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悪魔憑きの神父さま  作者: 茶柱 太郎
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神父としての日常

初めましてこの度、なろう様のほうで作品を書かせていただきます茶柱 太郎です。

初投稿で拙い文章ですが、よろしくお願いします。アドバイスや感想があればぜひ聞かせてください。




「神父さん、聞いてくれよ~、またお見合い失敗しちまった。これで10回目だぜ?どんだけ女に運がないんだろ、俺はさ。笑っちまうよな、ははは。はぁ…」


お互いの顔が見えないように仕切りのしてある一室の中、窓から射し込む月の明かりで頭頂部が光っている40代の男が、向かい合う神父に言う。


「うーん、おっさん、ハゲだし仕方ねんじゃね?」


そう答えたのは身長175センチ、髪型は短めに揃えられ常に眠そうな目をしている黒髪の少年、名を新堂仁太郎といい、昼は高校生として夜は街から外れた場所にある小さな教会で神父として悩みを聞いている。


「え、そんな理由で!?もっと真剣に考えてくださいよ!はぁ、どうせ俺はもう40半ばになるし、結婚は諦めようかな。」


「ちょっと待ってください、今、主からお告げがありました。えーと、諦めたらあなたの頭のようになると主は言っています。だからおっさん諦めんな!」


「いや、毛根は仕方ないだろ!?まあ、次もとりあえず頑張ってみます。しょうもない懺悔を聞いてくださり、ありがとうございます。悩みは誰かに聞いてもらうとスッキリしますね。」


「そうですね。頭もスッキリしましたね。」


「ねぇ、神父さん、ハゲに恨みあるの?あるよね?絶対。」


「本日はこれで終わりです。あなたに髪があらんことを。」


「ちょっと待て!何か文字が違う気がするんだけど!?」


向こうでなにか騒いでいるけど、そう言い仕切りを閉める。

懺悔室から出て、仁太郎は自分の部屋に戻るとリヤサと呼ばれる、全身真っ黒でぶかぶかの服を脱ぎ、首からぶら下げていた十字架を机の上に置き、寝巻きに着替えて扉の鍵を閉める。


「今日はわりと懺悔を聞いていたな、ジン。1日に5人も聞くなんて珍しいじゃねーか。」


仁太郎の影から別に黒い影がぬるりと現れるとそう言う。


「まぁたまにはそういう日もあるさ。それはそうと最近、悪魔の気配がするんだが、ルシア何か知ってるか?」


「さあナ。確かにここ最近、悪魔の気配はするがお前とオレがいるし、大丈夫だろウ。」


ルシアと呼ばれた影が喋ると、


「それもそうだな。寝る前に母さんに報告しとくか。」


部屋の机に飾ってあるこちらを向いて微笑んでいる母の写真に手を合わせ、


「今日も特に何もなく平和な日だったよ、母さん。また婚活に失敗した人が来たけど、また来そうな気がするな~。明日もほどほどに頑張るから。おやすみ。」


写真に向かいそう呟くと仁太郎は明りを消してベッドに横になった。


少しするとベッドの中から規則正しい寝息が聞こえてきた。

窓の向こうでは雲の隙間から見える月明かりが街を怪しく照らしていた。


「もしかすると少し面倒かもしれんがジンなら大丈夫カ。悪魔とは真反対側にいる神父ながらオレたちに憑かれても大丈夫なんだからナ。」


そう人影は満足げに呟くと仁太郎の影の中へ戻った。










―――――――――――――――――――――――――――――――










時計の針が12時を回ったとき、とある場所では二人の影が話をしていた。


「準備のほうはできているんだろうねぇ?」


背の低い影が喋る。


「もちろんです。これが成功したら願い事を叶えてくれる約束は守ってもらえるんですよね?」


背の高い影がそう言うと、


「当たり前じゃないかい。良い報告を楽しみにしてるからぁ、よろしくねん♪」


そう答えると背の低い影はすぅーっと闇に紛れて消えていく。影が消えたのを見送った後、


「待っててね、姉さん。もうすぐで会えるから。」


闇夜を照らす満月を見ながら影は呟いた。


投稿頻度は遅いと思いますが、よければ読んでください。

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