〜プロローグ〜
朝早く、雷斗はいつも通りに家を出た
彼は本作の主人公である石田雷斗
電気を自由に生成・操ることのできる能力をもつ高校一年生だ
能力の発動条件はいわゆる指パッチン、指をこすり合わせて鳴らすということだ
彼は行動自体は起こさないものの暴言を吐いて先生に怒られるような少し睨まれやすい性格だ
『おはよう雷斗!』
そして彼女は雷斗と幼馴染の羽山水希
彼女は雷斗と似ていて水を生成・操る能力者だ
だが雷斗は自分の体から電気を発生させるのに対し水希は正確な場所さえ把握できればそこに水をつくりだすことが可能である
能力の発動条件は髪を束ねているリボンをほどくということだ
彼女はおしとやかで美人な人気者である
2人は両想いなのであるが…お互いにそれぞれの想いについてはまだ知らない
『水希こそ早いじゃないか。今日は何か用事でもあるのか?』
『ちょっと放送委員の仕事があってね。雷斗は何で?』
『俺は昨日の宿題がまだ途中なんだ。朝早めに行って学校でやろうと思ってたんだけど…どうせならお前のノート見せてくれないか?』
『えぇ〜また〜?まぁ別に減るものでもないからいいけど』
『おぉ!ありが…』
と言おうとした瞬間、雷斗は後ろから強く背中を叩かれた
『いってぇな!誰だよ!ぶっとばすぞ』
『朝からお熱いな!お二人さん』
こちらも雷斗・美結の幼馴染である鈴木大地
自由気ままで楽観的な性格である
大地を自由に操れる能力であり硬化することもできる
能力の発動条件は手を合わせたあとに地面を触るということ
彼は2人が両想いであることを察しているが見てて面白いという理由で2人にはそれぞれ自分のことが好きというのは黙っている
『そんなわけあるか!』
『そんなわけないでしょ!』
と、雷斗と水希は強く言った
『2人揃って言うなんてさすがだな』
と一人、大笑いする大地
『相変わらず人をからかうのが好きだなお前は』
『お前も相変わらず口が悪いな雷斗』
と言いあっている2人を横から苦笑しながら見る水希
そうして、そうこうしながら話しているといつの間にか学校に着いていた
3人はバラバラのクラスなのでここで分かれてしまう
『じゃあな雷斗・水希!』
『うんまたね!』
と別れの挨拶をしようとしていると雷斗が
『おう…あっそうだお前ら今日はファーストプライス行くか?』
と言った
ファーストプライスとは雷斗・水希・大地が入っている5人で構成される超小規模ギルドである
ギルドとは少数から大人数まで規模の大小関係なく能力者により構成されるグループであり、普段は一般人からの依頼を受けている
ファーストプライスとは日本語で第一位という意味で、10年に一度行われるバトルフォースという世界規模で行われる世界最強ギルドを決める大会で一位になるというギルドマスターの願いを込めて付けられた名前である
『俺はパスだ。眠いから帰って寝る』
『私もごめん。委員会の仕事が放課後もあるんだ』
『わかった、京子さんにはそう伝えておく』
京子とは白石京子のことであり、ファーストプライスのギルドマスターである
温厚でとても真面目な性格である
京子の能力、またこのギルド内の5人のうちのまだでてない1人については後々説明しよう
『時間をとらせて悪かったな、じゃあまた』
そう言って雷斗、水希、大地達は別れた
そしてその日の授業はあっという間に終わり放課後
『京子さん、こんっちゃ〜す』
『相変わらずまともな口を聞かないのね』
苦笑しながらそういう京子
『何を言ってるんですか。これでも敬語使ってるだけだいぶマシですよ?』
『そういえばそうね…水希ちゃんが先輩にも敬語を使わないからいつも白い目で見られてるって聞いたわ』
『またあいつ余計なことを…』
チッと、舌打ちをしながら雷斗がそう言うと横から京子が
『さて、そんなことより大地君と水希ちゃんは?』
『あの2人なら眠い・委員会の仕事とかいう理由で今日は来ません』
『あらそう…あのね?ギルドメンバーの事なんだけど・・・バトルフォースが来年でしょ?だから募集した方がいいと思うんだけど、どう?』
『まぁしてもいいっスけど…来ますか?基本、能力者ってみんなお金儲けのためにどこかしらのギルドには入ってるし、ギルドの掛け持ちは禁止ですから』
少し自慢気に胸を張って言う雷斗に見向きもせず京子は
『でも何もしないよりはマシじゃない?ね?!』
『いや…別に止めはしないですけど…』
自慢気に言っていたことがアッサリ流され少し雷斗は恥ずかしくなった
『じゃあ決まり!あっそうだ。これ今日の依頼ね』
『おっいい給料ですね!では早速行って来るっス』
『行ってらっしゃ〜い』
こうして今日も雷斗は依頼をこなしに出かけた