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男の依頼

キリのいいところまでは投稿したいなぁ。



2020/8/20 改稿

「勇者?魔王?いい歳して小説かアニメの見過ぎじゃないか?」


 男はどう見ても20代後半から30代前半、それが勇者とか魔王とか言い出せば困惑するし、やはりちょっと危ない奴だと警戒する。


「信じられないのは分かるんだけど、ちょっと僕の話を聞いてくれないか?」


 男は困り顔をしながら諭すように言ってくる。

 ここまでの会話は少なくとも落ち着いた理知的な話し方、情緒が不安定ということはなさそうだ。


 ここは一旦男に話させてきっちり空想と現実の区別を理解してもらってから解放の交渉をしたほうがいいかもしれない。俺は少しだけ構えている身体の緊張を解いて、了解の意志を示すため男に頷いてみせた。


「ありがとう。

 さて、僕の管理している世界、と言ってもとくに名前はないんだけど…。まあそこにはいくつかの大陸と国があって文明はこちらの世界で言えば中世くらいかな。クリーチャーと呼ばれる魔物がいる剣と魔法のよくあるファンタジー世界ってやつなんだけど、最近ね、その世界でもうすぐ魔王とでも呼ぶべき存在が誕生することが分かったんだ」


 話ながら上げていた手を下ろして左手を白衣のポケットへ戻し、右手でメガネをくいっと上げる。


「生まれるのが分かっているなら、その前に対応すればいいんじゃないか?神様ならそのくらい簡単だろ?」


 俺は思ったことをそのまま聞いてみた。


「残念ながら僕はあくまで管理者でね、直接的に世界に干渉することは出来ないんだ」


 また男が苦笑する。


「別の世界から人を送り込めるんだろ?そんな面倒なことをするよりその世界の人に神の加護とかを与えて勇者になってもらえばいいじゃないか」


 なぜわざわざ別の世界から人を送り込むのか分からない。


「そう出来ればいいんだけどね。魔王というのは―この世界で言うウィルスとかバグとかを想像してもらえば分かりやすいかな。

 その世界の住人っていうのは抗体とか免疫とかの自浄作用のみたいなものと考えて欲しい。健康なときは彼らも力を発揮出来るけど、一定以上の症状になっちゃうと薬を飲むとか修正プログラムを打ち込むとか外部からの治療行為が必要となるでしょ?それと同じわけさ」


 そう言って肩を竦める。


「つまり俺にその薬だとか修正プログラムの役割をしろってことか?」


「そういうことだね。もちろん成功すれば報酬は出すよ?」


「報酬?何をくれるんだ?」


 俺がそう言うと、男はニヤリと口元を歪めて言った。


「望むものなら何でも一つ願いを叶えよう」

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