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プロローグ 序 

ある回想シーン

「空、高いな~」


草原に寝そべって、澄み渡った真っ青な空を見上げる。

優しく微風が吹いて、心地よい。


「ようやく、此処まで来れたんだな。」


ぼそりと、独りごちる。

長かった、あれから其れ程経っていないのに随分と遠くに来たような気がする。


いろいろなモノを失った。

手のひらから、零れ落ちる水の様に・・・


けれど、今はまだ後悔も謝罪もしない。

まだ、その時では無い。


「奇跡は・・・、起きたよ。永遠は、此処から始まっていくよ。」


今は亡き人達に語りかける。

サクサクと草を踏み鳴らす足音が近づいてくる。

俺から1メートルほど手前で声が掛る


「冬夜様、準備が整いました。皆が待っております、城の方へお戻りください。」


澄んだ声音で俺に呼び掛ける。


「あぁ、分かったよ。ティアナ、君は俺と共に此処に来てこれで良かったと思うかい?」


「はい、冬夜様が助けて下され無ければ私は死んで居ましたので。是非もありません。」


「しかし、あの時ティアナを連れ出したことは悔やまれるよ。君の人生を大きく歪ませて仕舞う結果になってしまった。」


「冬夜様、それは違います。あの時、冬夜様に連れ出して頂いたことは私にとっての運命だったと感じています。そのお蔭でこうして、お役にたてているのですから。」


上半身を起こし、ティアナに振り向く。

紅いローブに身を包み、長杖を持つ少女。

金色の髪が腰まで伸び先端をリボンで纏めたヘアスタイル。


漆黒の賢魔王軍、魔道法士団 団長 第一使徒 極炎のティアナ


「そうか、分かった。何時までも待たせるのは悪いしな、行こうか。世界を破壊しに」


俺は立ち上がり、ティアナの横に並ぶ


「イエス、マイロード。漆黒の賢魔王様、世界に破壊と秩序を」


俺の戦争は此処からが本番だ。

結末は決まっている。脚本も完璧だ。後はただ、シナリオ通りに歩んで行けばいいだけ。


誰に誇る事も無し、誰に讃えて貰うことも無し。

ただ俺達だけが悪に成り、偽りの世界を歪に歪んだ世界を変えればいい。

さぁ、神狩りの開始だ。


永遠の道程の彼方に、軌跡を残し。奇跡を打ち立てる。久遠の時の終わりまで・・・


「いくぞ、ティアナ」


風が凪ぐ・・・


数瞬の後、此処から漆黒の風が世界を変革させていく。



賢魔王 軌跡禄より


ミルガント歴748年、極東の地より兵が挙兵された。

その兵を率いる者は自らを魔王と称し瞬く間に隣国を侵略していった。


僅か1年余りで、大陸の5分の3を支配下に置いた。

魔王と名乗った者の名は冬夜。

のちに賢魔王の名を世界に刻み付ける者。

そして彼に付き従う、4人がいる。


魔道法士団 団長 第一使徒 極炎のティアナ

魔工機士団 団長 第二使徒 暴嵐のフォルシー

魔剣騎士団 団長 第三使徒 凍乱のジルオーフェ

魔獣騎士団 団長 第四使徒 裂地のオーキュルー


賢魔王と共に世界に名を刻みし者達


賢魔王 軌跡禄より 一部抜粋


序章

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