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やっと決まった
男が発音してくれたものの、ぼくには聞きとれなかった。
かろうじてわかったのは、最初の「しゅう」に似た発音だけだった。
「これしかわからなかったから、呼び方は『しゅう』でいいかな？」
「ああ それでかまわない」
「よし 決まりだ」
「ところで、一つ質問していいかね？」
「なに？」
「きみはさっき、環境省のトップの名前を思いだそうとしていたようだが、私の呼び名を決めるのと何か関係があったのかね？」
「変なとこに食いつくなぁ。 肩書きもないって言うし、それなら、この世界の環境省のトップの名前で呼べばいいと思っただけだよ」
「なるほど。 納得だ」その時、ぼくにわかったことは、男、いや、しゅうは見かけ通りの堅物らしいということだった。
つづく
