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第1章 小林月子(ルナ)ルート ハッピーエンド

初めて登校した時から1週間の月日が経ち俺はシャルといつも登校を共にして居た。

「おはよー!春くん 」

いつも通りの笑顔を浮かべながら元気よく挨拶をして来たのはシャルだった。

「おはようシャル! いつもいつも迎えに来てもらってありがとうな! 」

シャルの表情が赤く染め上がっていきプイッと俺から視線を外した。

「春くんの……バカ…… 」

「ん?何か言ったか? 」

声が少し小さくて俺はシャルに聞き返す。

「バカって言ったのよ! バカ!! 」

両手を腰の辺りに付け前かがみの姿勢で俺に強く言った。

何を怒ってるのかはサッパリ分からなかった。

「シャルそろそろ行くか 」

「行くに決まってるじゃない! 」

そう言うとシャルは俺よりも先に歩き始めて行ったーー

しばらく歩いていると何やらガヤガヤとうるさい俺らの通っている生徒らしき人たちが誰かを中心にして握手会みたいなものが行われて居た。

「なぁ、シャルあれなんだ? 」

「さぁーなんでしょうね?私もこの学校に通って何年も経つけどこんな経験初めてだわ」

首を傾げながらシャルがガヤガヤとうるさいギャラリーの方へ視線を向ける。

「シャルも知らないってことは新入生か何かなのか? 」

俺はふと思い当たる節があったそれは1週間前に会ったルナの事だ。

『確かにルナだったらあのギャラリーを作るのにも頷ける』うんうんっと俺はその場で頷く仕草をした。

「なぁ〜シャルあれってル……小林月子さんなんじゃないのか? 」

「確かにそうかも知れないわ! 一応人気アイドル? なんでしょ? 彼女」

ぎこちなくシャルは再度首をかしげる。

「でもあんな状態だったら学校に遅刻しちゃうじゃないのか? 」

「確かにあれは遅刻してしまいそうね 」

「ちょっとシャル先に行っててくれ」

「えっ?どうしたの春くんって……ちょっと!? 」

俺はシャルを先に学校に行かせて俺はあのギャラリーの方に走って行ったーー


「ルナ様私にサインお願いします! 」

ファンの1人であろう生徒の声が聞こえたと思うと

「あの、皆さん?学校遅刻しちゃいますよ? 」

ルナが少し困りながらサインをせがんできた人の対応もしつつ他の人を刺激しないようにと少し慌てながらも丁寧な口調で生徒を誘導しているルナの姿があった。

「これは流石に不味いな 」

俺は目の前に広がる人混みの前で来ると俺は額から汗が出てないのにも関わらず額に手を当てて汗を拭うような仕草をした。

「もうここは突撃するしかないか」

俺は大きく深呼吸をして人混みの中に駆けて行った。

「あっすいません!通ります!ごめんなさい! 」

俺は何とか人混みを通り抜けてルナのところまで近づいて行った。

そしてようやくルナの目の前まで出ることに成功した。

「ルナ大丈夫か? 」

俺は少し体勢を崩しながらもルナに質問した。

「え?先輩じゃないですか!? 」

ルナは両手を自分の口元に当てながらビックリした表情を浮かべている。それは無理もないだろう何故ならこんなに汗だくで髪も少しぐちゃぐちゃで明らかに疲れてる表情を浮かべている俺が人前に出たら驚かれるに決まっている。

「ルナちょっといいかこっちだ 」

俺はルナのそのかよわそうな腕を掴んで引っ張って人混みから抜けようと駆け始めその人混みを海を割るかのように俺は抜け出て行った。

背後からは「何だあの野郎!! 」や「俺らのルナ様が!! 」などの声が聞こえたが無視だ!無視!俺はルナの腕を引っ張りながら走って行ったーー


「何とか抜け出せたな」

俺はハァハァ言いながら街路樹の脇道まで走って逃げてきた。

「先輩ありがとうございます! 」

太陽のように明るい笑みを浮かべながら俺にお礼を言って来るルナは息一つ乱さずに俺にただただ笑みを浮かべ続けていた。

「それにしてもなんだあの人混みは? 」

「あの人混みはルナのファンと思われるうちの学生みたいですね 」

あははっと笑いながらルナが乾いた笑い声で答える。

「あれを毎日やられてるのか? 」

「毎日では無いんですけど私が朝に学校行ける日は大抵そうですね…… 」

「そうなのか今まで気づかなかったよ」

「いや今日はその特別早く出たんですけどね……」

「何か予定でもあったのか?それなら引き留めてるのも悪いから先に行きなよ 」

「いえ!そう言うことじゃ無いんですよね……先輩と一緒に登校できたらなぁーって思っただけなんだけどな 」

「ん?何か言ったか? 」

「いえ! 何も用事はもういいのでそれじゃ先輩一緒に学校まで行きましょ? 遅刻しちゃいますよ! 」

そう言うとルナが隣でニコッと笑いながら少し足早に歩いて行った。

そして俺とルナは遅刻ギリギリで学校に着き別れた。別れ際にルナはぺこりと会釈をして1年生の棟の昇降口へと駆けて行ったーー

教室に戻るとシャルが少し不機嫌そうな顔で席に座って居たがシャルに話しかけようとした時タイミング悪く学校のチャイムが鳴り朝のホームルームが始まってしまった。この後の時間割は殆ど移動授業で昼休みまでシャルと話す機会が無かったーー


タイミングが全て悪く昼休みになった。

「よし!シャルに謝り行くか! 」

俺はそう意気込みながら席を立ちシャルの方へ向かって行こうとした瞬間ーー


「せんぱぁ〜い!居ますかぁ〜? 」

大きな声で今朝から聞いたことのある声が聞こえクラスメイト全員が振り向くとそこには大勢のギャラリーを連れたルナの姿があった。そして俺のことを見つけるとパァーッと表情が更に明るくなりニコッと笑いながら俺の腕を引っ張りながら教室から逃げるように連れてかれて行った。

「ほんとに……春くんの……バカ…… 」

クラスを出て行く最中にシャルの方に目をやるとそう言っているように見えたーー


俺とルナはギャラリーから逃げきる事に成功した。

「ハァハァ大丈夫か? ルナ? 」

「私は大丈夫ですけど先輩こそ大丈夫ですか? 」

うふふっと最後に笑いながら膝に手をつきながら息が荒い俺を見下ろしながら言った。

「俺は大丈夫だけど、どうしたんだ急に?」

俺は何とか息を整え姿勢を正しながら本題へと移った。

「そうですそうです今朝のお礼をしに行こうと思ったら沢山の生徒さんに囲まれてしまったんですよ 」

死んだ魚のような目で遠くを見やっているルナはどこかいつものルナとは少し違う印象だった。

「それはお気の毒だったなで、お礼って言うのは何なんだ? 」

「そうです先輩! 丁度目的付近なのでそこまで行きましょう! 先輩に私のとっておきを見せますね! 」

いつも通りの表情に戻りニパァーッと笑顔になった。

ルナの表情がコロコロ変わって飽きないなと俺は内心思いながらルナの後ろをついて歩いて行ったーー


学校の階段を登ると壊れた椅子や机などが散乱してあり凄くホコリ臭い1年生棟の使われて居ない屋上の扉の前までやって来た。

「ここなのか? 」

俺は少し期待してたものと全然違くて肩を落とした……

「ある意味ここですけどここじゃないんですよね」

得意そうに俺を少し小バカにしてルナは言いながら後ろにある壊れた椅子や机を綺麗に並べ始め大きめなダンボールを退かしダンボールの裏に隠れて居た壊れた窓が姿を現した。 その窓は立て付けが悪く本来であれば開かない角度まで開き窓を閉めるためのクレッセントは余りにも緩すぎてガバガバだった。

「よいしょっとこれでいいかな」

ルナが上手く窓を固定して少しガッツポーズをした。

その姿を下から見ている俺としては中々のご褒美だった、その理由としてはルナの体制が少し前のめりすぎてこちら側にがっつりとルナのお尻がこちらをむいて居たそして、ルナのストラップ柄のパンツがガッツと見えてしまって居たのだ。

基本女子高生って言うのは見せパン通称コンパンを履いている物なのだが今日は偶々コンパンをはいて居なかったようだった。

「うぐっ、、 」

俺は申し訳気持ちとラッキーと言った気持ちが交差してついつい声が漏れてしまった。 しかも普通に聞こえる声だった。

「どうかしたんですか? 先輩? 」

俺は余りにも顔を赤めてしまって居たためルナも流石に気づいたのかルナの顔もカーッと赤く染め上がって行った。

「先輩見ましたか? 見ましたよね!? 見たに違いありませんよね? まるで痴女みたいじゃないですか!? 私……もういいです、先輩になら私の全て差し上げても…… 」

軽く暴走気味にいや全く軽くではなく確実に暴走しながら色々と口走っていた。

「あのルナさん? 小林月子さん!? 大丈夫? 見てないから! 安心して!? な? 深呼吸だ深呼吸! 」

俺は何とか暴走しているルナに俺は声をかける。

「月子じゃないです!! 」

まさかその言葉で正気に戻るのかよ!と心の中でツッコミを入れた。

「それで準備はできたか? 」

「それなら大丈夫ですよ! 先程みたいに先輩が私の……その……」

よいしょっと掛け声と共に綺麗に整列された机の階段を降りて何やら顔が赤面になりながら人差し指と人差し指をぐるぐると胸のあたりで回しながらもじもじしながら言いにくそうに途中で口ごもってしまった。

「あ〜さっきの事かなら見てないから大丈夫、白とピンクのストラップ柄のパンツなんて見てないから……っあ」

ついつい俺は口走ってしまった。そして体をわなわなと震わせながらルナは。

「やっぱり見たんですね……あはは、たまたまコンパン履かないで学校行ったらまさか……」

少し廃れたように乾いた笑いをした。

「すまん。本当に見るつもりは無かったんだ。何でもするから。」

俺は75度くらいの鋭い角度で頭を下げて謝った。

「それじゃあ今度先輩は私と償いとしてデートしてください! 」

さっきとはまた表情を変えながら元気よくルナが直ぐさま応えた。

「そんなんでいいのか? 」

「そんなんでいいんですよ! それではこの話は終わりにして先輩は早く私が一生懸命作ったこの階段を登ってその窓から外に出てください! 」

今度は満面の笑みで俺の背中を押しながら早く登らせようと急かした。

「よいしょっとここ通れるのか本当に? 」

俺は少し疑問に思いながらギリギリ窓から外に出ることができたーー


眩しいほどの太陽の光と晴天の空そして広大に広がる月帝の自然や少し栄えている駅の方まで見渡し良く見えた。

「これは凄いな隣の校舎の屋上だと金網があって少し視界が遮られてるからあまり良く見えなかったけどこんな開放されていると今までとは少し違く見えるんだなぁ」

俺はそう呟いていると後ろから降りてくる音がした。

「どうですか? 先輩いい景色ですよね! 昔ここで撮影しに来た時に見つけたんですよね 」

「確かにここは凄いなよく見つけられたな」

「たまたまあっち側の屋上から見てて行けそうなのに何故か鍵が閉まってたんですよね、そこで見つけたんですよ! 」

ドヤ〜っとでも後ろから文字が出てきそうな感じに自分の腰に両手を当てながら自慢をしてきた。

「あっ!そう言えば先輩ライブとか興味ありますか? 」

「突然どうしたんだ? 興味はあるけど」

「ですよね! それじゃこれあげます!と言うか貰ってください! 」

ルナから渡されたのは白い封筒だった。

「開けてもいいのか? 」

「開けても大丈夫ですけど、室内に入ってからの方がいいと思いますよ! ここ風強いので 」

「それもそうだな 」

「中身のヒントをするとそれはライブのチケットです! 」

「いやそれはわかってるよ、もしかしたら今度あるルナの単独ライブのチケットか!? 」

「えっ!何でわかったんですか!? 」

目を丸くしてルナが驚いた。

「いやそれくらい分かるぞ! なんだって今超人気のアイドルのルナのニュースなんて日常茶飯事じゃないか! 」

余りにも抜けているルナがあまりにも面白くて最後に笑ってしまった。

「そんな事ないですけど、と言うか何でそんなに笑ってるんですか!! 」

プリプリと不満そうに怒るルナは強めの口調で俺を問い詰めてきた。

「いやいや普通に分かるだろと言うかこれ貰っていいのか? このチケット1枚1万越えするのに 」

実際俺はこのチケットの抽選に落ちてしまっている貰える事なら是非もらいたいと言う願望はある。

「いいんですよマネージャーさんから学校で仲良くなった友達にでも渡してやれって言われたんですから! 」

「それが俺だったのか 」

ありがたいようなありがたくないような気持ちになってしまう。 周りのルナファン略してルナラーの人たちにとても厳しめの言葉と厳しめの制裁が起きそうだからである。

「ちなみに関係者専用席ですよ! 周りにはテレビで見たような顔ぶればかりです! 」

「おぉ!本当か行くよ絶対! 」

テレビでしか見たことのない人が沢山いるなら是非見に行きたいしサインも欲しいところだ!

そんなことをしていると昼休みの時間が終わるチャイムが鳴る。

俺とルナは先程入ってきた窓から校舎内に入り1年生棟と2年生棟の校舎の渡り廊下で別れ側で。

「先輩じゃまた後で会いましょうね! 今日は先輩と帰るって決めてるんですから!待っててくださいね!昇降口にて集合です! 」

と無理やり一緒に帰る約束をさせられた、たまにはシャル以外の人と帰るのもありかと思いながら俺はルナが自分の教室に帰るところをちゃんと確認してから自分の教室へと向かっていたーー


教室に帰るとクラスの男子生徒からの目が途轍もなく痛かった。無理もないだろうあの学校で1番の人気者であろうルナから直接指定されて強引にクラスから連れてたのを見ていれば誰でも嫉妬はするだろう。

ましてはシャルとしか仲良くしていない転校生の俺だ、シャルですらうちの学年1の美人と言われているのにそれに留まっていればいいのに超人気アイドルのルナからも気に入られていると言うのは他の人からしたら面白くもなんともないだろうな。

俺は申し訳なく自分の席に座りなんとなくシャルの方れ顔を向けるがふんっと顔をこちらから晒したーー


放課後俺はシャルの方へ近づき今朝の出来事を謝ろうとしたがシャルは俺からわざと避けるようにクラスの女子と一緒にクラスから出て行ってしまった。

「これは中々面倒だぞ」

俺はため息を吐きならがら俺もクラスから出てルナと待ち合わせしている一年生棟の昇降口へと向かって行ったのであったーー


「あー!もう!本当にバカね私……なんでこんなことでイライラしてバカバカしい! 」

私は今朝の事を思い返しながら虚空に叫んだ。

そんなことをしても不毛なだけだわとりあえず春くんに会って謝らないと始まらない。

そして私は見てしまった。

またあのルナとか言う本名を小林月子と言うあの女狐の毒牙から春くんを救わないと行けないのに何故か春くんとあの女狐ルナが一緒に仲良く帰っている姿を目にしたーー


「先輩待たせましたか? 」

「いや今来たところだけど 」

ベタだがそんなテンプレートの言葉を使った、実際は10分ほど待っていたのだが。

「それじゃ帰りましょう! 先輩! 」

「そうだな! 後俺のことは先輩じゃなくて名前とかでいいぞ? 」

「本当ですか!? ではお言葉に甘えて……は、はるとさん!って呼んでもいいですか? 」

少しもじもじしながらルナが言った。

「それでいいぞ! それじゃ俺も月子ちゃんって呼んでも……」

「それはダメです! 私の名前自体地味で好きじゃないんです! なので今まで通りルナって呼んでください! はるとさん!! 」

「俺は好きだけどな月子って名前は……残念だ 」

俺は少し落ち込んだ様な仕草をした。

「で、でも! はるとさんがそこまで落ち込んでしまうのならはるとさん限定で許します! でも、2人っきりの時だけですよ! 普段はルナでお願いします! 」

渋々オーケーは貰ったが少し嫌そうだった。たまに月子ちゃんって呼ぼうと決めたーー


「なんであんなにいい雰囲気なのよ! 」

「どうしたの〜シャルちゃん? 」

私の背後からゆったりとしたいつも聞き慣れて困るくらいの声が聞こえた。

「会長! どうしたんですか? こんなところで 」

私は少し驚きながら会長問いかけた。

「それは〜こっちのセリフだよ〜 」

私が会長に気を取られている間に2人の姿が見えなくなってしまった。

「会長のせいであの女狐から春くんを守ると言う私の使命が…….」

「ごめんね〜シャルちゃんでもそれはストーカーだよ? 」

「そんなことしてないですよ! 」

図星を突かれてしまったせいで私は取り乱してしまいました。

「でも〜私もストーカーだよ〜仲間ね〜 」

うふふっと笑みを浮かべる会長は怖かったけど関係ないわ!あの女狐から春くんを守れるなら私は悪魔にでも魂を売る覚悟ですから! ーー


「ルナはここでお別れか気をつけて帰れよ! 」

「はい!はるとさん!後来週の土曜なら空いてるので遊園地に行きましょう! 」

「わかった! 後はSNSで伝えればいいか? 」

「はい!後はSNSで決めましょう! それでまた明日じゃなかった、、また来週です!」

「わかった!また来週な!」

俺はルナとの楽しい帰り道を堪能して、しかも!あの超人気アイドルのルナのSNSのフレンドにもなれた!これ程充実した1日は無いと思いながら俺は自分の家に帰って行った。

投稿遅れて大変申し訳ありません。

今回からルナルート始動です!

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