第41話 1日目(後半)
評価ありがとうございます!!
今後ともよろしくお願い致します。
勉強合宿ということで、勉強もしっかり30分もやった。
そして、気がついたら、あっという間に、夕飯の時間だった。
夕食は、リサがサクッと作ってくれた。
2人も、リサを手伝ってくれていた。
大きな机で、4人で食べる夕飯はいつもよりおいしく感じた。
流石に、後片付けは俺がやったが、姉妹2人も手伝ってくれた。
皿を洗っているときに、二人とも定位位置で、黙々と俺が渡す皿を拭いてくれる。
なんか、妻が二人いる感じだな。
次は、お風呂の時間!ということで、先に、2人を入らせることにした。
「リサちゃんも一緒に入ろ〜〜」
「それいいねーー!!」
「よろしいのですか??」
「もちろん!」
「もちろん!」
「では、お言葉に甘えて……」
女子達のお風呂タイムが決定した。
「月城くんも含めて4人で入ろ〜〜!!」
「仕方ないな。入るか」
合宿を通してテンションが上がっていたからか、いつもとは異なる反応をしてみたかった。
「おお〜〜!!いいねいいね!!」
姉の方はちゃんと乗ってくれた。
一方で、妹の方が、「恥ずかしいよ……」と照れていた。
なんでお前はガチで入ると思ってるんだ。
本当に入るぞ??
3人はお風呂に向かった。
女子たちが襲われたら大変だ。
もしかしたら、お風呂の中に変態がいるかもしれない。
一応、防犯のため、壁に聞き耳を立てていたが、『柔らかいです!!』 『形が綺麗ですね』とリサの声が聞こえてきた。
唇の話だとは思うが、脳が死にそうなのでまたしても、退散した。
しばらくすると、リサが満身創痍で出てきた。
「す、すごかったです……。あれは暴力ですよ」
「そ、そうか」
どんななだったか詳しく聞きたいが、下半身が持たないと困るのでやめておこう。
パジャマ姿の二人を見てしまった。
お揃いの水色のかわいらしいパジャマを着ている。
見ていいのだろうか。
なんか、ダメじゃね?
俺も、お風呂に入った。
前回ように、毛はなかったので一安心だ。
そして、もちろん、我慢した。
風呂から出ると、リサは先に寝たようだ。
基本仕事がない時は、早く寝るからな。
それに、慣れないことも多かったし、仕事も多かった。
休んで欲しいものだ。
二人はリビングで髪の毛を乾かしたり、お菓子を食べていた。
「夜に歯磨きしないと虫歯になるぞ」
「後でする〜〜」
「後でするーー」
あれ?
俺……お父さん?
「ほら〜〜甘いお菓子あるよ〜〜食べな〜〜」
ペットのような誘われ方をしたが、まあいいか。
あくまで、そのお菓子の正式名称はわからない。
ただ、須子がボッキーとか言っていたな。
「じゃあ、もらうよ」
「そういえば、体育祭では、みんなに配ってた時にあげられなかったね〜〜」
「私も見てたそれ!!」
「あったな。懐かしいな。甘いものはそんなに容易く手にはいらないな」
「じゃあ、今回もそういうことで!」
「えーーー。完全にもらえる感じだったよね」
「人生厳しいのさ〜〜!! じゃあ、ゲームしよう!!」
「ゲームは得意だぞ?」
「でも、月城くんにこの定番できるのかなーー??」
そんなお決まり感出されても。
陰キャだから知らないんだけど。
「定番??」
「知らないの〜〜?見本見せるね〜〜! 深月ちゃん! ちょっとこれ咥えて!!」
「はーい」
二人で端と端を咥えた。
『行くよ〜』という合図で、姉の方がガツガツ食べて、あまり動かない妹の方に近づいて、止まるのかと思ったら、姉妹の唇が重なった。
は???
やりやがった!!!!
S気質の姉がM気質の妹に!!!!
一卵性だから特に普通なのか?
鏡に唇近づけているようなものなのか。
二人とも動じてないぞ?
「て、感じで食べてね〜〜〜!!」
ムリムリムリムリムリムリムリムリムリ。
「い、いや俺はいいよ……そのゲームは」
「え〜〜さっきカッコつけてたじゃん! 『ゲームは得意だ〜〜』とか」
「それとこれは違うんだ。だ、第一、深月さんはほとんど食べていないではないか!!」
「それは、深月ちゃんがあまんまり食べなかっただけで、食べ進めればいんだよ〜〜」
「今度は食べるよーー!! お腹すいたしーー!!」
「ふ、二人でやればいいんじゃないか??」
「それじゃあ、面白くないよ〜〜。合宿来た意味ないじゃん!! リサちゃんいないし、月城くんが代わりで頑張ってね〜〜〜!」
というゴリ押し感で、俺は、2本、口に咥えさせられた。
このゲームを終わらせることは簡単だ。
まだ、二人が咥えてない状態で、食べてしまえばいいだけだ。
ただ、ちょっと、やってみたかったんだろう。
その選択肢を俺は取らなかった。
二人とも定位位置について、パクッと咥えた。
細いけど、咥えているぞ?
てか、顔が近くね??
え。まじどうしよ。
右見ても、左見ても同じ顔だし
てかキスするゲームなの??
いくら妹の方としてるからって言ったて、あれはお決まりの無意識だろ??
やっぱ、やめようよ……
「よ〜い、スタ〜ト〜〜!!」
姉の合図とともに、二人がガツガツと食べ進めてくるぞ。
妹の方も、勝負だからか、お腹が空いているからか、さっきとは異なり食べ進めている。
食べる振動が伝わるぞ。
刺激が強すぎるって。
このままでは、3pになってしまう。キスの。
したい気持ちはあるが……。いくら遊びとはいえ、曖昧はダメだ。
俺は、噛んで後ろに倒れた!!
「も〜〜ビビり〜〜!!早いよ〜〜!!」
「勝ったーー!! いっぱい食べれたーー!!」
なんとか、大丈夫か。
流石にキスはしないものなのか。
でもな、事故もあるし。
1回で終わりかと思ったら、その後も何回もさせられた。
やはり、何回やっても、自分から食べ進めるのはできなかったが。
結局、俺はチョコの付いていない方を少しだけ食べただけであった。
甘いものは??
でも、楽しかったからいいか。
須子がふざけてあだ名をつけてた意味がわかった気もした。
楽しい時間も長くは続かない。
壁に気配を感じた。
虫だ……。しかも、あいつだ……。
だから田舎は嫌いなんだよ!!
住みたくても住めないんだよ!!
俺は、虫が大の苦手なんだ。
俺の視線を疑問に思った
「何みているの〜〜? おっぱい??」
「あ、あ、あ、あ、あそこに……」
声が出ないぞ。
腰がひける。
俺は、あいつから、距離をとった。
俺の目先を確認して、姉の方が『きゃ〜〜!!』と叫び、俺の近くにきた。
「月城くん〜〜助けてよ〜〜!!」
いや、無理だ。
だって、あいつら何するかわからないんだもん。
予測不可能なものは無理なんだ。
フォルムが無理なんだ。
いつもリサがやってくれる。さすがに起こすのはかわいそうだ。
それに、二人の前で、年下の女の子をわざわざ起こすなどあってはならない。
「む、む、む、むりだ…。戦闘力が違いすぎるんだ……」
「何言ってんの〜〜!! 月城くんならできるでしょ?」
俺を過大評価している。
そんな中、あいつが少し移動した。
びっくりしすぎて、思いっきり、腰を折り曲げながら、恐怖のあまり、姉のことをガッツリ掴んだ。
つかんでいることに気がついたが、そんなことはどうでもいい。
あいつが動くのだから。
でもな、もう手遅れかもしれないが、ここで倒せないとダメかもしれない。
男として。
動くか。
やっぱ無理ーーー!!!
悩んでいると、妹の方が近づいていき、ペシッとスリッパで叩いて倒してくれた。
「2人ともーー。怖くないでしょーー!! 捨ててくるねーー!!」
そう言って、何事もなかったように、ゴミ箱に向かっていった。
『結婚してください』と叫ぶところであった。
「意外だね〜〜!! 苦手な物あるんだね〜〜!!」
「意外でもなんでもないだろう。人も虫も苦手だ」
「意外だよ!!なんでもできるから〜〜。今度、おもちゃの虫でも置いちゃおうかな〜〜??」
「まじでそれはやめてくれ。でも、おもちゃ触れるのか? 俺はおもちゃでも無理だぞ?」
「わたしも無理なんだよね〜〜。よかったね〜〜!!」
「本当だよ」
本当によかった。
姉の方が虫が平気なら、俺は学校で気絶をしていたな。
ん?
待てよ?
家では妹が退治してくれるだろ??
なんで、妹にすぐにお願いしなかったんだ?
「おい。待ちなさない」
「な〜に?」
「何で、妹にすぐに頼まなかったんだ??」
「だって、何でもできるのに、あんなにビクビクしているの面白かったんだも〜ん」
「いつもあんな感じだろ?? 自慢することではないけど」
「いつもより酷かったよ?? つかんでくるし!!」
「え。すいません」
「なんで謝るの〜〜!!いいのに〜〜!」
「痛くはなかった?」
「大丈夫だよ〜〜」
妹の方は特に俺をバカにすることもなかった。
時計を見るといい時間だった。
『まだ、リビングで話そうよ〜〜』と誘われた。
夜なので、電気を消して部屋を暗くした。
初日から、夜更かしというやつだな。
今日って何曜日だっけ。月曜じゃないことを祈るか。
同じ家で同じシャンプーを使ったはずなのに、俺とは異なり、安心する匂いがする。
ずっと嗅いでいたい。
この良い匂いと、薄着のパジャマ、暗い部屋だと、ちょっと、いや、かなり下半身によくはないんだがな……
暗いリビングで、姉の方や妹の方の面白エピソードを聞いたり、学校の設備の悪口を聞いたりした。
俺は聞くことに集中していた。
聞き上手はモテるとネットに書いてあったしな。
というか、二人の声を聞くと精神的に落ち着くんだよな。
しばらく話していると、姉が先に寝てしまった。
運ぼうとしたが、起こしてしまうのもかわいそうだ。
妹の方もリビングで寝ることにしたらしい。
一応夏だが、風邪引かないように、布団だけは持ってきてあげた。
そのあとは、妹の方と小声で話していた。
気がついたら、妹の声がしなくなり、寝ていた。
妹の寝顔を見た。
これで姉妹の面倒は終わりか。
俺も、そろそろ部屋に戻らないとと思ったが、安心したせいか、疲れていたのか、急な眠気に襲われた。
俺はそのまま寝落ちした。
なんとか、1日目終了です。
翌朝、妹が変なことをやらかさないことを祈ります。




