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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

死なない少女(プロローグ)

作者: しょん

 首都ベルゼン――。

 東には他の大陸を結ぶ重要な航路となる港があり、南西から都市を貫くように大河が流れている。西と南には肥沃な平原が広がり畜産や農業が栄え、さらに北の山々からは良質な鉄がとれる。

人々が歴史として残る前の遥か昔から、この魅力のある恵まれた地に多くの人々が集まりここに国を作り繁栄してきた。


そして今の国が建国する遥か昔から存在し、ここに囚われ続けている存在。この地の歴史と並行するように行われてきた世にも珍しい見世物もこの都市の魅力であった。


『悪魔』『堕天使』あるいは『神』と呼ぶ異端者も存在する。

その存在を一目見ようと今日も多くの観光客、旅人、市民が集まり、宮殿の目の前の広場に現れた。

いつものように日が登り始めた早朝に宮殿の奥から

手枷で両手を固定され、足は鎖で半歩ほどしか広げられないようにされており、頑丈な鉄でできた首輪から6本の鎖が伸びそれぞれ、筋肉隆々の大の男6人で前後3人づつ囲むその存在が見えてきた。


その中央に存在する連行された存在、それはボロボロで血まみれの布を身にまとった、12歳ぐらいの少女だ。

目は虚ろで無表情、男たちに連れていかれるのは周りによく見えるように大人二人分ほどの高さがある足場が設置。レバーを引くと床が開き、下に落ちるようになっている。


上には首吊り用のロープがある。少女は首輪を外され首吊り用のロープに首をかけられる。

少女は抵抗する様子もなくロープを首にかけられる。

そして躊躇なくレーバーが引かれる。


ロープが首を絞め普通の人間なら窒息、いやそれ以前に首の骨が折れすぐに絶命する。


公開処刑であればこれで終わりである。しかしこれでは終わらない。


見物客は宮殿の奥から出てくるもの見て息を飲む。


火をかけられた大きな鉄窯がゆっくり運ばれてくる。鉄窯の中には煮えたぎった油がたっぷり入っており、少女の真下に配置された。


さらにロープをゆっくり下げられていき少女をゆっくり油の中にいれていく。足が油についた瞬間少女はビクンと足を上にあげるしぐさを見せた。未だ少女は生きているということである。

しかしそれでもロープは下げられていくため少女はそれ以上の抵抗をやめた。

フライを揚げたときのような音が鳴り響き、頭の先まで油の中に投入される。


肌、肉や骨が焼きあがり周囲に異臭を放つ。

そして、このまま窯の下の火が消えて油が冷めるまで放置される。


――冷めた頃合いを見て、少女は首にはめられた首吊りロープによって引き上げられる。

頭を出した瞬間ゲホッゲホッと体内に入ったであろう油を吐き出す少女。

油まみれになりギトギトになった以外に少女に目立った変化はない。


「ば、化け物だ!」

見物客の一人が怯え石を少女にめがけて投げる。

石が頭に当たると少女の頭から赤い血が流れる。

それを見た他の見物客や面白がる市民も混ざり多くの石が少女めがけて飛んでいく


それは日が落ちるまで続けられた。

日が落ちると少女を連行してきた男の一人が血とあざだらけになった少女の首を斬り落とし

頭と胴体を檻の中に入れ、宮殿の奥に運ばれていく。首と胴体が離れてもどういうわけか再生し

次の日には同じ時間に道と胴体がつながった少女が前日と同じ姿で宮殿の前に連れてこられる。


この見世物は日によって様々なことを行う、時には火で燃やし、時には獣に食わせ、時には犯す。


この少女がいつ生まれ、なぜ存在するのか、知る者はいない。

分かっていることは二つ。この国が存在する遥か昔から途切れることなく行われているということ。

続ける少女の力を恐れ、力を蓄えないようにするため日々拷問を加えて消耗させていると伝えられる

ということのみである。


少女は終わりなき拷問の日々を受け続けるのである。

人間という生き物がこの世界から滅び去るまで――。

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