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彼の目的  作者: 現地住民
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親切なクラスメート

 いつの時代も乙女の悩みは尽きない。私、風見結衣もそんな悩める乙女の一人だ。「……自分で乙女って」とか言わないでね。

 もちろん、尽きない乙女の悩みというやつは、細かくもたくさんあるから尽きないもので。悩みはひとつではないのだ。


 髪の毛の量が多くてセットしづらいこととか。太ってしまうとわかっているのに甘い誘惑に負けてしまうこととか。あ、しょっぱいのとかもかな。あ、脂っこいものも……。あーゴホンゲフン……失礼。あとは、最近ちょっと頬がふっくらしてきた事とか。制服のスカート丈を切ってしまいたいけど親にばれたら怒られちゃうからどうしようとか。でもたくさん折るとプリーツが乱れてかわいくないし、スカート丈もガタガタになっちゃうし、第一ウエストが苦しくなるのも悩みどころなのだ。他にも、来月の冬休みの年末年始のセールのために、そろそろバイト探さなくちゃいけないとか。もう、言い出したらきりがないのが乙女の悩みである。

 たくさんある悩みは、生産と出荷の比率があっていなくてどんどん悩みが出荷される。そのわりに出荷という名の解決にはなかなか至ってくれない。もう、在庫がたまりすぎて困ってしまう。


 たくさんたくさんある悩み。それでも、私の今一番の悩みはここ数年間はずっと不動のままだった。



「ねえね、風見さん。くちびるのここ、血ィでてるよ」


 「え?」と口から戸惑いの言葉をこぼしながら、私は反射的に唇の辺りに手を当てようとした。すると、指摘をしてくれた男の子はその手が唇に当たるより先に、ポケットに入れていたらしいティッシュを私の手に押し付けた。


「触らない方がいいよ。これ当てときな」

「あ……ありがと」


 きっと今、私の顔は真っ赤になっていることだろう。唇ががさがさな上に、たらり血させているところを男の子に指摘されるなんて。

 乾燥してることには気付いていたけど、まさか唇が切れていたことには気付かなかった。いつもなら気付くのにと思いながら、恥ずかしくて顔を俯ける。男の子は対して気にした様子もなく、「いいよ」といって廊下に向かって教室の扉をくぐり抜けていった。

 もう、本当に恥ずかしくて。それでも、親切に教えてくれた男の子の後姿を追いかける。

 真野拓真くん。爽やかでいつも笑顔が印象的なクラスメート。クラスでも人気者で優しい彼ならば、今みたいに他の人が積極的に指摘しないようなことを教えてくれることは不思議なことではなかった。

 それでも、自分の数年間にもわたるコンプレックスを指摘されることは、親切を感謝する以上の気持ちで羞恥心を感じることである。



 私の悩みは唇がとても乾燥しやすいことだ。


 初めて気にし始めたのは、小学校の高学年に上がる頃だったろうか。唇が乾燥してガサガサになると、ついつい唇の皮をペリペリ剥がしてしまって、よくお母さんに怒られていた。まだあの頃はお洒落とか見映えにあまり興味はなかったから余計にだ。血が出て痛かったけど、唇に余分なものが付いている感覚が嫌で、それをなかなかやめることができなかった。あの気持ちは、かさぶたを剥がしてしまう心境と同じだと思う。それを取り除けたときの爽快感といったらない。


 中学校に入学すると、周りの子がお洒落に興味を持ち始めたので、自然と私もそういったことに興味をもっていった。

 それと同時に唇の皮を剥くのでなく、リップクリームを塗り始めた。元々、お母さんが私にリップクリームを買っておいてくれていたのに、私はそれを全く使っていなかったのだ。友達がリップクリームをこまめにつけている仕草がどことなく大人っぽくて、私もようやくリップクリームを塗るようになった。


 けど、それは長続きしなかった。リップクリームを塗っても効果が感じられなかったのだ。他の子よりこまめに塗るようにしていたこともあったけど、それでもほとんど効き目が感じられなくて、違う種類のリップクリームを使ってみたりしてもだめで、結局高校生になった今までずるずると来てしまった。


 ドラッグストアに売っているものはほとんど全て制覇した。新商品が出るたびに必ずチェックして購入している。それでも私に合うリップクリームとは出会えない。


 男の子はこんなガサガサな唇をした私を女子力低いとか思うんだろうか。……思う人も中にはいるはずだ。それこそ同性なら余計に見ているだろうし。これでも一生懸命頑張ってるんです!あれやってこれやってそれやって、思いつく限りの努力はしてみたんです!自分なりに頑張ったんだけど、それでもダメなんです!……なんて、心の中で言い訳なんかしてみる。そんなことに意味はないことは、もちろんわかっているんだけど。





 "たらり血事件"のあとから、不思議なことがあった。親切なクラスメート、真野拓真くんが私に話しかけてくれるようになったのだ。しかも、主に唇のことで。おかしな弁解だが決して、いつもいつもたらり血をしているわけではない。断じてない。流石の私でも、たらり血は珍しいことなのだ。


 真野くんは私を見るたびに、あのたらり血のことを思い出すらしい。わたし=たらり血のクラスメート。……不名誉な覚えられ方である。


 「くちびる乾燥しやすいの?」から始まった。目が合うごとに唇の心配をされる。「僕の姉さんも結構乾燥ひどいらしくって、気になっちゃった」と言っていたから、きっとその言葉の通りの理由だろう。「くちびる舐めると乾燥しやすくなっちゃうらしいよ」とか「無意識にくちびる噛んじゃってるのかも」とか。ついには、お勧めのリップクリームまで紹介してくれるようになった。


「お勧めはあるけど、人によって成分に相性とかあるらしいよ。だから、あきらめずに色んな種類の試せば風見さんにぴったりのリップクリーム見つかると思う」


 今まではドラッグストアに陳列されているクリームしか使ったことはなかったけど、真野くん情報だと、ドラッグストアとかのクリームのほとんどは敏感肌に良くない余分な成分が入っていて、敏感な人は大抵そういうのに反応してしまうんだって。だから、ナチュラル志向のコスメショップとかオーガニック取り扱っている専門ショップのクリームの方が過敏なお肌に優しくていいかも、とのこと。それでもダメなら、医者が処方してくれる専用のリップクリームに頼った方がいいって事だった。

 けど、お医者さんに処方してもらうなんてなんかの大事だなってイメージで病気っぽくてちょっと嫌だと思ったし、おしゃれに憧れる私としてはなんとなく味気ないイメージがして前向きになれなかった。そんな見栄っ張りで、生意気にもおしゃれしたいと思う私の気持ちを察してくれた真野くんは、もう少しお店の探してみてダメだったときの最終手段にすればいいと言ってくれた。



 男の子がリップクリームとか唇の事に詳しいなんて変な子だなと思ったりもした。同い年の男の子に美容について教わるのもなんだかどうなんだろう?なんて考えもしたけど、私は的確な真野くんのアドバイスをありがたく頂戴していた。


 真野くんはいつも笑顔だ。それにやっぱり親切で優しい。「姉さんもすっかり風見さんのこと覚えちゃって、またお勧めのクリーム教えてもらっちゃった」とかいって。なんて言えばいいのか。多分、真野くん本人も楽しそうにしてくれるから、与えられてばかりなのに私は素直に彼に甘えられるのだと思う。

 友達の中に私と同じくらい唇の乾燥に悩んでいる子はいなかった。たまに友達にその悩みを話してみてもあまりちゃんと相談に乗ってもらえなかったし、こちらもそうとわかっていると話題に出しづらくなる。悩んでいない子からしたら共感しにくかったのかもしれない。けど真野くんは自分の悩みではないのに、とても親身になってアドバイスしてくれた。ずっとずっと悩んでいたことに一緒に悩んでくれる真野くんを、私が好きになってしまうのは不思議なことではなかったと思う。




 だんだんと唇の乾燥が気にならなくなっていった。真野くんは「もうちょっと効果が長続きするやつあればいいのに」と言っていたけど、全然効果がなかったり、良くて1時間くらいで乾燥してしまう状況だったことからすれば、ずっと嬉しいことだ。

 私は油分の多い緩めのものよりもこってりとした固めのクリームと相性がいいみたい。スティック状の固めのクリームを、マッサージするように唇に厚く塗りこむといい具合にしっとりと馴染んでくるのだ。


 唇は他の肌と違って汗がでない。肌というのは汗をかくことで血行をよくしたり体温調節したり潤いをある程度保つことができるそうだけど、汗をかかない唇はそもそもが乾燥しやすい部分なのだそう。だから、乾燥対策と共に唇の血行をよくできるように、マッサージをしたり、蜂蜜パックをしてみたり、蜂蜜やオイルに塩を混ぜたりしたものでマッサージしたりすると、唇の皮が柔らかくなってくれて、乾燥も大分軽減されるらしい。古い角質も除去できるとか……そこらへんはあまりよくわからなかった。なんにせよ、唇の乾燥を良くしてくれるって事だ。

 真野くんは「素人知識だけどね」なんていって謙遜していたけど、これだけ知っているだけでも十分すごいと私は思う。美魔女のようである。




「あのね、真野くん。ちょっと言っておきたいことがあって……」


 その日、私は思い切って話を切り出した。


「なに?そんな改まって」

「うん……その、ね?真野くんにはとっても感謝しているの。ずっと乾燥のこと悩んでて、それがここまで良くなったのは全部真野くんのおかげって思ってる。すごく今更なんだけど、でもちゃんとお礼言いたいなって思ってて」

「……え、ちょ、そんな改まって礼とか、別にいいよ!大体、風見さん本人が一番頑張ったわけでさ。僕はちょっと助けただけだし」

「ううん!そんなことない!私はそれでもすごく嬉しかったから」



 中学に上がる頃にはまわりの友達はちょっとずつ身だしなみを気にするようになった。

 制服のスカートを短くしたり、ほんのちょっと髪の毛を染めたり、セーターやカーディガンを可愛いのきたり、ほんのり色つきのリップをつけたり、制汗剤をあえて香りつきのを使ったり、違うグループの子の中にはお化粧してくる子もいた。それは校則違反だけど。

 そんな中で、唇をぷるぷるに柔らかくしておくことなんて、みんなにとってはまるで当たり前のことのように出来ていることだったし、ひとりだけがさがさの唇だった私は、それが恥ずかしくていつも唇を手で隠すようになっていた。今思えば、少し自意識過剰だった気がしなくもないけど。


 高校生になってもやっぱり周りの子はみんなぷるぷるの唇で。「何もしてない」なんていっている子の唇がふにっと柔らかなことに嫉妬したことだってあった。ずっと恥ずかしく思って悩んでいたところで、真野くんが相談に乗ってくれた。私の気持ちを考えた上でアドバイスしてくれた。

 この本当に嬉しかった気持ちのほんの少しでも私は真野くんに伝えたかった。



「本当に、ありがとう!」


 これ以上は何も言わせないつもりで、私はきっぱりとお礼を言った。真野くんは一瞬、真顔で目を見開いたけど、すぐにいつもの笑顔になって、そして「どういたしまして」といった。ただいつもと違ってちょっとだけ照れくさそうに目元を赤らめている姿を見て、今更だけど、改まっちゃって照れくさいけど、それでも言ってよかったと思った。


「でも、まだ終わりじゃないよ?」


 ふと、何かを思い出したようにそういうと、真野くんは探るように私を見ていた。


「次は、色つきの口紅とかグロスに挑戦してみよう、ね?」



 提案してくれた後にすぐ気付いた。彼は私がお化粧することを憧れていることを察していたのだ。そんなつもりはなかったけど、いつだったかクラスのおしゃれ好きな金田さんがその日につけていたグロスの色が似合ってて羨ましくて、ついつい真野くんに「金田さんの今日のグロス可愛いかった」とか話してしまったのだ。……もしかして、結果的に催促しちゃったことになる?


 真野くんはいつもの笑顔だ。今、「また一緒に探してみよう」と話す彼の言葉は私には嘘には感じられなかった。お節介っぽくもなく、ワザとらしいものなんかじゃなく、親身に相談に乗ってくれる真野くんはきっと他のどんなときでも何をするにも、自分なりに楽しめる人なんじゃないかなと、私は思った。






 真野くんはお姉さんに借りてきたと言って、少しずつ、いろんなグロスや口紅を持ってきてくれた。正直、そこまでしてもらうわけにはいかないと断ろうと思った。しかし真野くんは、時に笑顔のまま強引な人だった。最初のうちは「そこまでしてもらうなんて悪い」とか「これはお姉さんのものなんだし」と言っては断ろうとしたが、真野くんはそれらの言葉をすべて聞き流しては化粧品を私に試させ続けた。「化粧品同士にも相性ってあるみたいだね」なんてわかるほど持ってきてくれた頃には、流石に私も諦めて何も言わなくなった。ただ、ありがとうと感謝することだけは忘れないようにしようと決めたのだ。

 真野くんが、まるで自分が望んで私に合うリップを捜してくれているみたいにするのがいけない、と私は思う。



「……といっても、お世話になりすぎて申し訳ないよ!」

「別に気にしないでいいのに」


 真野くんはいつも通り、お姉さんお勧めのリップグロスを私に差し出す。

 日によって肌にも調子の良し悪しがあるけど、だんだん自分に合うリップがある程度見つかるようになってきた。

 受け取り、私は真野くんと探してやっと出会えたマイリップクリームをたっぷり塗りつけて、その上からグロスを重ねた。もう慣れたものだ。肌荒れを繰り返し過ぎるのも良くないことらしく、大切なことはこまめに、地道に、である。

 さすがにこんなことを毎回教室で行うわけにはいかず、私たちは昼休みを利用して空き教室に来ていた。


 真野くんはいつもいつも「気にしなくていい」というが無理な話だ。私は最終的にはその言葉に流されてしまうけど、ここまでしてもらって、言葉でありがとうというばかりでなにもお礼できないというのは、真野くんに対しても真野くんのお姉さんに対しても、何よりも私の気持ち的にもよろしくない。



「やっぱり心苦しいし、何かお礼したいな……ダメ?」


 真野くんの人の良さや面倒見の良さに私はもうしばらくお世話になる予定だ。ギブ&テイクという意味ではなく、純粋に感謝したい私の気持ちをぜひとも尊重して欲しい。

 そういう願いをこめて真野くんを見ると、うっと唸る。これはおされ気味。もう一声で真野くんは折れてくれそう。


「ご飯おごるんでもいいし、他にほしいもの何かおごるんでもいいよ!私にできることなら何でもする!」

「……えー……?なんでも?」

「あ、勉強関連は無理だよ。やってもいいけど、成績悪くなるだけだからお勧めしない」


 真野くんは私よりも頭がいいのだ。まあ、言わなくても、真野くんはそんなこと頼まないことはわかっているけど。



「うーん……じゃあ、デートでもする?」

「……へ?」

「いつも僕の姉さんの試すだけだし、実際に店に行って試す方がタダでいろいろ試せるよね」

「……あっ、あー……そういうことね!」



 デートとか言うから一瞬ドキッとしてしまったではないか。真野くんは相変わらずリップアドバイザーの態度を崩していないというのに。下心故の後ろめたさを感じる……。


「っていうか!それじゃあ、お礼にならないよ!」


 むしろ私の買い物に付き合わせるなんて更に申し訳ない気がする。そう思って訴えると、珍しく真野くんの表情が真面目なものとなった。



「そんなことないよ。前から思ってたんだけど、姉さんのリップってちょっと大人向け過ぎるって思ってたんだよね。そりゃ、今は風見さんの唇に合うリップ探してる段階だし、いいもの見つけられてから風見さんにぴったりの色探せばいいって思ってたけど。風見さんにはもっと青っぽいピンクとか、サーモンピンクとかが似合うって思うんだよ。若々しいピンク系ないのって聞いたら姉さんに殴られちゃって。それでもずっと試したいと思ってたんだよ」

「え、そ…そう?」

「うん。でも、一押しはほんのり桜色。これは試さなくてもわかる。絶対似合うから。そう思って、風見さんに試してもらいたい桜色リップは一通りチェック済み。……うん、やっぱり一緒に行って試してみるべきだな。それがいい。そうしよう!ね?!」


 真野くんのテンションが一気に上がった気がして、私はついたじたじしてしまう。真野くんは将来、メイクアップアーティストにでもなりたいんだろうか?そう思ってしまうほど、リップについてアドバイスをくれる真野くんは口数が多くなる。真野くんはピンク押しらしい。私も真野くんがお勧めしてくれるならもちろん挑戦したいと思うけど……。

 何か考え込み始めたらしい真野くんは、口元に手を当てながら私のくちびるを見て何かぶつぶつと呟き始めた。

 その目が妙に鋭くて、……なぜだろう、どこか熱っぽさを感じる視線だ。真野くんはたびたびこんな顔で私を……おもに唇をみつめてくるなぁと思う。好きな男の子にそんな風に見られたら照れてしまうではないか。



「風見さんはまだ化粧っ気ないからな……だからこその初々しさというか。くちびるも安定してぷるぷるキープできているんだからそれを生かしてほんのりピンクの透明グロス。これも絶対だ。幼さの垣間見えるくちびるではにかまれたら……外で会えないな……。ちょっぴり赤みの強いマットな口紅を少なめにつけたらくちびるの中心辺りにつけて……。絶対ヤバイあらゆる意味で抑えきれないむしゃぶりつか……がっつかない自信がない。……いや待てよ?ここであえてのオレンジ系は?快活さの中にも風見さんのくちびる独特の微妙に色気のあるくちびるをほんのり開けて上目遣いされたら……そんな!絶対他の男には見せられない……!どうする?これじゃ『お化粧ってちょっと憧れちゃうなぁ』なんていって羨ましそうにする可愛すぎる風見さんの願いが……僕が我慢するしかないのか?欲に従順な自分が恐ろしい……!ならあえてのベージュ系…いやでもそれじゃ……」


「あ、あの……真野くん?」



 ブツブツととてつもない早口で、且つ小さい声での呟きだったから、言っている内容はわからなかったが、なぜか背筋が寒くなった気がしたので彼を止めることにした。すると真野くんはハッと目を見開いてから、ようやくいつも通りの真野くんに戻った。……よかった。



「ご、ごめん!とにかくさ、いろいろ試せる機会だし、どうせだから、他にもご飯食べたりして遊ぼう。風見さんの休みを僕のために空けてくれればそれで十分なくらいお礼になるから」

「……本当に?そんなことでいいの?」



 重ねて確認すると、真野くんはニッコリ笑って頷いた。これってデート……だよね?真野くんだって言ってたし。


 私は内心、生まれて初めての男の子とのデートに浮かれながらも、真野くんとの約束を打ち合わせた。

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