プロローグ (終)
残り時間が1時間を切ってしまった!
ヤバい!このままでは戦えない勇者が完成である。スキルの「仲間成長」とかもはやヒモ前提のスキルだよ!おいどうすんだよ!もうどうだって…よくないよ!?場合によっちゃ死んじゃうよ!?なんとか見つけなきゃ!
てかマジでヤバい何も見つからない…「残り時間10分です〜みなさんもうそろそろ準備してくださいねー」準備って何!?あっ女神付近にボールが…これ僕が最初に見つけたやつじゃん何が「HA☆ZU☆RE」だよ腹立つよ!マジで!あー時間が〜とトモキ君と一緒に探していたら奥からセイギ君が大慌てで走ってきた!まさか!?そのまさかなのか!?
「あった!あったよ!向こうだ向こうのアトラクションの中にあったよ急いで時間がない!」
「わ、分かった!トモキ君残り時間短いけど離れるね!」
「分かった!この時間だと次はあの空間だな」
「この数時間ありがとう!本当に助かったよ!」
「この借りは高く付くぞ。ククク」
「ほら、何話してるんですか!時間がないですよ!」
「今行くよ!」
そう言って僕とセイギは走り出した。
お、S+スキル発見って後ろから聞こえたのは気のせいだと思う…
残り30秒ってなったところでなんとか某S+スキルを手に入れることができた。喜んでいる内に転移が始まった。
パッと光ったと思ったら真っ白な空間でルクスがまた座っていた。
「お疲れ様でした。みなさん、良いスキルは手に入れることはできましたか?もしも手に入れることができなくても努力次第でスキルは取得することができるので頑張ってください。さて、次はようやく転移です。この場所ではほとんど時間が止まっているようなものなので向こうで召喚して5時間以上何も変化無しというわけではありません。では私は召喚される場所に繋げる準備をしますので暫くお待ち下さい。この空間で約10分後には転移の準備が出来ると思います。では、また10分後」
そう言ってルクスは立ち去って…消えた!?
すごいなー腐ってもタイってやつかな?そう言えば残り10分でS+スキルが手に入ったとか言っていたトモキの話を聞いてみるか。
「ねえトモキ君、なんか僕らが走り出した直後くらいにS+スキルを見つけたって聞こえたんだけどどんなスキル?」
「そうだな、まあ教えてもいいか聞いて驚け見て笑えこれが俺の唯一のS+スキルだ!」
そうして鑑定で出てきたスキルは「ゼロ」名前は微妙な感じだがスキル内容がエグい。このスキル特定の相手のスキルを1分間使えなくするというスキルだ。リキャストタイムに1時間要求するらしいがそれでも1分間相手のスキルを使えなくする効果は強い流石はS+スキルだ。
「滅茶苦茶エグいスキルだな。1対1の対戦なら連戦じゃない限り負けないんじゃないか?」
「そうかもな!」
トモキは物凄いドヤ顔である。
「そっちのS+スキルは結局なんだったんだ?」
あ、そう言えばまだ確認してなかった。
えっと「魔導の極意」え、強くない?2重詠唱に火、水、風、土、光、闇、雷に氷も使える。さらに設置型の時間差で魔法を使えるものまであるのか!さらに魔攻、魔防、MP回復速度上昇にMPアップ!これは期待が出来そうだ!これだよこれ!チートってやっぱりこういう感じじゃないと!
「えっとねー「魔導の極意」っていうスキルでユニークの魔法を除く全属性の魔法が使える素晴らしいスキルだったよ!」
「おおー凄いな!しかしそんな簡単に喋ったりして良かったのか?人のこと言えないがスキルの情報って大事だと思うぞ?」
「確かにそうですね。ないとは思いますがこの中に実は自分たちを狙っている人がいるかもしれないというくらいの警戒ぐらいはしておくべきだと思いますよ」
「あー確かに警戒はした方が良いのかな?でもみんないい人だしそんなに気にすることも無いと思ったんだけど」
「いや、セイギの言う通りだ。人をあんまり信じすぎるのもよくない。世の中何を考えてるかわからないやつも多いしな。多少は疑い、警戒しとくべきだと思うぞ。召喚先が胡散臭いところだった場合に信じてしまい、最終的に使い潰されたとかシャレにならんしな」
「な、なるほど。ちょっと考えが浅はかだったよ。気をつける」
「そうした方が良いですよ」
「こんな話した直後ですけど「聖剣」のスキル効果はなんだったんですか?」
みんなから注意されたのに全く反省していないのだろうか?とか思った?いやだなー反省はしてますよ?次に活かせていないだけで…ちゃんと活かします…
「…話聞いてました?まあ良いです実際には君が持つはずだったかもしれないスキルだしね。これは…剣をライトセーバーにしてスターバースト…冗談だからそんな目で見ないでくれるかな?ごほん、えっと剣術(極)に剣を持っている時の全ステータス補正、さらにどんな剣を持ってもその剣は聖剣となる。手放すと元に戻るそうだ」
…強い…強すぎるこれでSSじゃないとかSSスキルって一体どんなものだったのだろうか。しかし無いものは仕方ないので考えるのを止めた。
スキルの話をしているとまたルクスが現れ
「準備できました。では転移させますね。」
そう言って手をかざした。パッとまた光ったと思ったらもう別の場所にいた。一体準備とはなんだったのだろうか…
おっと目の前に小太りの偉そうにしているおっさんがいるこの人が召喚者か?
「私の召喚に応じてもらい感謝する。私はタミマル=ルークシアと申す。君たちには最近活動が活発になっている魔物の原因となる魔王を討伐してほしい。成功したら謝礼はいくらでも払おう。我が国の民のため、お願いできないだろうか」
なんか見た目は偉そうな感じだが言ってることは割と普通に感じる。よっぽどラノベに出てくる嫌な王様とかよりはマシだと思う。民のために頭をさげる王様、協力したいな〜。
「えっと、頭をお上げください。私はセイギ、セイギ イチノセと申します。話はわかりました。私達にお任せください!」
あっ、ちゃっかり僕らも協力するようにしてる。まあ僕は構わないんだけど。
「おい、そんなことより、召喚したなら送還もできるよな?」
トモキ君が割と大事なことを聞いている。
「おい、貴様!王になんという口を聞いているのだ!」
「いや構わない…すまない。送還の方法は知らされていないんだ。しかしこちらで快適に過ごせるよう援助はするつもりだ」
根本的な解決になっていない気がする…そしてラノベによくある帰れない設定だ。トモキ君も不機嫌そうだ。
「ちっ、セイギが了承しちまったからその依頼は受けるが魔王討伐までには送還の方法探しておけよ」
「分かった。なんとかしてみよう。もしダメなら私の首でもなんでも持って行くが良いさ」
「王!?なんてことを言うんですか!?そんなこと許されるはずが無いでしょう!」
「良いのだ。これはケジメだ。出来るかどうかわからないことに対する担保のようなものだ。期限は魔王を倒すまで。報酬とは別に勇者を帰還させる方法を探す。それだけだ、文句は言わせんぞ」
「しかし…わかりました」
王とのやり取りで兵士が折れたようだ。
「まあお主達も召喚されてすぐに行動せよとは言わんまずは食事でもしようじゃないか」
ニッと笑いながらそう言うと食堂に案内され、軽く食事を取り、その後は部屋に案内された。
「ようやく異世界の生活が始まったな〜。しかしちゃんと依頼こなせるかな?」
「そうだな。まあ適当にレベル上げて魔王ボコリに行くだけだろ?何とでもなるさ」
「そうだと良いですね。僕はもう明日この城を出て個別で行動しますがよろしいですか?」
「許可を、取る必要なんてねえよ。ちょっと名残惜しいがセイギが決めたことなら俺たちは拒まねえよ。まあ個人的にはみんなといたいがな」
そんな話をしながら3人は別々のベッドで眠りについた。
==========side 女神==========
さて宝探しはうまくいったでしょうか?
えーとうわー結構レアなところ持ってかれてますね。まあ大丈夫でしょう。今回のスキルはS+スキル3つにSSスキルもですか、これは今回中々面白いことになりそうですね。ちょくちょく覗き見ますかね。
==========side out==========
やっと異世界行けました〜