6 シルの保護者はゴルです
シルが冒険者になると言い出した。
この間助けて貰った冒険者にいたく心酔して,自分も冒険者になる、と言いだした。魔法医に身体のことは太鼓判を押して貰えたので俺も反対はしないが、本当は商業ギルドに登録する為に王都に来たのに。
シルの家族は商人だ。シルが王都で成功するのを楽しみにしているはずだ。困った。俺だけでも商業ギルドに登録しておこう。後で気が変わるかも知れないし。
「どうして12歳だとギルドに登録できないの!」
シルが怒っている。冒険者ギルドは15歳からでないと登録できないと言う。危ない仕事だからな。
この間の冒険者がシルに見込みがあるなんて、おべっかを使ったのがいけない。こんなに小さくて可愛い女の子に言う言葉とは思えない。彼奴は考無しの馬鹿なのか。
でも、俺はシルには甘い。なんとかしてシルの望みを叶えてあげたい。
「俺が冒険者に成ってシルの後見人になればどうだろうか?」
「其れならば,大丈夫です。お子様を一緒に鍛えるために、皆さん後見人に成られておりますので。」
「だーれがお子様よ‼何処見て言ってんのよ」
「シル。落ち着け。俺と一緒でも良いなら、冒険者になれるけどどうする?」「うん。御願い」
これで俺たちは冒険者になって仕舞った。
この王都の冒険者達は王都の周りを隈なくまわり、魔物や,盗賊、農家の手伝い、商人の護衛、商家の用心棒、王都の掃除等、色んな仕事があるが、危ない仕事以外は稼ぎは悪い。商人とは雲泥の差だ。俺は商人と冒険者の二足のわらじで働こう。
シルの為にいっぱい稼いで、来年は小さな家を買い二人の愛の巣を作るぞ。
と思っている間にシルは一人で魔物を捕ってきてしまった。
これは、なんという大きさだ。イノシシみたいな見た目だが、大きさが熊並みだ。
「シル。これをどうやって運んできたんだ?」
「私が担いできたのよ。当たり前でしょ。一人で行ってきたんだから。」
シルは怪力だった。初めて知った。そう言えば、盗賊も一人で倒してと言っていたが,あれは冗談では無かったのか。
シルの代わりにギルドに持ってきた。
「これは綺麗に倒していますね。でも血抜きが出来ていないので,肉は買い取り出来ませんね。牙と毛皮と、蹄が買い取り対象です。それでよろしいでしょうか?」
初めてにしては凄い稼ぎだ。と皆に褒められた。流石にシルがやったとは言えず其の儘帰って来た。
3000マリになった。肉も買い取れたら今の倍になったという。
これは俺も冒険者ををやった方が良いかもしれない。こんなにお金になるとは。