告る 2
「はぁ………はぁ………ふっ………ざけんなぁ………」
阿賀は深海センターにへの道を走りながら小さく呟き、大きく息を吸った。
「ふざけんなぁぁあああ!!!!!」
「私の設計に不備が……………?」
中山はそんな不安を覚えた。恐怖に体が齧られる感覚、目の前の景色がモノクロになる錯覚が恐怖し、逃げ出すように深海センターを出て行った。
「多々和野さん?!」
「阿賀くん?タニタニが………タニタニが」
こんなに慌ててる多々和野を阿賀は初めて見た。
「阿賀?遅い!……そんなことよりお願い……………」
「どうした?何があった?」
荒れた呼吸を整えながら聞いた。
「中山さんが……………」
「チッ………ぁんの馬鹿野郎!」
気がつけば阿賀はまた外へ走りだした。
中山が責任感じてどっか行っちまった?ふざけるな!そんな結末ってねぇだろ!あり得ねえだろ!真面目過ぎんだよ!!
「中山ーーーー!!」
叫んでも誰も応えはしない。ただ周囲の冷やかしの目があるだけだ。
考えろ!どこへ行くかを!中山がどうしたのかを!そうじゃねぇと………こいつが渡せねぇ!くそっ…………どこにい……………………駅!!
でも駅の前には人が大勢いて走るどころではないはずだ。しかも電車がいつ出るかもわからない。考えろ!少しでも早く着く方法を…………………!『とんだ』名案だ!
「中山ーーーーー!!」
誰かが私を呼んでいる?聞こえない。それは私じゃない。私に居場所はもうない。私はもう…………………。
「中山!」
肩を掴まれた。
「キャ!」
驚いて後ろを見ると阿賀が立っていた。肩で息をし、顔を真っ赤にしていた。
阿賀はひたすら叫びながら走った。そのお陰で道行く人皆が通してくれた。
「戻ってこい」
「無理です!」
「大丈夫だ。お前のせいじゃない」
「いいえ!あれは私が…………!」
「勝手にお前一人の責任にしてんじゃねぇ!」
阿賀は声を荒げ、続けた。
「愚痴でも何でもいい!話せ!俺に当たれ!ぶちまけろ!お前は一人じゃない!俺がいる!ずっとおれがそばにいる!例え百年たとうが千年たとうがそばにいる!だから………………………!」
言ってやる!行くとこまでとことん言ってやる!
「俺に、お前のそばにいる権利をくれぇ!!」
言った………言ったぞ。言ってやったぞ!
「それって……こ、こここ、ここ、こくは、ここくはは、告白じゃ……………」
「ああ告白だ。断られてもいい。俺が言いたかっただけだ。好きだ!俺と付き合ってくれ」
「こんなの………反則です」
「反則技じゃないと告白なんて出来ないって」
中山は目からこぼれた一筋の涙をぬぐい、これ以上ない笑顔で答えた。
「はい!」
六年後
「阿賀先輩」「阿賀先輩」
「どうした?真矢、ラワン」
坂本真矢とラワン・G・クレインはあることが尋ねたくて阿賀を探し、見つけた。
「先輩……深海探査って六年ぶりなんですよね?大丈夫なんですか?前回は事故があったって聞きましたし」
阿賀にも後輩ができた。心配性の坂本真矢と、国籍は外国で日本人であり、自分に絶対の自信を持つラワン・G・クレイン。
「心配すんな。計画総責任者はあいつだぞ」
「だから僕の言うとおりだろ?大丈夫だって。なんたって先輩の奥さんなんだから」
「それは関係ないがな」
「さ、訓練だ」
俺は訓練に向かった。
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