買い出しまで
「ここでなら料理をしてもいいらしいですよ」
「じゃあ、私はここで見てるよ」
「ちょっとまってください……、マヤさん椅子作りましたよ」
俺はマヤさんのそばに空気椅子を作った。
「ありがとう!」
マヤさんはコボルトの皮を敷き、椅子に座った
「俺も机作らなきゃな」
目の前に空気のテーブルを作り、そこにまな板を置く。
俺が今日作るのは、昔作ったことのあるポテトサラダとガーリックステーキ、作ったことはないパンプキンスープだ。
まずはポテサラのマヨネーズから作るか!
材料はオリーブオイル、卵黄、塩、そしてエールで作った酢だ。
材料をいれる順番とか量は忘れたから、少しずつボウルに入れて近づけていこうと思う。
確か…混ぜ合わせるだけでいいんだよな…?
塩の量を控えめに、俺の知ってるマヨネーズに近づけるように少しずつ混ぜ合わせていった。
まず、粘度は大丈夫そうだな。
味は…うん、問題ない。
オリーブオイルの匂いが強くて、日本で使っていたキュー●ーのマヨネーズには程遠いが、マヨネーズではある。
これはボウルのまま放置だ。
次に、ジャガイモの皮を包丁で剥き、ジャガイモを鍋に入れる。
ナイフの切れ味が良すぎて、怪我しないよう結構気を使ったよ。
剥き終わったら、シングルバーナーを組み立ててテーブルに乗せて…使い方は……火の魔力?
「マヤさん、火の魔力とか水の魔力とかってどうやって使うんですか?」
「ああ、コバヤシ君の世界では魔法を使わないんだったね」
マヤさん曰く、どんな人間も生まれた時から魔力を持っているらしい。ただ、生まれた時から魔力が体に保有されているため、その魔力を感じることは出来ず、勿論魔力を感じることができなければ魔力を放出することも出来ない。
そのため、魔力を放出することのできる、自分の親などから自分の体に魔力を送ってもらい、「魔力の感覚」を手に入れるのだという。
「じゃあコバヤシ君、僕の手を握ってみて」
マヤさんはそう言うと、俺の前に右手を出した。
彼女の手を握ってみる…
よく分からないが、手がじわっとする。手首から先だけ運動したような感覚…
「今コバヤシ君にはただの魔力を送っているんだ。じゃあ次に…ちょっと熱いよ」
そう言うと、マヤさんの手が温かくなった。
「温かい…、風呂に入ってるくらい……ああちょっと熱い…そろそろ止めてください…熱っ!」
マヤさんの手が少しずつ熱くなっていく。食洗機に手を当てながら起動したような感じだ。
彼女は申し訳なさそうな顔をしながらも、俺の手を離す気配はない。
「……、もう大丈夫。ごめんね」
そう言うと、マヤさんは俺の手を離した。
彼女の手から離れた後も、熱さは引き続き残っていた。
「熱かった…けど、俺の手を離さなかったのには何か理由があるんですよね?」
申し訳なさそうな顔もしてたし…
「勿論だよ!あれくらい魔力を込めないと、火の魔力の放出の感覚は得られないからね。コバヤシ君、今少しずつ手が冷めてきてるよね?」
「確かに…ゆっくりですけど」
少しずつ、熱が抜けていくような感じがする。
「それが魔力の放出なんだよ。君のそれは、体が勝手に行ってるんだ。今のコバヤシ君なら意識して火の魔力とただの魔力の放出は出来るはずだよ」
うん、なんとなく分かった気がする。
肩から手首までの力を…手首から先に集めて…
「ただの魔力の放出は出来てるね。次は火の魔力をやってみて」
火の魔力…手首から先に集まった力を温かくして…
温かくした分だけ、少しだけ魔力の量が減った気がする。
これを体の外に…うん、出来たな。掌と指先が温かい。
「まずは…大丈夫。じゃあ次は水の魔力を放出するよ!」
先程と同じように、マヤさんから水の魔力が送られた。
掌に水をつけてるみたいな感覚…これも出来そうだな。
「じゃあ、やってみます」
魔力を血に…液体に変える感覚…。
「できてるよ!ちょっとだけ暖かいけどね」
血に変えるって感覚がいけないのかも…血って暖かそうだし…。
今度は魔力を冷水に変える感じで…
「えっ…コバヤシ君…すごいよ!この冷たさなら…氷魔法も出来るかも!」
そう言うとマヤさんは俺の手を取り、急に氷の魔力を込めてきた。
冷たっ!これ冷たっ!
「コバヤシ君、ちょっと我慢して。あと少しだから!」
そして、マヤさんは俺の手を離す。
「……、ありがとうございます。今ので少し感覚がつかめた感じがします」
手の魔力を冷まし続けて…氷水になるくらいまで…
そういえば、液体窒素も液体だな…ブクブク泡立ってるし
「……あっつ!!!」
右手の力が急に抜け、掌と指先に異様な熱さを感じた。
「これまずいですマヤさん!手があっつ…痛っ!」
「すぐに魔力を放出して!」
俺は掌にあった異様な熱さを体の外に追い出した。
すると、急に周りが冷たくなり。息が白く見えるようになった……
「すごいよコバヤシ君!こんな純度の氷の魔力なんて…僕にも出せないよ!」
これって…俺が液体窒素のことを想像したからこうなったのか?
それより…右手が動かない…
俺が困惑していると、マヤさんが俺の手を握ってただの魔力を込めてきた。
「コバヤシ君、この魔力を腕全体に行き渡らせて」
少しずつ魔力を置いてくるようにして…魔力を肩まで持っていく…
「ありがとうございます。もう大丈夫です」
腕の疲れは残っていたものの、しっかりと動くようになっていた。
「今…何したの?」
「俺の世界にあった…すごく冷たいものを想像したら、こんなことになりました」
「すごいね…。こんなことが出来るなら…雷も土も…何なら聖も試してもいいかも…」
そう言うとマヤさんは、先程と同じ様に、俺に3種の魔力を込めてきた。
ピリピリするのと…感じ取れないのが2つだった。あとその3種類の魔力を放出することはできなかった。
「まあ…そうだよね。…コバヤシ君、これから時々魔法の勉強をしない?」
「えっ…いいんですか?お願いします!」
魔法が使えるなら…使ってみたい!
「分かった!…本当は今からでも教えたいところなんだけど…料理しなきゃいけないもんね」
「はい、結構時間経っちゃいましたね」
シングルバーナーに火をつけようとしたところから…多分30分以上は経ってるな
「それじゃあ…さっきみたいに火の魔力を放出するか」
真ん中の魔石に手を当て、魔力を込める…
「熱っ!……間違えた…」
魔石から火が噴き出し、俺の指先にもろに当たった。火傷はしなかったが…めっちゃ熱かった。
あの店主さん…火付けるときに手触れてなかったな。
指に水の魔力を込めて指先を冷まし、今度は魔石から手を離して火をつけた。
シングルバーナーにジャガイモの入った鍋を乗せ、水の魔力で火を調整して…
「マヤさん、この鍋の中に水入れてください」
鍋の中に、ジャガイモが浸かるくらいの水を入れてもらう。
火の通りを確かめるのは…フォークの柄でいいか。
ジャガイモに火が通るのを待ってる間に、キュウリを適当に切っていく。
大きく切りすぎたやつはもう一回切…らなくても良いか。サラダなんだし
キュウリを切り終わったらボウルに入れ、ジャガイモに火が通るまで少し待つ…
ポテサラにするので、煮崩れても…多分ある程度は大丈夫。時間は大雑把でいいはず!
あと、カボチャって…切ってから火を通すんだよな。カボチャの天ぷらとかそうだったし。
じゃあ、カボチャの下処理もしますか。
カボチャを洗った後、マヤさんのナイフで、2回向きを変えて8つに切る。
さらにそれを2等分して、ボウルに入れる。
これは後で煮るとして…、ジャガイモはもう火が通っただろうな。
ジャガイモにフォークの柄を突き刺した。
「うん…大丈夫」
シングルバーナーの火を止め、鍋を空気テーブルに置いた。
ジャガイモをフォークで突き刺して、さっきマヨネーズを作ったボウルに入れる。
「まずは1個…どう潰そう?」
フォークで…いや…空気操作でいいか。
空気操作でジャガイモを潰し、マヨネーズと混ぜ合わせた。
「流石にマヨの割合が多いよな。じゃあもう一個…」
そんなふうにして、マヨの量に丁度いいジャガイモを入れた。
空気操作で潰すとポテサラが滑らかになりすぎるから、最後の一個はスプーンで粗めに潰したよ。
そこに切ったキュウリを入れて混ぜ、味見を…
「うん、味は完璧!」
味見に使ったスプーンを俺の食器に入れ、ポテサラをスープ皿に移す
じゃあ、次はパンプキンスープだな。
切ったカボチャを鍋に入れ、火を通して待つ…
ニンニクを一つ薄切りにし、オークリーダーの肉を厚切りに切った後、マヤさんに魔法のことを教えてもらった。
「回復魔法って、それ専用の魔力があるんですか?」
「いや、使うのは水の魔力とただの魔力だけだね。睡眠魔法も蘇生魔法も、回復魔法の中の一種なんだよ。ちなみに、爆発魔法は火魔法と土魔法の応用なんだ!」
「そうなんですね、あと、マヤさんって風魔法使えないんですか?」
ステータス鑑定した時見たけど、あれだけ多くの種類の魔法が使えるのに。
「うん、今の時代はそもそも風の魔力を放出できる人が少ないからね。それに風の魔力は感じ取るのも難しくて、ずっと昔に廃れちゃったんだ。今使える人なんて、相当物好きのエルフか、長生きのハイエルフくらいだよ」
エルフか…あの人は使えなかったのかな?
「ダンジョンで助けてもらったエルフの方は使えなかったんですか?」
「うん、君が寝てるときに聞いたけど、使えないって言ってた」
抜け目ないですね…
「あっ…そろそろカボチャ煮えたかもしれません」
「料理って大変だね。頑張って!」
シングルバーナーの火を止め、鍋に入っていた水を捨て、カボチャを取り出す。
カボチャが冷めるまで少し待って、皮を剥いていく。
正直皮を剥かなくても味は変わらないけど、食感のためだしな。
鍋に再びカボチャを入れ、空気操作で潰す。
そこにミルクと水、バターと胡椒と塩を少しずつ、味見しながら入れて…
ちょっとバター多かったけど、混ぜれば問題ないだろ。
再びシングルバーナーに火を付け、鍋を乗せて煮込む。
時々混ぜながら、少し待つ…
「出来ました!これ、アイテムボックスに入れてもらえますか?」
「うん…けど…すごくいい匂いだね」
じゃあ、次はオークリーダーの厚切りガーリックバターステーキだな。
ひとまず何も付けずに少しだけ焼いてみる。
これは………、あの見た目で…美味しい豚肉だな!
叩いたみたいに柔らかく、肉汁も多く、脂肪も良い感じの量で美味い。だけど…ちょっとだけ牛っぽい風味もある。牛脂で焼いた高めの豚肉みたいな感じだ。豚丼とか、生姜焼きにしたら絶対美味しい!
フライパンにバターをひき、ニンニクを炒めた。
そこに先ほど切った厚切りのオークリーダーの肉を2枚載せ、強火で焼いていく。目指す焼き加減はミディアムレアだ。
「コバヤシ君…さっきから、すごく…いい匂いだね…」
マヤさんが焼いているステーキを見ながらそう言ってきた。
「同じような料理、屋台で見なかったんですか?」
「無いよ!バターで肉を焼くなんて…ニンニクを使ってるところはあるけど」
ガーリックバターの存在は無いんだな…勿体ない
俺はシングルバーナーの火を止め、焼きあがったオークリーダーの肉を1枚ずつ皿に乗せ、塩を振った。
「マヤさん、コボルトの皮残ってますよね?」
ダンジョンを出る前に、マヤさんにお願いして2枚残してもらったんだよ。
いい感じの大きさの空気テーブルと空気椅子を作り、椅子にコボルトの皮を敷いてもらった。
先ほどアイテムボックスに入れてもらった鍋をテーブルの真ん中に置き、その隣に厚切りオークリーダーのステーキの皿とポテサラの皿、空のスープ皿を2つ置いた。
これ…お玉ないけど…、どうしよう……ああ、空気操作でいいか!このスキル万能だな。
俺は空気操作でお玉を作り、パンプキンスープを空のスープ皿によそった。
「マヤさん、出来ましたよ!」
「うん、さっきから凄くお腹減ってたんだよ!あんな香りがして!」
「じゃあ、いただきます!」
マヤさんはオークリーダーの肉を切ってフォークを刺し、口に入れた。
「美味しいっ!」
そして、次から次へとオークリーダーのステーキを切って、口の中に放り込んでいった。
「そんな勢いで食べると…喉詰まらせますよ?」
「大丈夫、それより…オークリーダーってこんな美味しかったんだね!」
じゃあ、俺も一切れ…やっぱりガリバタ旨いな!
強火で焼いたからか、オークリーダーの肉汁がステーキに閉じ込められて、噛むごとに溢れてくる、しかも厚切りだからいい噛み応えがある!
ニンニクの風味とバターの味わいが合わさって、文句無しの味わいだ。
日本じゃ試さなかったけど…豚とガリバタって合うんだな…。
マヤさんはパンプキンスープをですくって口に入れた。
「これも!今まで食べてきた料理とは全然違うよ!美味しい!毎日食べてもいい!」
この世界の人の口に合って良かったよ。
俺も一口…パンプキンスープも美味しく出来てる。
カボチャとバターの優しい甘みがして、胡椒を入れたことで味が引き締まっている。
ガリバタステーキといい組み合わせだな。
じゃあ、ポテサラも…これはさっき味見したけど、やっぱり美味い。
ガリバタステーキで脂っぽくなった口の中をさっぱりさせてくれる。
「コバヤシくん、このジャガ芋を潰したやつの酸っぱさって何?すごく美味しいけど」
「これは俺のスキルを使って、酢っていう調味料を作って、マヨネーズというドレッシングを作って、それを混ぜたんです。その「酢」の酸味ですよ」
「もしかして、あのお酒がこれになったの!?信じられないよ…」
よく気付きましたね、マヤさん。
そうして、俺は満足するまで食事を食べた……
「ほんっとに美味しかった…。コバヤシ君、料理って…すごいね」
「けど…これパンとかも出したほうがよかったですよね…」
今日の夜ご飯、炭水化物なかったよな。
ジャガ芋があるから…セーフなのか?
「マヤさん、まだご飯食べられそうですか?」
「うん、ただ沢山は食べられないかな」
「それじゃあ…さっき渡したジャガイモ出してください」
「いいよ。けど何を作るの?」
「それは見てのお楽しみです」
俺はマヤさんからまだ熱いジャガイモを受け取る。
アイテムボックスに入れてると…温度も入れた時のままなんだな…
俺はジャガイモを半分に切り、中にバターを挟む。これで終わりだ。
「どうぞ!マヤさん」
「うん、じゃあいただきます!」
俺たちはジャガイモをフォークで…切って、一欠片食べた。
ホクホクのジャガイモがバターと絡み、まろやかな甘さとバターの旨み、ちょうどいい塩味を感じる。
「美味しいっ…それに、これなら僕でも作れそうだよ!」
「誰かこれ作ろうと思わなかったんですか?」
これくらいなら誰でも思いつくだろうに
「そもそもバターが嗜好品だからね…それに、試す余裕のある貴族も、ジャガ芋を庶民の食べ物って言って、食べないからね」
なるほど…そういう理由ですか。
食事を終えて、水魔法で皿を洗ってもらい、歯磨きをした後俺はマヤさんに地球の様子について話した。
「そんな文明が進んでるんだね…それじゃあ、その知識で儲けられたりしないの?」
「できると思いますよ。けど俺はそれより異世界を見て回りたいです!」
「あと、ダンジョン出た時から気になってたんですけど…、なんでマヤさんは風魔法を使える人を探していたんですか?」
「うん、風魔法を使える人がいたら…私のスキルと組み合わせて龍も倒せるから…、エレベーターで言った「君にやってほしいこと」は、龍討伐に協力してもらうことだよ!」
なるほど、龍を倒したいんですね。
「ちなみに、何で倒したいんですか?」
「………龍を倒せば、私の渾名は…「ドラゴンスレイヤー」になるよね………、そういうことだよ!」
そんな理由で……。倒されてそうになってる龍が可哀想だよ……。
「「ドラゴンスレイヤー」も結構きつい名前だと思うんですけど…、良いんですか?」
「「孤高の魔女」よりはマシだよ!!」
「そうですか…じゃあ、これからの予定、教えてください」
明日ドラゴン倒しに行くとかじゃないよな?
「明日は食料の買い出しに行くよ!」
「えっ…どうしてですか?」
「あんな美味しいの食べて、黒パンと干し肉じゃ満足できないけど…護衛任務だし…あっ!君に明日作ってもらえばいいか!」
「護衛任務って…何ですか?」
「3日後にある、この街から港町ナヘドまでの護衛任務だよ。君と会う前に受けてたやつだね」
「港町ナヘド………」
どっかで聞いた気が………
「あっ!マヤさんが冒険者登録した街!」
「どこで知ったの……あっ、あのセクハラ受付嬢か……!そうだよ」
「あと、ナヘドで何をするんですか?」
「久しぶりに親に会おうと思っててね……。ナヘドまでの護衛任務があったから受けちゃったけど…やめた方がいい?」
「いえ、どちらにしろやることは決まってなかったですし、この世界を巡ってみたかったので!」
「それならよかったよ」
「そういえば…マヤさんってこの世界の地図持ってます?持ってたら見せてほしいです」
この世界…大陸の国境とか気になってたんだよな。
「うん、この国の地図しか持ってないけど…とりあえずそれだけ出すね」
そう言うと、マヤさんはアイテムボックスから1枚の羊皮紙を取り出した。
「僕たちは今この国にいるよ。細かいところはあんまり正確じゃないけどね」
ああ、このチーバくんのの鼻をもぎ取ったみたいなのが今いる国なのか。
「私たちは今この国の…この辺にいて、港町ライヘムはこの辺にある。この国の地図は大体は正しかったよ」
マヤさんは指を差しながら俺に教えてくれた。
「冒険者登録するときに買ったはいいんだけど…あんまり使わなかったんだよね。すぐ覚えちゃったし」
やっぱり記憶力すごいですね……。
「ちなみに、その護衛任務って具体的にどんな任務なんですか?」
「僕への護衛任務の指名があって、それを受けたんだ。裕福な女性商人で、依頼を受けた人の評判も悪くないらしいよ」
指名されるって…やっぱりすごいんだな。あと気になることが一つ…
「それなら良かったです、あと俺のスキルに「悪臭」っていうのがあって、魔物よけのスキルみたいで、たぶん魔物とは戦闘にならないと思うんです。だから食材だけ買っていって、道中料理するっていうのはどうですか?」
俺も明日作り置きを沢山作るのは疲れるからな。この街も巡ってみたいし。
「それなら…大丈夫だね!コバヤシ君、料理よろしくね!」
「はい!任せてください!」
「じゃあ、そろそろ寝よっか。スキル解除するの忘れないでね」
俺たちは部屋に戻り、各自ベッドで寝た。
「おはようコバヤシ君、そろそろ起きて!」
俺は昨日、ダンジョン疲れからベットに横たわってすぐに寝た。
マヤさん曰くもう昼頃だという。
相当疲れてたんだな…
「朝ごはん…僕我慢したからね!君を一人にしたらどっか行きそうだし」
もしかして俺小学生だと思われてる?
「そんなことしないですよ!ただ、待たせてすいません」
「大丈夫。ただ、この際市場の屋台でもいいからすぐご飯食べるよ!」
俺とマヤさんは宿屋を出て、市場まで向かっていった。
「うん…不味くは無いけど…、君の料理より味が薄いよね」
俺たちはソーセージの入った野菜スープと豚串を食べた。味は…やっぱり薄かった。
この世界の料理、全体的に味が薄いんだよな、あの激辛スープみたいなやつもあるけど。
「コバヤシ君、材料買いに行くよ!」
「分かりました、まずは野菜から見に行きましょうか」
俺は、昨日野菜を買った店まで向かって行った。
道中、マヤさんに護衛任務にかかる期間について聞いた。
「マヤさん、護衛任務って何日くらいの予定なんですか?」
「うん、依頼主の馬車に乗せてもらって、問題なければ2-3週間で着くよ」
馬車に乗って…か。
「俺のスキル使って、馬車ごと飛ばした方が早くないですか?」
「コバヤシ君…自分のスキルを隠す気あるの…?」
あっ、そのこと忘れてた。
「まあ、人の前で使う時は、やり過ぎないようにね。空気の結界位は使ってもいいだろうけど…あっ、着いたよ」
俺たちは、いつの間にか昨日買い物をした店の前に立っていた。
「じゃあ、野菜買っていきますか」




