表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

とーよーのSFシリーズ

【ラスト災害】

作者: とーよー

今現在…

世界人口…

約1500万人。


日本人。アメリカ人。1番多いのが中国人でフランス人もいるらしい。



その全ての人間がエベレストに住んでいる。



かつては世界で最も高い山と言われた場所であり、今では地球上に存在する最後の島である…。



数年前から世界中で頻繁に起こった大地震と大津波の影響により、小さな日本はすぐに沈み、最後は九州という小さな日本の更に小さな島国だけが浮いていた…。


全員がそこに移り住み、全員が全員、息苦しい生活を強いられた。


金持ちは外国へ移り住んだ。


間も無くし…

そこも沈んだ。


さらに、他の国へ行っても同じ事が起き、もはや金持ちという言葉そのものが無くなりかけていた…。


かつて山といわれた比較的、地面の高い土地の物価は目に見えて上がり、世界上位の金持ちだけがエベレストに家を建てる事が出来たのだが、その頃になると、もうほとんどの国が消滅していた…。


こうなると、もはや、金など、ゴミだった。


エベレストに建てられた家は、誰かに燃やされ、生き残った元警察官は拳銃を使い、ありったけの食料を確保し、それを食べてる最中に、息子に殺され、その息子も誰かに殺され、ソイツも誰かに殺された。


そして…ついに…。

地球上に存在する島は1つとなった。


エベレスト。


そこは山と呼ばれず島と呼ばれた。そのうち島とも呼ばれなくなり、ただ、ただ、地球上に生き残った人間達が生存するだけの場所となった…。


食料は等の昔に尽きており、法律なんてものは無く、かつて金と呼ばれた今は汚い紙切れに、真っ赤な炎をたぎらせて、死体を、焼いて食べていた…。


そして…食べている間にも水準は上がり、人間達もエベレストのテッペン目掛け集まり、そこからハミ出す者達もますます増えていった…。


人々は家や建物と呼ばれていた物の破片を集め、船を作り、エベレストには最後の金持ちが最後の金と最後の権力を全て使い、かつてない史上最強縦長最長の城を建てた、が…ついに…そこも沈んでしまった。



ついに地球は海だけの世界となった。


そこには

沢山の船が浮いていた…。


船の上で船を作る世界が始まりだした。


町と呼ばれる船が出来た。


魚はいくらでも釣れ、しばらくすると船の上で作られた野菜や米をみんなが食べだし、それ等は新しい世界を作り出していった…。



「おや?ソチラの船ではジャガイモを作っているんですか?私はトウモロコシを作っているんですよ。よろしければ交換しませんか?」



船の世界は安定し、店の様なものも出来た。


学校の様なものも出来、余裕が出来ると悪い事をするヤツも現れたが、警察の様なものも出来ていたので捕まり、船上刑務所に入れられた者もいた。

海は完全に1つの世界となった…。



そこには国という境界線は無く、かつての様な争いも全て消えていた。



そして、この幸せな水の世界で人々はずっと生き続けたのだった。



(おしまい)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ