気がつけなかった。楽しかったのは陽菜さんが一生懸命盛り上げてくれたからなのに」
「優しいね〜〜。ほんと」
「とにかく気にするな。誰も責めないから。ゆっくり休んでなよ」
「ありがと〜〜」
会話をしながら、俺は綺麗な背中を傷つけないように丁寧に拭いていく。
真剣にやっていたが、途中で、「あんっ」と喘がれると流石に、冷静さを失う。
おいおい。あの向こうには……
手を外させて、こっち側に引き寄せれば……
最低か。
いつもの心配かけないように、ふざけているだけだ。
本当は苦しんでいるんだぞ。
俺は再び冷静になった。
そんな中、
「今、わたしがこの手を外したらどうする? 月城くんならいいかなって……」
「何言っているんだ? 熱の出過ぎで、おかしくなったか?」
「だか〜ら〜、襲わないの〜〜? 今見れるチャンスなんだよ〜〜?」
「俺をなめるなよ?? こんな俺でもプライドはあるぞ? 具合悪いところにつけ込んでそういうことはしない」
「……怒ってる?」
「怒ってないよ。ただ、もっと自分を大切にしろ」
「……。いいこと言うよね。いっつも」
「まあ、もうすぐ拭き終わる。そしたらすぐに部屋出るから、俺が消えたら拭いてくれ」
「は〜い」
無事に拭き終わった。
俺は部屋を退出した。
ちょっと、クールすぎたか?
まあ、あんなことを言っても、下半身はビンビンだけどね??
少し経つと、リサと妹の方が帰ってきた。
冷蔵庫に食品を片付けた後、『少し寝る』と言って、俺は部屋に戻ったが、下半身がなかなか寝てくれない。
背中が綺麗だった。
ほんの数センチ向こうにはあの胸があったのか。
忘れたくても忘れられないな。
記憶力がいいとそれはそれで問題だ。
鮮明に残ってしまう。
水の冷たさで頭でも冷やすか。
プールでも入ろう。
水着に着替えプールに向かった。
あれ。
そういえば、リサはシャワー浴びてくるとか言ってたけど、妹の方はどこいったんだ?
まあいいか。
勉強でもしているのであろう。
いざプールに入ろうとしたところ、なんか浮いているぞ。
白いビキニの上の方だな……。
え。
なんで??
洗濯が飛んで行ったのか?
今日は、そこまで風は強くないぞ?
まさか、プール入ってる時に、強盗に妹がつれさられた?
ここのセキュリティーを掻い潜ってか?
視線も感じなかったぞ?
あれ、そういえば、妹の姿もみないな。
あ?
誰かは知らないが、俺の大切なものに手を出すな。
姉だろうが妹だろうが、手を出してみろ?
地獄を見せるぞ。
そう思った時、背後から「きゃっ!!』という妹の声がした。
振り向こうとしたとしたら、思いっきりプールに飛ばされた。
何!?
俺は視線に敏感なんだぞ?
後ろに嫌な視線を感じなかったぞ??
てか、妹の方がやばい。
今、変態にひどいことをされている可能性が高いぞ。
水中ですぐに回転し顔を出すと、手ぶら状態の妹がいた。
「おい!!誰にやられた??」
俺は妹を見つつ、周りを確認した。
視線も気配も感じない
誰だ?
絶対許さねえ。
胸を見たかった変態が水着奪ったのか?
おかげさまで、怒りで緊張しねえんだは。
お望み通り遊んでやるよ。
今、このプールに電流を流されても、俺は生き残って、お前と遊んでやるよ。
多分、残酷すぎるけどな。
てめえは、それほどのことをしたんだ。
俺は解放された気持ちになっていた。
さあ、遊んであげますよ。
小物さん。
「……」
「どうした!!大丈夫か!!怖くて声出ないか? 大丈夫だ! 心配するな! あとは男の俺がやってやるから!!」
「……って言ったじゃん……」
「ん? もう少し、大きい声出せるか? 難しいとは思うけど頑張ってくれ!!」
「寝てるって言ったじゃん……」
「それがどうした!!」
「……。違う……。ちょっと、誰も来ないから、裸で泳ごうと思ったんだもん!!」
「……。じゃあ、誰もここにいない感じ……?」
「……うん。泳いでて、一旦脱いだんだけど、ちょっと、忘れ物したから、そのまま上つけないで、部屋に戻ってて、多分そこで入れ違いになった」
脳が一気に戻った感じがした。
えーーーーーーーーーー。
あーーーー。
まあ、妹だからなーーーー。
「そ、そうか……。なんか……ごめん」
てか、家の中をそんな格好で歩くんじゃない。
出くわしたらどうする気だったんだ。
いくら俺が寝てても、トイレで起きるかもだろ??
それにしても、視線を感じないことにびっくりだ。
言われてみれば、姉の方からも感じないな。
まあ、リサとかも感じないしな。
たった数ヶ月でか。
もう、俺の中ではそれくらいの関係なのか。
「……その、私いつまでこの格好なの??」
「あ、ごめんごめん!!」
一瞬妹の方を見ると、手で隠すのが少し下手だったのか、見えてはいけないものが見えた気もした。
気のせいかな??
気のせいだな。
俺は瞬時に後ろを向いた。
「……てか、つけて??」
「は?」
「一人では難しいの!!水着は!!いつも陽菜ねーに手伝ってもらってる!!」
妹の方は、俺に背を向けてプールに入ってきた。
俺は紐を結ぶだけだ。
さっきの姉の方と状況は似ている。
それに妹の方にも海でオイル塗ったろ?
ただ、俺にとっては何かが違かった。
やはり、綺麗な背中だ。
ちょっと前で見たのと同じだ。
俺は、小刻みに震える手で紐を結んだ。
「……できたよ」
「ありがとう!!」
妹の方が振り返ろうとした。
「まだ振り返るな!!!」
「なんで? もうつけたよーー!!心配性だね」
「なんでもだ!」
「なんでか教えてよーー」
「俺も男だ……」
「知ってるよ?」
「わかるだろ? 学年1位なんだから。 収まるまで…待ってくれ」
「収まる?? 男? あ……。うん」
静かな空間だった。
水の波打つ音だけが聞こえる。
シチュエーション的に、中々収まらない。
静かな空間で、大きくして人物の近くで、収まるのを待つ。
特殊な状況だ。
目瞑って、生命について思考する。
46億年前に地球が誕生して、輪廻転生して、転生して異世界に行って双子美人と3pして……
じゃない!!
えーと。えーと……
妹の方が違う話題にしてくれた。
「さっき、なんか雰囲気違かったね」
「ん? そうか?」
「なんか、威力ある感じ? アニメで言えば、闇っぽいね!! 別人だった感じ!!」
「あ。ごめん」
「違うよ!! いい意味だよ!! 私のこと……心配してくれたの?」
「まあな」
「ありがとう!!」
「なんだそれ」
結局、3分もかかってしまった。
「もう大丈夫だ ほんとにごめんな」
「いや、生理現象って習ったし、大丈夫だよ!」
「嫌な思いさせてごめん」
「嫌じゃない!! てか、私で大きくなるものなの??」
「……うん。コントロールできない。ごめん」
「違うよーー!! 大丈夫!!」
どこか嬉しそうな顔をしていた。
妹の方は興味があるのか、目線が下を向いている。
そのせいで、少し前屈みで、谷間が強調される。
おいおいまた大きくなるからやめてくれ。
目線が下なのは陰キャの俺で十分だ。
冷やそうとしたのに、あったまってしまった。
妹とプールを楽しんでもよかったが、本当にプールで妊娠させてしまっても困るので、俺はすぐにプールをでた。
水は怖いからな……
その後は、少し長めの勉強をして、夕食を食べて、姉の方の看病をしたりして、気がつけば4日目は終わった。
読者の皆様、良いお年をお迎えください。
来年もよろしくお願い致します。




