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腐敗スキルで異世界グルメ!  作者: 柚子鮪


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6/10

ドロップ品買取!

「さっきはありがとうございます!」

「いやまだだ、セーフゾーンにいる冒険者たちに説明してこい」 

幸いにも、セーフゾーンにはそこまで人は居なかった。

俺はまず、隣にいるパーティーに声を掛けた。

「…何の用だ」

剣士と思われる冒険者が、そう答えた。

「先ほどは、ご迷惑をおかけして申し訳ございません。あれは私のスキルによって起こった事故だったんです」

「……信用できないな、」

「………マヤさん!ちょっと来て下さい!」

俺は珍しくオロオロしていたマヤさんを呼んだ。

「…僕は何をすればいいの?」

「俺に聖魔法をかけてください!」

「……いいの?」

「今は疑いを晴らすのが最優先です!お願いします!」

「じゃあ…いくよ!」

マヤさんは、俺に掌を向けた。

「……驚いたな…聖魔法が使えるのか…」

「見ている限り、お前の仲間はグールではなさそうだな。スキル関連のことは知られたくないだろうし…黙っておくよ」

「ありがとう!」

「あと、このセーフゾーンにいる他の冒険者にも伝えておいたほうがいいぞ」

「うん!コバヤシ君、行くよ!」

マヤさんは俺の手を引き、セーフゾーンの中央に行った。

■ □ ■ □ ■

「……コバヤシ君、大丈夫?」

「大丈夫…俺は…幸せになるために生まれてきたんだよ…」

「……、やっぱり…」

「どうしたの?そんなに悲しそうにして…この世界に生きるすべての人には、幸せになる権利が」

「……眠れ!」

マヤさんは俺に睡眠魔法をかけた。


■ □ ■ □ ■

「あの後…何が…あっ!」

「うん、思い出したみたいだね」

そうだ…俺はあの時……賢者に成ったんだな。

「あの時のコバヤシ君、それなりに気持ち悪かったよ」

「すいません…」

「そういえば…エルフの人は?」

「次の階層に行っちゃったよ。まあ…エルフは気まぐれだしね」

「そうなんですか…お礼言えなかったです…」

「この街は狭いんだし、またどっかでばったり会えるかもよ?」

「確かに…そうですね!」

「それじゃあ、起きたみたいだし…今からダンジョンを出るよ」

そう言うと、マヤさんはセーフゾーンの中央にある柱に向かっていった。

「これが…エレベーターだったんですね…」

「うん、今回はどれくらいかな〜?」

そう言うと、マヤさんは魔石の入った袋を床に置き始めた。

その袋はすぐに床に吸収されていった。

「まずは200…流石に足りないか」

「えっ?多くないですか?」

「50…5,10,15,20、25…これで十分みたいだね」

柱についていた扉が開いた。

「こんなに払う必要があるんですか?」

「うん、ドロップ品の価値の2割は払わないといけないからね」

確かに…俺たち、相当ドロップ品拾ったからな。

「じゃあ、入るよ!」

俺はマヤさんに続いて、エレベーターの中に入った。

「マヤさんって、いつもこんなに稼いでいるんですか?」

「うん!それに、僕はアイテムボックスを持っているから、他の冒険者よりも素材をたくさん持って帰れるからね!」

アイテムボックス無かったら…グールの背骨も、魔物の革も肉も持って帰れなかっただろうな。

「それに、僕はこれまでソロでやってきたから、Sランクと同じ位には稼いでいるんだよ!」

手に入れた素材を分ける必要も無いだろうしな…

「じゃあ…俺と仲間になって、俺に分けてもいいんですか?」

「いいよ!大して使い道もないし、君にはやって欲しいことがあるからね!」

「やって欲しいことって…」

「後で話すよ、あっ、扉が開くよ!」

そして、エレベーターの扉が開いた…


■ □ ■ □ ■


「出口…ここだったんですね」

俺たちは、ダンジョンの入口だったピラミッドの反対側に立っている。

「じゃあ、まずは受付に行って、ダンジョンから出たことを報告するよ!」

俺たちは受付に行き、名前と入った日時を伝えた。

「じゃあ…次は冒険者ギルドで魔物の素材を買取に出すよ!」

俺たちは、冒険者ギルドに向かって行った。


■ □ ■ □ ■


「ここだね!じゃあ列に並ぶよ。」

俺たちは買取窓口の列に並んだ。

「そういえば…ダンジョンを出たら、料理を作るって約束しましたよね!」

「うん、覚えてるよ」

「じゃあ、買取が終わったら、市場で料理道具とか材料を買いたいです!」

「いいよ。ただ先にもう一つしたいことがあるんだ」

「何ですか?」

「私たちのパーティー申請だよ」

「パーティー申請って…俺たちまだパーティーじゃ無かったんですか?」

「うん、正確には仮のパーティーってことかな」

「仮のパーティーと、パーティーって何が違うんですか?」

「うん、ざっくり説明するね」

「仮のパーティーは、一緒に仲間として活動するんだけど、それぞれの取り分は話し合いで決めるんだ」

「ただパーティーはね、パーティーリーダーがそれぞれの取り分を、パーティーのお金から配分するんだ」

「仮のパーティーと違って、パーティーメンバーが武器とか薬とかの必要なものを買った時、負担はパーティーが持つんだよ!」

「それって…本当にいいんですか?」

「もちろんだよ!君ほど成長性が感じられて、スキルも強い新人なんて、僕見たことないよ!お金の管理は僕がするけど、大丈夫だよね?」

「ありがとうございます!勿論大丈夫です!」

「それに……パーティーになったら…簡単に抜けることは出来ないからね…」

マヤさんが何かをボソッと呟いた。

「今なんて言ったんですか?」

「いや、何でもないよ?それより、もう私たちの番だよ」

マヤさんは、受付嬢さんに近づいた。

「あら!孤……、いえ…マヤさん、久しぶりです。ダンジョンの品の買取ですね?」

「うん、お願い」

「あっ…マヤさん、オークリーダーの肉塊は一つ残してください」

「分かった、伝えとくよ」

「では、こちらに品をお出しください」

マヤさんは、次から次へと素材を机に置いていった。

「……少々お待ちください、他の職員を呼びますね」

受付嬢さんは、素材を他の職員に運ばせて、マヤさんに買取金額の説明をしていった。



―――――――――――――――――――――――――――――


買取品                  買取金額

コボルトリーダーの革 21枚       42000モル

オークリーダーの肉 30塊        180000モル

オークリーダーの革 23枚        57500モル

サファイア 2粒  20000モル

ルビー 2粒             20000モル

エメラルド 1粒          13000モル

オーガの角 11本 55000モル

オーガの革 14枚 42000モル

レッドオーガの角 5本 35000モル

レッドオーガの革 7枚 35000モル

オーガジェネラルの角 1本 20000モル

オーガジェネラルの革 1枚  6000モル

グリーンサーペントの皮 14枚  21000モル

グリーンサーペントの毒袋 13個  13000モル

フォレストスコーピオンの毒袋 8個 8000モル

ポイズンリザードの皮 9枚 18000モル

ポイズンリザードの毒袋 5個 3000モル

ホワイトポイズンキャタピラの毒袋 11個3300モル

レッドキラーワスプの毒針 16個 1600モル

レッドキラーワスプの毒袋 18個 18000モル

ポイズンアナコンダの皮 1枚 25000モル

ポイズンアナコンダの毒袋 1個 400モル

スケルトンの骨 25本  7500モル

スケルトンナイトの骨 3本 2100モル

スケルトンナイトの剣 1本 15000モル

グールの背骨 4本 120000モル

魔導書(ダンジョン産) 4冊 40000モル

魔石(極小)18個  18000モル

魔石(小)28個  112000モル

魔石(中)13個  91000モル

魔石(大)2個 50000モル


合計金額         1092400モル

―――――――――――――――――――――――――――――

「……すごいですね」

マヤさんは金貨109枚と銀貨2枚、銅貨4枚を受け取った。

彼女は金貨100枚を麻袋に入れてアイテムボックスに放り投げ、残りを他の麻袋に入れた。

「じゃあコバヤシ君!パーティー登録の受付に行くよ!」

そう言うとマヤさんは受付から離れ、隣の受付に行った。

「…どうしたんですか?買取受付はあちらですが…あら!「孤高の魔女」マヤさんじゃないですか!」

「その名前で呼ぶな!」

「それに…お隣の方ですが、どこかで見たことがあるような」

「……あっ!もしかした貴方…この街で冒険者登録をした変人じゃありませんか?」

始めから変人扱いかよ。ただ、今はそのことより…

「はい、それよりその「孤高の魔女」について詳しく」

「コバヤシ君!この世界には知らない方が良いこともあるんだよ!」

俺はマヤさんの言葉を聞き流して、受付嬢さんに近づいた。


■ □ ■ □ ■


「「孤高の魔女」はですね、12歳のときに港町ナヘドで冒険者登録をしたそうです。そこから一度もパーティーを組まず、13歳にして単独でキングスライムを討伐をして、この国を騒がせました。ちなみに彼女は冒険者登録をした時から「孤高の魔女」という名前を触れ回っていたそうです!」

受付嬢さんが、小声で俺に教えてくれた。

「マヤさん…そんなことしてたんですか…」

あと、そんな凄いことしてたんだな…

「黙ってよ受付嬢さん!貴方みたいに…あの名前を広める人がいるから、いつまでたっても「孤高の魔女」って名前が消えないんだよ!」

ああ、マヤさんにも聞こえてたのか。

「もう諦めたほうが良いですよ。貴方も、自分がどれだけその名前を広めたのか分かってますよね?」

「うるさい!」

「こんな風に…この街にいるマヤさんは、「孤高の魔女」と呼ばれることを嫌うんですよね。それに、聞いていた話より大人しいですし…何故でしょうかー?」

その口ぶりからして、分かっていますよね。

マヤさん…早めに厨二病を罹患して、この街に来るまでに治ったんだろうな…

あと、そんな恥ずかしがっているともっとイジられますよ。

「マヤさん、恥ずかしがることはありません。誰にでもそんな過去はあります!」

「もう、そのことについて話さないで!私はパーティー申請をしに来たの!」

「おい!今の聞いたか!?「孤高の魔女」がパーティーを組むらしいぜ!」

俺たちの話が聞こえていたのか、近くにいた冒険者が大声でそう言った。

「えっ?孤高の魔女が?」「本当に孤高の魔女なの?」「孤高じゃなくなるのか?」「あの少女が孤高の魔女なの?」

ドンマイです…マヤさん。

彼女は両手に顔を埋めていて、耳まではっきり赤くなっている。

「マヤさん、俺が代わりに登録用紙に記入しますよ」

そう言うと、マヤさんは小さくコクリと頷いた。

「俺の名前と職業とランク…あとマヤさんの名前と職業とランク…マヤさんの名前って、マヤ・ライヘムでしたよね?」

「分からなければ、「孤高の魔女」でも結構ですよ!」

「やめてよ…合ってるから…」

「じゃあ…パーティー名ってどうします?」

「私のオススメは「孤高なる魔女の「もう黙っててよ!」」

「うーん…パーティー名か…」

そういえば、マヤさんってこう見えて魔法使い何だよな…

「「魔女の家」とかどうてすか」

某フリーゲームと被るけど…この世界なら大丈夫だろ。

「魔女の家…か、いいね。それにして!」 

「………調べたところ、他のパーティーと被っていますね」

悪くないと思ってたんだけど…まあ被っててもおかしくないか。

「じゃあ…魔女の小屋は?」 

「そちらは…………大丈夫ですね。そのパーティー名でよろしいですか?」

「僕は大丈夫だよ」

「じゃあ、それでお願いします!」

俺はパーティー名を記入し、登録用紙を受付嬢さんに渡した。

「しかし…よく冒険者登録したての人が「孤高の魔女」とパーティーを組めましたね…。何か弱みを握っているとか…、まさか!?既に関係を持っていたり!?」

「いえ、残念ながらそうではありませんね」

「関係って…僕たち、パーティー組んだけど…?」

察しの悪いマヤさんは、俺にそう言ってきた。

「マヤさん…「関係」はそっちの意味じゃなくて…」

「あっ…まさか…えっ?」

「はい、そういう意味です」

「行くよコバヤシ君!こんなセクハラ受付嬢と付き合ってられないよ!」

マヤさんは俺の手をつかんで引いてきた。

「やっぱり!簡単に手を握れるような関係なんですね!まさか「孤高の魔女」が愛を知るなんて…」

「早く行くよ!歩いて!コバヤシ君!」

俺は受付嬢さんにマヤさんの過去を聞きたかっただが…、半ば力ずくで冒険者ギルドから引きずり出された。

「じゃあコバヤシ君、市場に行くよ!」




「コバヤシ君は…ここで何を買いたいの?」

「はい、料理器具と皿と…今日の分の材料を買おうと思ってます」

俺たちは、ダンジョンに行く前に干し肉を買った店の前にいる。

俺の料理がマヤさんに満足してもらえるか分からないし、ひとまずは今日の分だけでいいよな。

「じゃあ、まずは野菜を見に行きましょうか」


■ □ ■ □ ■


「品揃え、やっぱり良いですね!ナスにキャベツに、…ニンジンにキュウリに…大豆…この世界ではフト豆っていうんだっけ?…後は…カブに、…玉ねぎに…なんだこれ?…トマト…ジャガイモ…リンゴ…トウモロコシ…カボチャ……パプリカ…いやピーマンだな、あとはネギ…ニラ…キノコ類と…………ここから先は肉の店みたい」

この世界の野菜は、大半が地球で見たのと同じような大きさ、見た目だった。

「大豆…これは個人的に欲しいな。あとジャガイモ…カボチャも欲しい!」

俺の腐敗スキルがあれば…発酵させれば納豆も豆味噌も、醤油も作れるだろうしな。故郷の味は欲しい!

「マヤさん、アレルギー…食べられない食べ物ってありますか?」

「苦手な食べ物は…虫とかは無理だけど、それ以外は食べられるよ」

その感じだと…無さそうだな。

「分かりました、あとこの世界にバター…動物のミルクから作った油の塊ってあります?」

「あるよ。なんなら名前も「バター」だけど?」

「よかったです。じゃあ、果実酒かビール…苦味のあるお酒ってありますか?」

「なに?君飲むの?」

マヤさんが俺のことをジト目で見つめてきた。

この世界で合法なんだったら飲みたい気持ちもあるけど…、まだ16だしな、飲まないよ。

「いえ、料理に使うんです」

「うん、それならいいけど…、冒険者ギルドの食事処で売ってるよ?」

「分かりました、ちなみに年齢制限とかはあるんですか?」

「無い。私と同い年位の子も…飲んでたりするよ。酔っ払うなんてみっともないのに…」

それなら、材料は大丈夫だな。

「マヤさん、フト豆とジャガイモとカボチャとキュウリ…あそこにある野菜を買ってください!」

「ああ、あれはこの世界ではトウナスと、カッパって言うんだよ!」

唐茄子…何故に日本語?あとカッパって…寿司かよ?

「じゃあ、個数は?」

「……フト豆を麻袋2個分と、ジャガイモを12個と、トウナスを2個と、カッパを1本下さい!」

麻袋一袋で大体1リットル位だ。

マヤさんは店主のおばさんに代金を払い、野菜をアイテムボックスに入れた。

「じゃあ、次は、塩と香辛料を買いたいです」

「わかった!確か香辛料は……、あっちだ!」


■ □ ■ □ ■


「品揃えすごいな…ローリエにローズマリーに、パセリにオレガノ?それにタイム、レモングラス、セージ、ちょっと大きめのバジル、…確かこれの名前は…アーティチョーク、なんか玉ねぎみたいな匂いの茎、フェンネル…いやディルだな。ミントみたいなやつ、ハッカみたいな匂いのやつ、ローレル、知らない草…、ここからスパイスだな。ゴマ、クミン、ターメリック、ショウガ、ナツメグ、ウコン、胡椒!これは買うか。あとは唐辛子、ニンニク、シナモン…オリーブオイル!!ここで売ってるんだ…。あとは… これで終わりか」

それ以外にも、名前が分からないハーブ・スパイスが沢山あった。

あと胡椒だけあからさまに店主さん側にあって、蓋までされてたよ。

「コバヤシ君は何を買っていきたいの?」

「小瓶に入ってるオリーブオイルを2瓶と、ニンニクを2つと、胡椒を少し買っていきたいです」

「分かった。親父さん、オリーブオイルとニンニクを2つと、胡椒を頂戴!」

「ああ、…4700モルだ」

親父さんは大さじ3.5杯くらいの胡椒を小さな麻袋に入れた。

そんなにいらないけど…高いし…まあいいや。

ここもマヤさんに支払ってもらい、俺たちは塩を探した。


「コバヤシ君!あの店で売ってるよ!」

そこには、大きな籠の中に沢山の塩が入っていた。

「コバヤシ君、塩も胡椒と同じ位でいいかな?」

「いえ、これの7倍くらいください」

「…結構買うね!分かった」

そう言うと、マヤさんは店主に話しかけた。

「親父さん!塩をこの胡椒の7倍くらい頂戴!」

「はいよ!その量の7倍だと…値段は1400モルだな!」

感覚が麻痺してるのか…ちょっと安く感じるよ。

50mlで200モルって、日本円にしてみると大分ぼったくりだけどな。

日本だと1kgで200円もしないのに…

マヤさんが銀貨1枚と銅貨4枚を渡し、麻袋を受け取った、

「それじゃあ、次はバターとミルクと卵を買いたいです!」

「分かった。私も場所は分からないから、聞きながら探そう!」


■ □ ■ □ ■


「ここだね!コバヤシ君」

店の前にはミルクの入った大きな樽があり、隣の店ではバスケットに入った卵が売っていた。

「これ…鮮度大丈夫なんですかね?」

「ああ!俺はアイテムボックスを持ってるからな。このグラスゴートのミルクの鮮度は俺が保証するぜ!」

俺の声が聞こえていたのか、店主が俺にそう言った。

グラスゴート…ヤギのミルクか。

「ちなみに、お値段は?」

「このバケツ1杯で1400モルだ!わざわざ他の街で搾って、アイテムボックスに入れて持って来たんだからな!」

3L位に見える小さなバケツで1400モルて…、日本よりもずっと高いな。

「あと、バターは売っていませんか?」

「ああ!ちょっと待ちな!」

そう言うと、店主さんはアイテムボックスから、紙で包まれたバターを取り出した

その大きさは日本のバターと同じくらい、つまり大体200gだ。

「これは1つ5400モルだよ!作るのに相当手間がかかるからな」

200gで5400モルって…、日本の10倍近くだよな…

チーズは確か…1Lから約80g作れるってy〇utubeで流れてた。

同じように、1Lのミルクから80gのバターが作れるとして、買ったミルクでバターを作ったとしても材料費1200モル…。

ミルクは自分が売ってるやつを使えばいいし、材料費はそれよりも安いだろう。

バターの作り方…確か遠心分離機に入れて回して、バターチャーンに入れて回して、塩混ぜて水分抜いて型に入れる…銀●匙にそう書いてあった、多分。

面倒だけど…それにしてもちょっと高すぎないか?

「ちょっと値段下げられませんか?」

「値引きには応じないぞ、ちなみにこの街では俺の店でしかミルクとバターは売ってない。どうだ、買うか?」

大分足元見てるな〜……けど、これは押しても駄目なタイプだな、仕方ない。

「牛乳をバケツ1つと、バターも1つ下さい!」

「毎度あり!ミルクを少しまけておくよ」

「ありがとう!じゃあマヤさん、隣の店行きましょうか!」

マヤさんに代金を支払ってもらい、アイテムボックスに入れてもらった。

ちなみに隣の店ではレッドチキン…鶏の卵が1つ100モルで、これも高いけど12個買ったよ。


■ □ ■ □ ■


「次は料理道具を買うんだよね!コバヤシ君?」

「はい!店主さんはこっちって言ってましたよね」

俺はさっきの卵屋の店主に、料理道具を売ってる店の場所を教えてもらった。

「コバヤシ君、あそこにあったよ!じゃあ入ろっか!」

俺たちは、そのお店の中に入っていった。


■ □ ■ □ ■


俺は25センチほどの深型フライパンと、直径15センチほどの深鍋、スープ用木皿と木皿を2つずつとサラダ皿を1つと木のボウルを大小合わせて多めに7つ、そして木のカトラリーを2セットずつと、コップを2つ買った。

カトラリーは俺の分だけ買ってもらうつもりだったのだが、マヤさんが基本黒パンと干し肉とリンゴしか食べず、カトラリーを持っていないことが判明したため、2セット買うことになった。

「ちなみにコバヤシ君、火はどうやってつけるの?」

「「どうやって」って…焚き火で良くないですか?」

「こんなに家が密集した街で一度火事を起こしてごらん、最悪全焼してお縄だよ」

なるほど、禁止されてるんですね。

「じゃあ…みんなどうやって料理してるんですか?」

「僕に聞くなよ…分かるはず無いって」

「もしかしてあんた達…シングルバーナーのことを知らないのか?」

俺の話を聞いていたのか、隣の店の店主が声をかけてきた。

「シングル…バーナー」

確か、キャンプとかでOD缶に付けて使うやつだったけど…この世界じゃ違うものだろうな。

「シングルバーナーは冒険者の必需品だ!これがあれば料理も簡単に出来るし、持ち運びも楽だ!」

「……料理が出来ない人間は…冒険者じゃないって言いたいのかな?」

マヤさんが淡々と、かつ恐ろしい気迫を滲ませながらそう聞いた。

「ちっ…違うんだ、そんな意味じゃなくて…、ただあんた達がシングルバーナーのことを知らなそうだから…」

「そう、それならいい。…それでその「シングルバーナー」はどこで売ってるの?」

「うちで売ってるよ!ちょっと待っててな!」

店主はその言葉を待っていたと言わんばかりに、素早く隣の店に入っていった。

「待たせたな。これがシングルバーナーだ」

そこには、薄い金属の板が5枚重なっていた、1枚だけ丸く、残りの板は四角形だ。大きさは20cm四方ほどで、「組み立て式ミニテーブル」みたいな見た目をしている。

少なくとも、俺の知ってるシングルバーナーからはかけ離れた見た目だった。

「これを…こんなふうに組み立てて使うんだよ」

おじさんは俺の前でシングルバーナーを組み立てた。

丸い板を支えるように、他の4つの四角形の板が、土台として組み立てられている。

その丸い板には、1つの小さな石と、4つの更に小さな石が嵌められている。

「これは…魔石?」

「ああ、火の魔石(小)と火の魔石(極小)を使用していて、火力も申し分ない、それぞれの魔石に火の魔力を込めることで…こんな風に着火できる」

おじさんが手を近づけた魔石から、順番に火が噴き出した。

「魔石に魔力を溜めておけば、魔力を込め続ける必要も無い。魔石に更に魔力を込めれば火力を強くでき、水の魔力を込めれば弱くできるぞ」

「じゃあ、どうやって止めるんですか?」

「それぞれの魔石に、着火の際に使った火の魔力と同じくらいの水の魔力を込めればいい。そうすれば魔力の性質が相殺して、火の魔力の放出が止まるからな」 

火の魔力の放出…こんなサラッと言うってことは、多分誰にでも出来るんだろうな。

「これはいくらですか?」

「一つ11000モルだ。使った魔石と製作費を考えれば、かなり安いぞ」

「マヤさん…これ買ってもいいですか?」

確か…魔石(小)が4000モルで、魔石(極小)が1000モルだから、作るなら魔石だけでも8000モルするよな。

そう考えると、悪くないお値段のように感じる

「うん、魔石の質も悪くないし…魔力も十分貯まってるね」

魔法使いだとそういうのも感じ取れるんだな…羨ましい。

「では、マヤさん…お願いします!」

「分かった。ちょっと待ってね」

マヤさんが金貨1枚と銀貨1枚を渡し、シングルバーナーをアイテムボックスに入れた。

最後に…冒険者ギルド付属の食事処だな。

「コバヤシ君、この市場で何か食べてかない?僕もうお腹減っちゃったよ」

マヤさんにそう言われ、俺たちは市場で見た屋台に向かった


■ □ ■ □ ■


「やっぱり、こういう料理は美味しく感じるよ!」

俺とマヤさんは、屋台で鳩の串焼きと色からして激辛と分かるスープを頼んだ。 

ついさっき買った皿によそってもらい、俺達は料理を食べ始めた。

嫌なものは先に始末と言わんばかりにマヤさんは串焼きを食べ終え、今は激辛スープを美味しそうに食べている。

俺も一口…熱っ!辛っ!けど美味っ!

具材はゴロゴロとした角切りの豚肉?と乱切りのニンジン、ジャガイモだけだったが、辛さの中でもしっかりと、それぞれの具材の旨味を感じた。

特に、豚肉?の旨味はスープにも溶け出して、激辛スープの美味さを引き上げている。

ちなみにお値段は250モルと、この世界のスープにしては高かったよ。まあ胡椒も使っていたし、唐辛子も結構高いだろうしな。

マヤさんの水魔法で皿を洗い、俺たちは市場から離れた。


■ □ ■ □ ■


俺たちは、食事処でビールに似た「エール」という飲み物と林檎酒を頼んだ。

ちなみにエールは一杯180モルで、林檎酒は一杯230モルだった。

「コバヤシ君、これで材料は十分だよね?」

「はい、じゃあ宿屋行きましょうか!」

俺たちは、ダンジョンに入る前日に使った宿屋まで戻っていった。


■ □ ■ □ ■


マヤさんは食事なしで、ベットが2台ある大部屋を借りた。

「疲れたぁ…、じゃあ…腐敗スキル使ってみるか…」

醤油、納豆と豆味噌は…、一晩水に付けないとな。

俺はマヤさんに出してもらったボウルに大豆を入れ、

チーズは…手間的に今日じゃ絶対作れないし、レンネットもないな…

今度哺乳期のヤギ…できれば牛の第四胃…ギアラ手に入れて、ミルク入れるか!

とりあえず、酢とヨーグルトは今すぐでもできるな。

俺木のボウルに林檎酒とエールと牛乳を入れた。

まずは酒が酢になる様子を想像して…

よしっ、出来た!

スープ皿の中の林檎酒とエールが、酸っぱい匂いのする黄金色の液体に変わっていた。

本当はこれを熟成しなきゃいけないらしいけど…、今日はいいや。

ヨーグルトも…今日は使わないな。

「じゃあ、俺料理してきますね」

「私も気になるから、一緒に見に行くよ」

俺とマヤさんは、宿屋の裏庭まで降りていった。


すいません。

書き溜めてはいたものの、存在を忘れていました。

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