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ソノセカイコハクイロ。  作者: 火薬
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空と野望のルーチンワーク




チリリリリ・・・!!

っと私を起こすためにスマートフォンに設定しておいたアラームが鳴り響く。

起こすためにというわりに、コレはとても申し訳ないんだけど今日もまた私は既に起きている。

いつも早い段階で起きている。

「いつも」という習慣は昔から、小さい頃から毎日イレギュラーが無ければ

朝6時前には起きていた。

小さい頃から近所の公園でラジオ体操に参加していた事もあり、その延長戦としてそのまま

その習慣が続いている。

今ではラジオ体操自体は辞めてしまったけど、その代わり雨や雪の日以外はずっとジョギングをしている。

母さんに勧められて毎日10分間。

しかし、それだけ健康的な振る舞いをしているにも関わらず、体力はなかなか付かない。

勧めた母さん本人はそれ以上にトレーニングジムにも行っているのでガッチガチだ。

一時間走っても汗のひとつもかいていない。

私はそんな体力なんてあるわけ無いので、かつての母校である小学校まで行って自宅まで帰ってくる。

そこでやっとアラームが鳴るのだ。

もはや彼の役割は私を起こす為ではなく、タイムトライアルの為のものとなってしまっている。

用途としては皆とは異なるかも知れない。実際、夏美はそれを聞いた途端首を傾げていた。

そのスマートフォンの用途に疑問を抱いていた。

毎朝、ジョギングをしているという事に、

もしくは、アラームは朝起きるためでは?という事に

または、スマートフォンの使い方がそれくらいしかないって事に疑問を抱いた。


まぁ、習慣であり日常なので私としてはアラームだけでも使えた事は奇跡のようなものだ。

昔からSNSもゲームもあまりやらなかったから、最初はこういう物に触れるのが怖かった。

手と足が一緒に出てしまうような有様だった。

だから初めてスマートフォンを買ってもらった時、初めてスマートフォンを自分で操作出来たと実感した時は感動したものだ。

とはいえ、そこから夏美にスマートフォンの操作を教えてもらって一個一個覚えていったものの

結局、ずっと使っているのはアラーム機能だけだ。

宝の持ち腐れも甚だしい。と自分で思う。

しかし、その時得た感動は新しい世界を目の当たりにした時、それに・・・

一人ジョギングで見る琥珀色に輝く朝焼けを思い出すんだ。



「もうしわけない!!」

朝一番、教室に着くなり私の前まで来て夏美は両手を前で合わせて頭を垂れる。

「・・・・・・え?」

「実は昨日、部活が長引いてしまったのじゃ!!」

「夏美って、帰宅部じゃなかったっけ?」

私の記憶が正しければ確かそうだ。帰宅部のはずだった。

「あぁ、違う違う。厳密には夏美のじゃなくて、バスケ部。大神先輩が長引いたって事ね。」

「それじゃぁ大神先輩が悪いみたいじゃん!訂正しろ!」

隣の席から眠たそうにフォローしてくれた千尋さんに対して噛み付く。

そんな夏美をハイハイっと軽くあしらう。

「更に言うと、部活帰りの先輩を出待ちしてたら他の女子と取っ組み合いの喧嘩になった。因みに写真にもバッチリ収めたよ。勝敗は夏美のKO勝ち。」

別に容易に想像のつく光景だったけど、こうしてしっかり写真を見せられると凄い絵だった。

これで頬に張り付いた痛々しいガーゼの理由も理解した。

「それならそれで、連絡してくれたらよかったのに・・・。」

「バトってたらスマホぶっ壊れたから出来なかったんだ。」っと胸を張って言う。

名誉の負傷とでも言わんばかりだ。というか負傷なら既にそのガーゼの下にある傷で十分では?

「私が空ちゃんに連絡しても良かったんだけどね。つい忘れちゃってた。」

ごめんね。っと謝る。

千尋さんを責めたてる理由はないし、それに夏美が乱闘してるところを見てて忘れてたというのだから

分からなくもない。


「まぁ、別に大丈夫だよ。ネットよりもリアルの方を大切にして欲しいし。夏美が大神先輩の事好きなの知ってるからね」

「ちょ、ちょっと空!?こんな朝っぱらから、そんな恥ずかしい事言うんじゃねぇよ!!皆に聞かれたらどうするんだよ!!」

因みに皆知っている事だった。

どころか大神先輩に好意を持っている人は多いので、夏美がひとり騒いでいたところで今更という感じがするのが、

このクラスの、この学校の現状なのかもしれない。言い過ぎかもしれないけど・・・。

だから出待ちとかも居るのだろう。

ファンクラブすらある程の人気で他校から見に来る人も居るらしい。

見に来るというよりは、覗きに来るという感じだけど。


大神猛(おおかみたける)先輩は2年のバスケ部のキャプテン、エースだ。

去年、一年生の頃から既に目立っていたらしい。

3年生を圧倒する実力、文武両道。それに加えて大神財閥の御曹司であり、なんと言っても

王子様と呼ばれるほどの爽やかな笑顔が顔に張り付いている。

殆ど夏美から聞いた話であり、もしかしたら着色された部分もあるんじゃないかと思う。


都市伝説と言うと言い過ぎかも知れないけど、大神先輩が例のゲーム

『トアルセカイ』をプレイしているという噂が流れていた。

「そのゲームでアタシがめっちゃ強くなって先輩を支えてあげたい!」

この時の夏美の意気込み、野望に対して私達は「頑張ってね」とリアクションした。

友達の恋愛を応援しないのは友達ではないし、いくらでも相談に乗りたいと

この時の私は思ったものだ。

「薄情者ォ!!」っと怒られた。

私は例の如く、条件反射で謝る。

「そんな事しなくても普通に話しかければいいじゃない。」

「それが出来れば苦労せんわぃ!」

わざと夏美を煽るのが千尋さんの仕事、習慣のようになっている。

「同じ趣味を持つのは確かにいい事だとは思うんだけど・・・。でも、そのゲームをやってるからって本当に接点が出来るもんなの?」

同じ学校だとしても滅多に交流できない相手なのに、ネットゲームで会える確立なんてどんなものなのだろう。

同じ学年で、同じクラスだったらまだ話す機会も合ったのだろうけど、

それを思うと夏美は頭を抱えて心底悔しがったものだった。

「まぁ、大規模なゲームだし可能性は微々たるもんかもしれん。でも虱潰しにプレイヤーにタックルをかましてやればひょっとしたら・・・。」

なんて迷惑なユーザーだ。

「ダメだよ夏美、他の人が怪我したらどうするの?」

「ゲームの話だよ空ちゃん?」

全うな事を言ったつもりが千尋さんにツッコミを受ける。

自分が滑ったみたいな変な空気になる。

「まぁ、夏美の野望はさておき、どうせなら三人でゲームするのもいいかもね。」

夏美の暴挙も見れるし一石二鳥。と千尋さんはニヤリと笑う。

これが、私が『トアルセカイ』を始めるに至った経緯だ。







第2話のご視聴ありがとう御座います!!

私も実は空と同じくジョギングをしています。

彼女は朝、早朝だけど私は真夜中でした。朝なんてそもそも起きれないですし・・・。

それに朝から汗でベタベタになるのも嫌ですし・・・。

あ、でもスクワットとかして太ももを鍛えれば太りにくくなると聞くし、でもやっぱり、夜にお風呂入るほうが健康にいいしで、やっぱりジョギングするなら夜ですね!!

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