進化して行くハナゲ
たっぷり恋のムード
レモンスカッシュを挟んで
見つめ合ってたら
彼のスマートな鼻筋の先に
それが一本飛び出してました
槍のように勇ましく
ツン
デレながら私は
言葉にすることも出来ずに
このムードを壊したくなくて
ストローを咥えました
こんな時にこんなものを口にするなんてはしたない
ポン
彼の髪の毛は猫のよう
やがて見事にハゲるでしょう
逆らうがごとくそいつは逞しすぎて
私はハサミで切りたくなりました
断面図にはきっと立派な年輪が渦を巻いて
チン
やがて年輪の中央には花が咲き
そこから見事な蜜を飛ばしました
蜜は白い虹を描き
私を不安から解放し
雲を貫いて蔓を伸ばしました
ああ
天辺に
踊る
炎の女!
ハナゲの木の先に!
ただの
邪魔者だった
そいつは
いまでは
立派な豆の大木に成長しました
私がそれを登って行きました