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異世界事情①

漸く異世界、だけど説明回




2020/8/20 改稿

 扉に一歩踏み出した瞬間、光に包まれた俺は目を閉じた。


 次に目を開けると周りは森であり、後ろを振り返ると扉はなくなっていた。

 辺りを見回してみるがどこまでも森が続いており、道らしきものは見当たらない。


 魔物がいる世界と聞いていたがとりあえず周りにそんな雰囲気はない。木漏れ日が差すいたって普通の―それこそ日本のどこか田舎の山の中と言われても信じてしまえるような―森だった。


 それでも一応暫く身構えてみたものの、周囲からは鳥の鳴き声が聞こえるくらいでとりあえず何かにいきなり襲われるような危険は無さそうだ。そう判断した俺は漸く少しだけ緊張を解いた。


「そう言えば安全なうちにあれこれ確認しとかないと」


 扉をくぐる前に自称“神”から言われたことを思い出し、まずはプレゼントとやらを確認することにした。


「うーん、言語は人に会わないと確認出来ないとして、とりあえずは荷物の確認かな。えっと…アイテムボックスオープン!」


 なんとなくそう言えばアイテムボックスが開くのが分かった。どうやらこれが異世界の常識ってやつの効果らしい。声に出してみると目の前に黒くて丸いバスケットボールくらいの穴が出てきた。


 俺が恐る恐るその穴に触れると、頭の中にアイテムボックスの中身が浮かんできた。中にはこちらの世界の服や靴、数日分の水や食料、ナイフと縄に小さい袋が入っているようだ。


 もう一度辺りを見回し、危険がないことを確認してアイテムボックスから服と靴を取り出す。そのまま手早く着替えてしまい、今まで着ていた向こうの服と靴はアイテムボックスに放り込んだ。


 服は麻と何かを重ねて縫い合わせた物のようで、ごわごわして着心地は良くなかったが、丈夫でちょっとくらい無茶をしても破れる心配は無さそうだ。


 更にアイテムボックスからナイフを取り出して腰のベルトに差し込む。同じように水が入った袋を取り出し、こちらもベルトに括りつけて小袋を出す。開けてみると中には小さな銀色の板と、硬貨が数十枚入っていた。


 とりあえず板は後回しにして硬貨を確認する。鉄貨が20枚、大銅貨が2枚、銀貨が1枚入っていた。


 異世界の常識によると貨幣の基本的なレートは、鉄貨10枚=銅貨1枚、銅貨10枚=大銅貨1枚、大銅貨10枚=銀貨1枚、銀貨10枚=金貨1枚、金貨10枚=白金貨1枚のようだが、含有量や供給量で多少レートに変化があるらしい。


 貨幣価値も物価が異なるため一概に言えないが、大体鉄貨1枚が10円前後、白金貨は1枚で100万くらいの価値があるようだ。


 一般的な平民の月収は銀貨7枚ほどなので7万円前後。少なく感じるが光熱費は薪代とロウソク代くらい、家賃が平均銀貨2枚程度なのでこの収入でも4~5人家族は充分生活していけるみたいだ。


 金貨は平民が見ることはほとんどなく、白金貨ともなると大商会や上級貴族が大きな支払いをするときくらいしか使わないらしい。


 とりあえず今の所持金は日本円で1万2千200円。平均的な宿屋が素泊まりで大銅貨3枚、朝夕の食事が付くなら大銅貨4枚~5枚ほどみたいなので、食事付きなら3~4泊程度というところ、早急に何らかの仕事をする必要があるだろう。


 仕事をしつつ、自衛できるだけの戦闘力を身に付け、勇者候補を見つけて協力してもらえるように説得しなければならない。分かってはいたがなかなかハードなようだ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 勇者には自活能力も求められるんですね。働かざる者、勇者になるべからず!
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