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カノジョ(仮)16

作者: GTM

 人類が人型兵器で戦争をするようになって半世紀。

 大戦で多大な戦果をあげ、戦後軍の公認カップルとして軍のPRの仕事もこなす人型兵器のパイロットのナナミ君とミナミちゃん。

 同棲している艦のナナミの部屋で・・・


(ふね)のスーパー行ったけどグアバ売ってなかった」

 買い物から帰ったミナミが言った。

「グアバってなに?」

 夕食の用意(ミナミが料理することはない)をしていたナナミが聞いた。

「コーラにする?グアバにする?ってCM知らない?」

「ローカルな月のCMでしょ」

 ミナミは月産まれ月育ちの月のお嬢さまだった。かつては。

「ホビーショップにも行ってきたよ。このまえサンプルを見たあたしのフィギュア(グラビアアイドルもしているミナミは彩色済みフィギュアも多数発売中)銀色のドレス・バージョン売ってたよ」

「初登場の時のアレね」

「ナナミー、アレもプラモ化されてたのね、ジャイアントイービル」

「実際の機体もデカいから箱もデカい」

「あたしたちが月で戦ったのは何号機?」

「3号機かな」

「2.0って2号機ということ?」

「2.0だから2号機、かな」

「撃墜したの誰?」

「ボク、かな」

「箱絵に描いてあった女。ナナミー好みじゃん。正直に言いなさい」


 また引力にひかれて地球に降りてしまった。

 ナナミ少年は、カーナビの人型兵器版で位置を確認すると、

「チョモラマン。じゃなくてチョモランマ・・・」

 不時着したのは雪が積もる山の中腹で、スコルピオンEXを隠すため、機体の白くない部分に雪をかぶせていると、空を覆う黒い影。

(ジャイアントイービル!ネオフィリピンで落としただろ。あっ!色が違う。別の機体か)

 隠れて見ていると、山の内部にあるのか基地への出入口が開いた。

 TENGAみたいな機体が中に入っていった。ナナミもこっそり潜入した。

 格納庫で、紫色のジャイアントイービル2.0のパイロットが下りてきた。ヘルメットをとった。変な色の髪と切れ長の目。

(リリアン!じゃん) 

 パブばかりのネオフィリピンで知り合い、つかのま愛し合ってしまった敵の女性パイロットにうりふたつだった。

(撃墜して、木っ端微塵になったはずなのに)

 ちょっとリニューアルされたパイロットスーツの女のあとをつけた。

 ナナミは、

(ケツもリリアンじゃん)

 女が部屋に入った。ナナミもその部屋に飛び込んだ。

「誰だ?」

 と、女。

「リリアン?リリアンなの?」

 ナナミの問いに、

「わたしはリリアンツー」

「ツーってなんだよ?」

「複製人間」

「本物じゃないのか!」

「こら、おまえ!服を脱がすんじゃない」

「胸の感触とかリリアンじゃないか」

「遺伝子操作によ」

 ナナミは最後まで言わせなかった。

 長いセ、ップンの後リリアン・ツー(2)は、、

「おまえキスうまいな。他のこともゆるす」


 2時間後。

 ベッドでタバコをふかすリリアンツーが、

「よかった。おまえ帰れ。次会ったときは敵同士。かならず56(ころ)す」


(おわり)



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