表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/10

朝顔の観察日記 CASE.04


昭和I・A

――――――――――――――――――――――――――――――――


7がつ21にち

あめ


7がつ22にち

はれ


7がつ23にち

くもり


7がつ24にち

くもり


7がつ25にち

あめ


7がつ26にち

あめ


7がつ27にち

くもり


7がつ28にち

くもり


7がつ29にち

くもり


7がつ30にち

あめ


7がつ31にち

くもり


8がつ1にち

あめ


8がつ2にち

はれ


8がつ3にち

あめ


8がつ4にち

はれ


8がつ5にち

くもり


 ……以降8月31日迄続いたが、ここに書くのは割愛する。


――――――――――――――――――――――――――――――――




 この頃はまだ家庭にパソコンもインターネットも無い時代。


 新聞も誰の何の為にか昨今は八月三十一日の朝刊に載せている夏休み中の全天気も、この頃はまだ無かった。



 故にこの生徒の天気は信用に値するかのように見えるが、他の生徒の天気と微妙にズレていた事でこれがズルだと発覚した。


 都道府県という大まかな天気と市町村単位の地域とでは微妙な天気の誤差が生じるものである。




 しかし、これに注目すべきはソコではない。


 この観察日記には朝顔の事が一切書かれていないのだ。




 ここまでやるなら最初からキチンとやれば良いものを、新聞の天気を写す事だけなら数日遅れても新聞が残っていれば出来る。


 これは、遊ぶ事を前提に考え恐らくは親にもやっている風に見せかける事に重きを置いていたと分かる。



 結果、その後もこの生徒は見せかけにばかり拘り本質を伴わない行為に走るが、周りには恵まれていた。


 自身を認めてくれない社会に背を向けるより自身を認めてくれる場所ばかりを転々と歩み出した事で、一様を成している。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ