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いよいよ本題
「だいぶ時間をとってしまった。 本題に入ろう」と、しゅうは口を開いた。
しゅうの話によると、いろいろな角度から調査した結果、しゅうの移動可能な範囲では、影の谷に下りても影響がないのは、この世界の人間だけだということが判明したらしい。
しゅうの家系が、光の花を守る役割にあることもはなしてくれた。
「私がこの世界に来たのは、そういうわけだ。 はっきりとしたことはわからないが、この世界に影響が出ているのも、そのことと何らかの関係があるのだろう」
そう言われて、この世界の色が変わっていることを、ぼくは思い出した。
「推測の域を出ないが、光の花が咲かなくなったことで、光の波長が変わり、この世界にも影響しているのだろう」
「あ、だから色がちがって見えるのか」しゅうは、また意外そうな顔をして、「きみは見かけによらず…」と言いかけた。
「それはもういいよ。 そんなこと、小学生だって知ってるさ。 それより、しゅうの世界では何が起こってるんだ?」
「これ以上の説明は、状況を見てからの方がいいだろう さあ、行こう」
つづく