2.
ねえ、バツ。わたし、猫の国に行く前に、夢を見たよ。
『うん、知っている。ボクもみたもの』
あれは、本当に夢だったのかな。あれは、もしかして、お告げだったのかな。
『それは分からない。けれど、マルがお告げだと思うのなら、夢はまた君に何かを教えてくれるのかもしれないね』
そうだったとしたら、きっと、アプリコットのことも、アキラ君とアリスちゃんの居場所も、エレクトラのことも、そして、モモの事も、きっと分かる日がくるかな。
『信じるといいさ。信じなければ、夢も愛想を尽かすかもしれない』
わたし、信じる。モモに会える日まで。わたしみたいに引き裂かれて泣いている生徒達のためにも、いつか彼らが消えてしまったその先を見つけられるって信じて、何か困っていたら、助けられるって信じて、それまで魔法の修行を頑張るんだ。
『信じるといいさ。ボクはいつでもマルの味方だよ』
ねえ、バツ、知ってる?
ホームから繋がっている異世界は、猫の国だけじゃないんだよ。
皆が噂している妖精の道。姿の見えない妖精がイタズラで色んな次元と次元を繋いで、それが異世界との通路になってしまっているんだって。そこに迷い込んだ者は、意識だけを向こう側に持っていかれて、戻って来られるまでは意識を失ってしまうんだって。
わたしとバツが抜けた鏡の道。あれは、妖精の道だったんだよ。
『知っているよ。マルが知っていることは、ボクも知っているんだ』
じゃあ、やっぱり猫の国で体験した事は本当だったんだよね。
モモも何処かの世界にいるんだよね。モモは何処に居るんだろう。わたしを置いて行ってしまうくらい、大切なことだったのかな。わたしを置いて行ってしまうくらい、急な事に巻き込まれてしまったのかな。
ねえ、バツ。
『なんだい、マル』
わたし、また冒険したい。モモを捜す旅に出たい。そんなことが、わたしに出来るのか分からないけれど、モモを捜し出したい。モモにまた会いたいの。それまで待っているなんて、とても出来ないの。
『信じるといいさ』
信じるって、何を……?
『また、君は、妖精の道を抜けられる。妖精が君に道を与えてくれる。それまで、魔法の修行をするんだっていうことを』
信じる……。
そうだね、バツ。わたしは、いつかまた、妖精の道を抜けて、モモを捜し出す。モモを捜し出して、モモと一緒にホームに帰ってみせるんだ。




