アンデット階層、攻略
「どうして無事なの?まあ良かったけど…」
「毒耐性(強)って言うスキルが身についたみたいです。多分…食べた物が胃に入って消化されたら、新しいスキルが手に入るんだと思います」
毒が使えるようになるんじゃなくて…毒耐性を手に入れるとは…。
必ずしも食べた物の持ってる特性とかスキルとかが手に入るって訳じゃ無さそうだな。
「毒耐性(強)って…………僕の持ってるやつの上位互換だよ…」
「あっ…」
「コバヤシ君のこと食べたら、僕の悩み解決するかな…」
「なんてそうなるんですか!?」
ほんとにどうしてそうなるんだよ!?
「まあ…すごく羨ましいよ。毒霧を発散するのも街中じゃできないから、僕結構我慢してるのに…」
マヤさんもストレス溜まってるんだな
「じゃあ、次は僕の毒霧でも食べようか!」
「分かりました…溜まったら教えて下さいね」
「えっ、いいの?流石に冗談のつもりだったんだけど…」
「だって、俺マヤさんより強い毒耐性手に入れたので!」
俺は少し得意になって、そう言った。
「どうしよう、今コバヤシ君のことをすごく蹴りたくなったよ」
「まあまあ落ち着いて、ほら、この毒袋でも食べて」
マヤさんが本気で怒ったのか、俺が膝をついて謝るまで毛布を貸してくれなかったよ。
■ □ ■ □ ■
「おはようございます、マヤさん」
「おはようコバヤシ君。自分から起きるなんて…どうしたの?」
「お腹が空いて…途中で目が覚めちゃいました」
「ちょっと待ってね、今ご飯出すから」
そう言うと、アイテムボックスから干し肉と黒パンを出してくれた。
「じゃあ、次は6階層だね。コバヤシ君、6階層は本気で移動してね!」
マヤさんはリンゴを食べながら、俺にそう言った。
もしかして…料理できない彼女にとって、これが自分へのご褒美なんじゃ…
「どうしたのコバヤシ君?なんでそんな悲しそうな目で僕を見るの!?」
「お金あるのに、なんでもっと美味しいもの買ってかないんですか?」
屋台とかでも、もっと美味しいもの売ってるのに…
「えっと…僕、あんまり料理に興味がないんだよね…」
「えっ、どうしてですか?」
「どこの料理も薄めの野菜スープと黒パンか、硬いお肉を焼いたものだよ。黒パンや炙った干し肉と同。美味しく感じるのはリンゴくらいだよ」
なるほど、今まで美味しい物を食べてこなかったんだな。可哀想に…
「地上に出たら、絶対に美味しい物、食べさせます!」
「待って、なんで泣いてるの?僕なにか悪いことしちゃった!?」
「いや、マヤさんは悪くないです…」
「………、ほんとに変な人だなぁ…」
俺は、ダンジョンを出たらすぐ、マヤさんに美味しいものを食べさせようと決意した。
■ □ ■ □ ■
「あと…2階層ですね」
「うん、じゃあ入ろっか!」
俺たちは紫の壁を通り抜け、6階層へと入っていった。
「また…高く…というか広くなりましたね」
トンネルの横幅、高さは8m程になった。それにこれまでの階層より明るい。
おそらく、オーガより大きい魔物がいるんだと思う。
「じゃあ、空気椅子作ったんで座ってください」
マヤさんに座ってもらい、俺は移動を始めた。
■ □ ■ □ ■
「コバヤシ君、前の階層の時より移動が速いけど大丈夫?疲れない?」
「大丈夫です!とにかく早く抜けましょう!」
俺たちはゴーレムから逃げていた。
俺はゴーレムと戦う前は、そいつらを過小評価していた。
この階層に出てきたガーゴイル、トロール達も俺の考えを後押しした。
ガーゴイルは石で出来た翼のある1m程の魔物で、空を飛んで攻撃してくるが、体は脆くて正直弱い。
トロールは動きがすごく鈍くて頭も悪い、5m位の緑色の巨人で、攻撃も素手で殴ってくるだけだった。
俺は…ゴーレムもトロールと同じで、動きの鈍い巨人みたいな魔物だと思っていた。
ただゴーレムは…身長150cmほどの土人形だった。しかも…地面から急に3-40体くらい湧いて来る!
しかも、そいつら結構早く動くし、体も硬いし、まあまあ体力あるし、攻撃されてから時間が経つとちょっとずつ回復するし、弱ったやつは近づいてきて、文字通り「自爆」してくる。
一撃で相手を仕留めるのが得意な俺はまだ大丈夫だったが…
マヤさんは、なぜかゴーレムと肉弾戦をしていた
「マヤさん!こっちに来て下さい!」
「はぁ…ちょっと疲れた…こうすれば…、よかったんだね」
俺は空気椅子をゴーレムの手が届かないところまで飛ばした。
■ □ ■ □ ■
「コバヤシ君…さっきは助かったよ」
「いえ、俺がゴーレムと戦ってみたいって言ったのが悪かったです…ごめんなさい」
さっき、俺はマヤさんにゴーレムと戦いたいと伝えたんだ。
マヤさんは、ゴーレムに遭ったら逃げに徹するって言ってたけど、俺か戦いたいと言ったばかりに、マヤさんもゴーレムと戦う羽目になった。
「…ゴーレム相手はコバヤシ君の方が一枚上手だったね…。君、僕がいなかったら大きな刃も使えただろうし、ゴーレムたちも倒せてたよ……。僕、先輩なのに足手まといになっちゃったね…」
「このスキルのお陰ですよ。というか、なんでゴーレム相手に肉弾戦してたんですか?」
「だって…ゴーレム相手にナイフは通用しないんだよ…、あいつらの体…石みたいに硬んだよ!」
「ゴーレムってそんなに硬かったんですか…」
「うん、君がおかしいんだよ!ゴーレムをリンゴみたい切って!ダンジョンにおけるゴーレムはね!普通は遭ったら倒すんじゃなくて逃げるべき魔物な…ふふっ」
「えっ…どうしたんですか?」
「いや、君相手に普通を語ってるのが、少し可笑しくなって…」
「俺…まあスキルはおかしいですけど、俺自身は普通の人間ですよ!」
「ふふっ…いや、何でもない、移動、お願いね!」
■ □ ■ □ ■
「ボス部屋、着きましたよ!」
「うん、お疲れ様」
俺は空気椅子を地面に着けた。
「じゃあ…コバヤシくん、戦闘任せていい?」
「はい!任せてください!」
俺は部屋の様子をこっそりと見た。
中には……トロール3体、ガーゴイルが4体と…ゴーレムが…沢山いるな。
まあ、数は関係ないか。
俺はプレッサーでゴーレム達を潰し、ドロップ品を回収した。
■ □ ■ □ ■
「次の階層では、僕も活躍するからね!」
俺たちは、セーフゾーンで食事を取っている。
干し肉と黒パンを食べ終え、マヤさんにリンゴを貰った。
俺は、すぐさまリンゴに齧りつく。
甘い…
異世界に来てから、一度も甘い物を食べてなかったから、リンゴの甘さが身に沁みる…!
「じゃあ…次の階層も頑張ろうね!」
俺たちは食べ終えたリンゴの芯を床に置き、体を休めた。
■ □ ■ □ ■
「じゃあ、7階層頑張ろうか!」
俺はマヤさんに起こされた。
床に置いたはずのリンゴの芯は吸収され、無くなっている。
「ちょっと待って…うん、頑張りましょう!」
俺は伸びをしながらそう言った。
マヤさんに付いていき、俺は紫色の壁を通り抜けた。
■ □ ■ □ ■
「これ…ずいぶんと様相が変わりましたね」
俺の目の前には、広大な墓地が広がっていた。
辺りは暗く、月明かりしか光源が無かった。
あと、空気は少し湿っていて、既にまあまあ臭い。
腐敗した肉と排泄物の臭いを混ぜたような刺激臭がする。
鼻栓…作るの忘れてた。
今から作るか…いや、鼻周りの空気を固定すればいいか!
俺はすぐに鼻周りの空気を固定した
すると、鼻が詰まったように感じ、鼻呼吸ができなくなった。
これで少しは楽になるだろ。
「マヤさん、鼻周りの空気固定しますか?」
「いいの?じゃあ、お願い」
マヤさんの鼻周りの空気も固定し、俺たちは探索を始めた。
ちなみに、マヤさんの指示で、俺たちは歩いて探索することになった。
■ □ ■ □ ■
「あれがゾンビか…、すっごく臭いですね」
遠くにはよく映画やアニメで見たようなゾンビがいた
そのゾンビたちは、手に何かを持っているように見える。
あと、鼻息はしてない…というかできないのに何故か悪臭を感じる上、息をすると喉のあたりがピリピリする。
「じゃあ、ここは僕に任せて!」
そう言うとマヤさんは立ち上がり、ゾンビたちに掌を向けた
何秒か後に、マヤさんの掌が強く輝き、その光を浴びたゾンビたちは即座に倒れた。
「…………、何やったんですか?」
「聖魔法で浄化したんだよ。これ使える人、魔法使いの中でも僅かなんだよ!」
マヤさんは、ドロップ品の魔石を拾いながら俺にそう答えた。
「そんな事もできるんですか…」
マヤさん、こんな服装でもちゃんとした魔法使いなんだよな。
「コバヤシ君、後ろに2体!」
振り向くと、すぐ近くまでゾンビが近づいていた。その手には大きな石が握られている。
「ゾンビが武器使うなよ!」
俺はゾンビの攻撃を避け、距離を取る。
ここは空気の刃で!
「っと…早くね!?」
距離を取ったはずなのに、すぐ側までゾンビが近づいてきた。
「コバヤシ君!足を狙って!」
俺は片手剣でゾンビの太ももを斬りつけた。
しかし、ゾンビは怯まず俺に近づいてくる。
「危ないっ!」
マヤさんがゾンビの腕にナイフを投げて怯ませ、すかさずゾンビたちを浄化した。
「コバヤシ君、ゾンビに斬撃をしても、切り落とさないと意味ないよ。上手くやれば足止めくらいにはなるけど」
「どうしてですか?」
「ゾンビは頭を潰さないと死なないからね、だから「普通」は逃げに徹して、倒す時はまず相手を動けなくするんだ。ただここには僕がいるから、君は自分の身を守ればいいよ!」
「頭を潰す…か。それなら俺にもできますよ」
「あっ…そういえばゴブリンリーダーにそんなことしてたね…………」
「ただ、あいつら結構素早いので…、想像を邪魔されるんです」
「じゃあ、この階層は僕に任せて!」
■ □ ■ □ ■
「あっ、やっと見つけた…けど」
「なんですか?あの矢印」
俺たちは7階層を探索している途中、墓石の上に矢印が彫られているのを見つけた
「あれは色なしだから宝箱だね。探してたのは紫色の矢印だけど…まあいいか」
「……?」
「あの矢印は宝箱のある方向を示しているんだ。無色の矢印は宝箱の方向を、紫色の矢印は階段の方向を示してるんだ」
「ああっ、ここまで歩いてきたのって、それを見逃さないためですか!」
正直なんで歩いているのか分かんなかったんだ。なんか理由あるんだろうと思って聞かなかったけど。
「うん、そうだよ。あと言い忘れてたけど…、このダンジョンでは、ボス部屋の位置も頻繁に変わるから、本当はマップを描きながら進むんだよ!」
道中マヤさんにルートを指示されてたから、てっきり道を覚えているんだと思ってたよ。
その言い方だと…しょっちゅうボス部屋への道も変わる感じだよな…
「これまでの階層では描かなくてよかったんですか?」
「頭に思い浮かべればいい話だよ」
ほんと万能だな…
俺は気を取り直し、矢印の方向を見た。
そこには…大きめの墓石がある。
バーン
「マヤさん…墓石が…」
「あれ、ダンジョンが生み出しただけのものだから大丈夫!」
不謹慎…ではないのか。ってそれより!
「今の音でゾンビとスケルトンが近づいてきましたよ!」
俺たちの周りに、ゾンビと骸骨が沢山集まってきて、囲まれてしまった。
「これどうするんですか!?どう逃げ…」
「………浄化!っと」
マヤさんが掌を上げ、聖魔法を使いながらくるりと体を回した。
「全部…死んだ…」
俺たちを囲うようにドロップが落ちている。
「言ったでしょ、「この階層は僕に任せて」って」
聖魔法…強っ!
「はい…ありがとうございます」
「じゃあ、宝箱見に行こっか!じゃあ、先に歩いてくる…」
「………罠はなさそう!来ていいよ」
俺は、墓石の近くにいるマヤさんに近づいた。
「宝箱、蓋動かしますね」
「じやあ、お願いね」
俺は、焦げてボロボロになって崩れた宝箱の蓋を取り除いた
「…中身は、……なんだこれ?」
古びた分厚い本が4冊あった。題名があるようだか、この世界で見た文字とは異なり、読むことはできなかった。
「これは…魔道書だね!!内容は!?」
マヤさんは、魔道書を順番に手に取り、題名を読んでいった
「魔力効率を上げる方法…、水の生成の際に生じる熱エネルギーを減らすコツ…、爆発魔法の音を抑える技術…、魔力による身体強化…、もう知ってる…興味ないね。けどかなりの値段で売れると思うよ!ダンジョン産の魔導書ってすごく楽で便利だから!」
「ちょっと読んでみて良いですか?」
俺は、置いてある魔導書を一冊手に取った
「コバヤシ君…ダンジョン産の魔導書はね…誰かが開いたらすぐに消えるの。そして開いた人には、本の内容が自動的に身につくようになっているんだ」
「危なっ!」
俺は焦って魔導書を取り落とした
「コバヤシ君、そんな焦らなくても…」
「いえ!危うく魔導書を無駄にするところでしたよ」
「無駄って…ああ、コバヤシ君魔法使えないからね…けど、魔力による身体強化は興味無いの?」
「あっ…身体強化か…」
俺にも魔力はあるけど…使いこなせるかは分からないな。
「まあ、とりあえず僕がしまっておく。ダンジョンから出るまでに考えればいいよ」
「そうですね。お願いします」
「あと、ここで休憩していかない?」
「えっ…魔物とかは大丈夫なんですか?」
俺は、ここまでの道中しょっちゅう魔物に遭遇したことを思い出した。
「さっきの爆発で近くの魔物は全部ここに寄ってきただろうし、そいつらも全部倒したからね」
「言われてみれば…あの数の魔物ですからね」
「もちろん、見張りは立てるよ」
「見張りですか………」
そういえば、5階層で箱型の防御を使ったよな…。
「俺のスキル使えば、見張り立てる必要ないと思います」
「……あっ、確かにそうだね」
「じゃあ、周りに防御…これ結界って呼ぶか…空気の結界張っちゃいますね……はい、張り終わりました!」
俺は、マヤさんに起こされるまでそこで睡眠を取った。
■ □ ■ □ ■
「マヤさん…まだ夜じゃないですか」
「この階層はずっとこんなもんだよ!早く起きて!今日中にダンジョンからは出たいからね!」
「分かりましたよ…ちょっと待ってください」
俺は目をこすり、立ち上がった。
「起きたね、じゃあ、ご飯食べてから探索に行くよ!」
俺たちは干し肉と黒パンを食べ終え、水を飲み、探索に出発した。
■ □ ■ □ ■
出発してから、紫色の矢印を見つけるまで、そう時間はかからなかった。
矢印を見つけてから2回の休憩を経て、俺たちは階段までたどり着いた。
「うん…あそこに階段があるね」
「ただ…なんか変な魔物いますね」
階段を囲むように、剣を持った大きなスケルトンと、人型の…というかほぼ人に見えるが、目がイッてる魔物?がいた。
「あそこにいるのはスケルトンナイトが5体と…グールが5体だね」
「グールって…喰種!?」
俺の知ってるやつと同じだったら、そいつらとは絶対に相手したくない!
けど、喰種にも弱いやつがいたはずだから…
「君が知ってるグールが何なのかは分からないけど…グールは、物理攻撃が全く通用しない、背中から変な硬いやつを出して攻撃してくる、とても素早い魔物だよ。力の強さは…個体差があるけど、基本はDランクの戦士くらいで、そこは脅威じゃない」
「俺の知ってるグールと、そう大差ありませんでした…」
さて…どうしよう…、俺物理攻撃しか出来ないけど…。クイ●ケも持ってないし。
「グールは魔法攻撃で倒すことも出来るんだけど…いかんせん素早いからね…。一番早いやり方は、浄化することだよ!」
「それ、そもそも出来る人が少ないやり方ですよね…」
「ふふっ、まあ魔法は努力と才能次第でなんとでもなる分野だから」
「才能必要なんじゃないですか」
「才能があっても、強くなるのが楽なだけ、無くてもその分だけ努力すればいいんだ!」
「結構…楽しそうな分野ですね」
「っと、気付かれてはないけど…怪しまれてるね。じゃあ…君はここで見てて」
そう言うと、マヤさんは立ち上がり、隠れていた墓石から、階段に向かって近づいていった。
一番近くにいたグールがマヤさんに気付くと、そのグールの腰の辺りから2本の真っ黒な固体が生えてきた。それには光沢があり、金属のようにも見える。
ってか、あれ…赫●じゃね!?けど…なんか知ってるやつと違うな。
赫●を生やしきったグールは、とても素早い動きでマヤさんに殴りかかってきた。
マヤさんが攻撃を避け、グールと距離を取ると同時に、周りの空気が一気に乾燥したように感じる。
すると、マヤさんの前に浮いた水滴が集まり、水の塊が出来た。そこからグールに向かって一気に水が噴射された。
しかし、グールの頭部を狙ったであろう攻撃は当たらなかった。
今あいつ攻撃避けたな…。俺だったら絶対反応出来ないのに。
攻撃を避けたグールはまたもマヤさんに向かって突進し、マヤさんの直ぐ側まで近づいて来た。
「大丈夫!?…そうですね」
マヤさんは近づいてきたグールに強めの爆発魔法を使い、足を傷つけていた。
負傷したグールは、無鉄砲に突進するのを止めて、隙を伺っている。
他のグールやスケルトンナイトも、今のところ加勢する様子は見られない。
「よし…もう大丈夫かな」
そう言うと、マヤさんはグールたちに向けて掌を向け、数秒後には掌が光り輝いた。
スケルトンナイトは光を浴びると即座に骨が崩れ、グールは少しは耐えたものの動けなくなり、すぐに全員が倒れた。
「やっぱり…マヤさんって反則ですよね」
「アンデット相手になら…それは認めるよ。アンデットにとって、聖魔法は天敵とも言える存在だからね!」
「自覚してるんじゃないですか」
「まあ…結構頑張って習得したからね!」
そこは嘘つきたくないって事か…、なんか格好いいな。
「じゃあ、ドロップ品拾おうか!」
ドロップ品は、1mくらいの大きさのグールの赫●(鑑定には背骨と書いてある)が4個と、グールの魔石が3個。そしてスケルトンナイトの剣1本と骨4本と、スケルトンナイトの魔石が3個だった。
■ □ ■ □ ■
俺たちはセーフゾーンの中に入り、マヤさんと祝杯を挙げていた(水で)。
「そういえば、マヤさん、話があり「今度は何が食べたいの?」」
「…………、グールの背骨と、魔導書の端っこです」
「……………、あれ食おうとするなんて…流石だね」
「はい…あと魔導書も、「開いたら効果を失う」のであれば、喰ったら効果失わないまま俺は内容を身につけられると思うんです」
「じゃあ、どの魔法書がいい?やっぱり身体強化?」
「身体強化で試してから、魔力効率の方も食べてみたいです」
「じゃあ、粗末なものですが…お召し上がり下さい」
マヤさんが、茶化すようにそう言ってきた。
「マヤさんも少しは気になってるんじゃないですか?」
「まあ、そうだね。もちろん魔法使いとしては魔導書を傷つけるのはいただけないし、どんなスキルが身につくかもなんとなく想像できるけどね」
俺はマヤさんからグールの背骨と魔導書を受け取った
グールの背骨は、表面はとても硬いけどなぜか柔軟性がある。魔導書は…ただの本だな
「じゃあ、頂きます」
俺はまず、魔導書の端っこに齧り付いた
紙の味だよね、そりゃあ。
俺は魔導書を歯で端っこだけ破き、飲み込んだ
よし、鑑定っと
[名前] 小林敬斗
[年齢] 16
[職業] 冒険者
[レベル] 25
[体力] 188
[魔力] 234
[攻撃力] 186
[防御力] 192
[俊敏性] 224
[スキル] 身体強化、毒耐性(強)、腐敗、嗅覚鮮鋭、悪臭、鑑定、悪食、空気操作
[身体強化の魔導書(ダンジョン産)]
この魔導書を読むと、即座に記入された情報を知り、理解出来る。
一度使用すると、再度使用できなくなる。
成功!
今度これは戦闘で使おう!
次に、俺はグールの背骨の端っこに噛み付いた。
うん、すごい血の匂いがする!
俺は直ぐに噛み砕き、水で流し込んだ。
じゃあ…鑑定!
[名前] 小林敬斗
[年齢] 16
[職業] 冒険者
[レベル] 25
[体力] 188
[魔力] 234
[攻撃力] 186
[防御力] 192
[俊敏性] 224
[スキル] 背骨操作、毒耐性(強)、腐敗、嗅覚鮮鋭、悪臭、鑑定、悪食、空気操作
背骨操作って…まんまだな
俺は、試しに背骨操作というスキルを使ってみた。
パキッ…メキッ…メリメリッ……ビリッ
背中に鋭い痛みを感じ、後ろから変な音が聞こえると共に、何故かセーフゾーンの中が静寂に包まれた。
セーフゾーンの中にいる人が全員俺を見て、警戒心を露わにしている。
その中には自分の得物に手を掛け、構えている人もいる
えっ…まさか、やっちまったかも…
俺は、恐る恐るマヤさんの事を見た。
「マヤさん…」
「すぐに解除して、説明して!」
俺は、すぐさまスキルを解除したが、セーフゾーンの中の混乱は増すばかりだった。
「落ち着、この男の「目」を見る限り、この男は人間だ!冷静になれ!」
その発言を聞き、セーフゾーンの中は落ち着いてきた。
俺は、俺を庇う声のした方向を見た。
そこには、20代前半くらいに見える、エルフの男がいた。
五話です
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。




