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3 馬鹿がまたやっかいごとを背負い込んだ

クソゴリラが,頭に芋虫を乗せて歩いてきた。

これは,妖精の幼生じゃあ無いか。結構魔力を吸い取る寄生虫だ。大きくなったらそれなりに手伝いが出来る妖精になるかも知れないが,中には、何も出来ない只の魔力食いになる奴もいる。

厄介者扱いされている寄生虫なのに、ニコニコしながら歩いている。本当に馬鹿なんだから。

絶対名前を付けるなよ。一生無駄飯ぐらいの世話をすることになるぞ。

いざとなったら、私がひねり潰してやるか。


私たちは、王都まで歩いて移動している。飛行竜便もあるがお金がかかるし、何より私は高い所がだめだ。所謂、高所恐怖症だ。小さいときに高いところに置いてきぼりにされた経験がトラウマになってしまった。クソゴリラが私を木に乗せてそのまま忘れて居なくなってしまったからだ。

小さいときは,かっこいいお兄さんだと思っていたけど、あれから此奴の事はクソゴリラと呼んでいる。


「其れ、どうするの?飼うの?」

「いや。誰か欲しい人がいたら,譲ってやるつもりさ。シル、欲しいのか?」

「いるかーっ!」

クソゴリラめ!私の魔力では無理なのを知ってるくせに。

私は、普通の魔力量だが、属性が異常に多い。その為大魔法を使おうとすると威力が落ちる。本当に,何でこんなに属性が有るのか。クソゴリラは光と土だけだから良いけど私は,闇、火、水、風、土、無と、光以外全部ある。闇以外は中級止まりだ。

上級魔法を使うと,他の属性に魔力が少し漏れてしまうからだ。私のような子供は居ない。

先生にも「多ければ良いって言うわけでは無いのだな」と言ってがっかりされたのだ。

私もがっかりだよ。属性検査の時凄く注目されたけど,その後は皆に馬鹿にされた。

いいもん。威力は少ないけど普段使うには便利だから。

今も、野営の準備に活躍している。ゴリラが薪を拾ってきたので、其れで炊き火をするのに、着火する。

料理の時には水を汲んでくる必要はないし、トイレの後は匂いを拡散させる事が出来る。土魔法で穴を掘ることも出来るけど、ゴリラも使えるので、あいつにトイレを作って貰う。


私が一番使うのは闇魔法だ。これは魔力を殆ど使わない。この現象は、不思議だけど私だけらしい。

闇自体,持っている人が少ないらしいので、先生も分からないと言っていた。

無属性もよく使う。私の怪力はこの属性のおかげだが、皆には教えていない。女の子が怪力だとは、チョット言えなかった。後魔力操作も無属性だ。だから私は繊細な魔力操作ができる。ゴリラのような魔力量ごり押しで魔法を使う奴はこう言う細かい事が苦手だ。フン、ざまあ。

でもゴリラが羨ましい。私にも魔力無限があったら色んな大魔法が使えたのに。


「さあ、寝るぞ」ゴリラが呼んでいる。いつもゴリラと一緒に寝ることにしている。ゴリラは体温が高くて暖かいのだ。寝袋には丁度良い。おやすみなさいゴリラ。




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