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猫の国  作者: ねこじゃ・じぇねこ
EPISODE【4】 帰還
34/35

3.

 目を覚ましてから数日後、復帰してすぐの授業が魔法実技だったのは、とてもテンションが下がる事態だった。けれど、思っていたよりも、皆の進みは遅くて、相変わらずといった感じだった。補講を受ける事になるのも、だいたい同じメンバーなんだろうなって思いながら、わたしはいつもの計測器を手に取っていた。

「ちょ……ちょっと、危ない!」

 その時、カガリの甲高い声が響いて、わたしははっと身構えた。カガリがこんな声をあげるのは、だいたい、ホムラがまた《火》を暴走させてしまった時くらいだ。グラウンドを見渡せば、その予測が正しい事が証明される。

 クラスメイトは、相変わらずだ。

 行方不明者が出たからといって、それに関わらない者は、いつもと全く変わらない。《白》についているサポーター猫のことも、アリスやアキラのことも、皆、忘れてしまったのだろうかって思う程、いつもと変わらない。

 『忘れるわけがないよ。だって、友達だよ』

 行方不明者のことも、わたしとエリカが猫の国を旅した事も、ホームの先生達はちゃんと考えている。だからこそ、わたし達生徒は何も出来ないまま、魔法界の大人たちがどうにかするしかないんだってことも、理解しているつもり。

 でも、いいんだろうか。

 こうやって、のんきに授業を受けていて。

 『修行をしないと、モモを捜しに行けないよ』

 そうだね、バツ。

 そうだね。わたしはその時を待ちながら修行をするしかないんだ。猫の国で学んだ事。それは、ホームがどれだけ安全なのか。外の世界がどれだけ危険なのか。そして、魔法がどれだけ大変なものなのか。

 わたしもエリカも無事に帰る事が出来たけれど、もしかしたら、それすらも叶わなかったかもしれない。そう考えると、魔法の熟練がどれだけ大事なのかが、分かってくる。

 バツ。

 わたしね、また夢を見たんだ。

 バツも見たかもしれないけれど、また異世界を冒険する夢を見たんだ。

 それがいつになるかなんて分からないし、いつになっても正夢にはならなかいかもしれないけれど、バツは言ったよね。

 信じるよ。

 『信じて待つんだ』

 また、モモを捜す旅が出来る事を。

 そして、確かめるんだ。

 猫の国で分からなかった事を。

 モモたちサポーター猫はどうして消えてしまったのだろう。わたしとエリカを助けてくれた光と闇はなんだったのだろう。カチュア国はどうなったのだろう。アキラとアリスはどうしていなくなったんだろう。

 確かめるんだ。

 それを確かめられる日が来る事を信じるんだ。

 『そうだよ。それでこそ、マル』

 ありがとう、バツ。

 『待とう、マル。その日を』

 新たな旅立ちの日を。


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