エピローグ
小説を書いてみたくて、投稿しました。
自分としてはゲームをしている感覚で書いてます。
読んで下さった皆さんが、「読んだことあるような・・でも
なんか今までのと少し違うぞ」と感じて頂ければと思っています。
書いているときは、拙いながらも言葉が次から次へと出てくるのが
楽しいですね。主人公を始めとするキャラクター達が読者の皆さんの
心に刺さるような作品になれば、うれしいです。よろしくお願いします。
エピローグ
少年は森の中を彷徨っていた・・。
迷子になったらしい。行けども行けども森の風景は変わることなく少年の心を不安にさせる。
「ここはどこなんだ・・・?。このまま夜になって置いていかれたら・・。」
そう思えば思うほど、少年は心細くなり、泣きたくなるがとにかく歩いて馬車のところまで
戻るしかない。だが、その時少年の不安を恐怖に変えるものが目の前に現れた。
ガウゥゥ・・。
どうみても凶暴に見える獣が少年に気づいたらしく少しずつ近づいてきた。
少年は、怖さのあまり、動くことができずガクガクと膝が震えていた。
(このままじゃ、食べられる・・パパ~、ママ~助けて!!)と心で思うも声も出ない。
獣は勝ち誇ったかのように、距離を詰めてあと1m位のところまでやってきた。
よく見ると狼のような、けど牙の形が違うようなもっと凶暴なような気がするその獣
は口を大きくあけて「うぉお~!」と吠えた。
(もうだめだ・・・)と少年が思ったその時。
バキューン!!
1発の銃声がなったかと思うと、ドサッとした音と共に、その獣は崩れ落ちた。
どうやら眉間に当たったみたいだ。顔から血を流して即死したようだ。
少年はふと我に返って後ろを見た。そこには背の高い、細身だが精悍な顔つきをした
男が銃を構えて立っていた。少年は彼に近づいてお礼をいった。
「ありがとう」
しかし、男の最初の言葉は厳しいものだった。
「お前みたいなガキがこんなところをブラブラあるいてんじゃねえよ!この森には、たいした
ことはないとはいえ、お前みたいな坊主なんか一撃で食い殺すこんな獣がうろうろしてんだ。
親も全くどうかしてるぜ。そんなところに子供一人置いて行くなんてな。もしかしてお前
捨てられたのか?」少年は首を激しく横に振りながら言い返す。
「違うよ!僕が勝手に馬車の荷台に隠れて一緒に乗ってきただけなんだ。壁の向こうが
どうなっているか、生まれてから一度も出たことないもんだから・・・・。でもこんなに
怖いところだとは思わなかったんだ・・。虫を追いかけているうちに道に迷っちゃって・・。」
男はたいして興味もなさそうにその話を聞いていたがこう言った。
「お前の言ってる馬車はこの道を真っすぐ歩けば1~2分位のところに置いてあったぞ。
迷ったといっても大した距離じゃない。森の中は初めてだろうから、みんな同じように
見えるんだろうな。もう森にでようなんて2度と思わないことだ。どうしても出たかったら
自分を鍛えて、一端の男になってから出てくることだな。」
「おじさんは、その男なの?」
「おじさんじゃねえよ!年寄り扱いするな。俺はまだ25歳だ。青年といったところだ。
おれは所用があって、このあたりを散策している。お前はとっとと馬車に戻れ。また獣に
今度こそ食い殺されるぞ。」
「わかった。いそいで帰るよ。ありがとうおじさん!」
「おじさんじゃねえよ!お前も撃ち殺すぞ!」
「ごめん、かっこいいお兄さん!!また会おうね!」
「わかってんなら許してやる。気をつけろよ」そういうと男は走って馬車とは反対方向へ
向かっていった。
(せっかくだから名前聞いておけばよかったかな・・?けどあのおじさん・・じゃなかった
お兄さんとは、どこかでまた会える気がする・・・。その時には僕も一端の男になって
一緒に戦えるようになりたいな・・・。)
走りながら、その少年、ラージュは馬車に向かって走って行った。幸い馬車には父達は帰って
来ていないみたいだ。ラージュは馬車の後ろの荷物置き場に隠れることにした。
しかし、帰り父にみつかり、ものすごく怒られてしまった。
(あの人の言うとおり、子供がいくところじゃないんだな・・。)
泣きべそ顔になりながらラージュは、森の出るときのために自分を鍛えることになる。
いつかあの男と一緒に戦う日を夢見ながら・・。