ブラックホールに消える信用(あじ) ~感謝の逃亡~前編
この小説は 鉄工所に勤めていたある紳士の話である。
小宝和男29歳
小さな工場で働いている。3年目 ものづくりで没頭できることが魅力と思っている。
他の職人たちにも気配りをする若者なぜなら、採用しても1年と続かず退職してしまうが、唯一和男は勤続して社長も期待と信頼を寄せつつある。
そんな日常で鉄鋼の廃品で何か作れないかと日々密かに考えていた和男。
ふと過去のテレビインタビューで一度にとれるちりとりがあるといいなぁーと、言っていたことを思い出す。
仕事の合間や昼休み朝少し出勤しジーと廃品とにらめっこが続く。
そして、試行錯誤した一つの試作品が完成する。
和男「ばっちり できたぞぉ」
と思わず声をだしてしまいみんなが集まってきた。
職人「どうした」
和男「ずっと考えてたんだよ、廃品で何か作れないか それで試行錯誤してそう弾力もあって強度もあるちりとり、今じゃ、プラスチック製品が多く割れたりして、耐久性が弱くもろい。だから、こればっちりだよ」。
職人「なるほど・・・・・・・」
和男「まず、知人や、自分たちの家で使ってみようどうだろうか」
どんどん話は膨らみ始める。
職人B「待ってまず、社長に 報告やないかぁ???」
和男「あぁー そうやそれやな言ってくるわこれ持って」
職人「作業続きやろやぁ」
そんなやり取りがきっかけで この有門鉄工所は 変化を遂げていくのである。