走り抜けていく爆走少女(3人目)
自由な校風で通学方法自由なわが校でも異彩を放つオートバイ。
降りてくるのは学園で出会った喧嘩友達。
男勝りな彼女には家業に関する悩みがあり、その悩みにちょっとづつ関わっていくうちに、今まで通りの関係性ながら彼女の胸に新たな野望が湧きたっていく。
ある日誰も座らせたことのなかったバイクの後ろに誘う彼女はこう言った。
「あたしの後ろに座るのは・・・アンタが最初で最後だよ」
◇ ◇ ◇
「いやいや・・・カッコいいでござるなぁ。強い女が好いた男にだけデレる。なんという様式美!」
「たしかにな。こういうのもいいな。甘いだけじゃない硬派な恋愛とでも言うのだろうか」
「マヤ殿もそう思うでござるか!いやぁ気が合うでござるなぁ」
「ちなみにだが、この後はどうなるのか?この動画の続きはないようだが・・・」
「ん?ないでござるよ」
「・・・は?」
「告白OKまでがこの地獄でござるからなぁ。最後の言葉は逆告白の言葉。それならば物語はここで終了せざるを得ないでござる」
「なんかすごく・・・モヤモヤするな」
「とは言ってもですなぁ・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・というか浩之、この後の展開も考えてはいるのだろう?」
「それはもちろん!実際にこのルートを行く魂たちもそれぞれにこの後の展開を想像しながら行くでござろうからな。制作側の拙者が考えないワケがないでござる!」
「ならばそれを教えろ。いやむしろ作れ。映像だけなら今の浩之ならばそんな時間はかからんだろう?」
「作れと言われれば作るでござるが・・・それも保存するのでござるか?」
「保存はする。しかし公式な資料としては残す必要はないから私が個人的に保存しておく」
「ま、マヤ殿が個人的にですと!?」
「ん?何か問題があるのか?」
「い、いや・・・ないでござる・・・いやある?、・・・のか?」
「なんか渋るなぁ。安心しろ。どんな内容でも怒りはせん。どうせ非公式なもんだしな」
「その言葉ほんとうでござるな!?嘘でござらんな!?」
「くどい!閻魔が嘘なぞつくか!」
なんか問答もしたが、やけに渋る浩之を説得(という名の命令)をし作らせたものを後日確認。そこには・・・無理やり風に襲わせてできちゃった婚を企む彼女の姿があった。
ああ・・・そういえば彼女の悩みというのは跡取りのことだったな。たしかにできちゃった婚ならば跡取りだけでなくその次の跡取りまで手に入れることができるのか。硬派キャラで頭は弱いのかと思ったら意外に策士だったんだな。
そして浩之が渋った理由も分かったな。本編ほぼ18禁だったからな。
・・・よし。こいつを保存するのは止めておこう。
しかしその動画は残ってしまう。スポンサーの一人である淫魔が見つけてしまい持って行ってしまったからだ。
その結果・・・これからもこういった動画を欲しいという要望とスポンサー料の増額を手に入れた。私は今までそうでもなかった淫魔との新たな友情を手に入れ、浩之は地獄後の展開(ほとんど浩之の妄想)の動画の作成の手間が増えた。結果オーライと信じたい。