閑話1 クリムとスキアの戦い〜〜クリム視点〜〜
「ふっ、龍宮様は行ったようね!」
「ええ、そうですね。しかも“アレ”を試される様ですから、身体への負担を鑑みても後数年は休息期間となるでしょう」
スキアは龍宮様が勝つ前提で話を進めている。
フローラとフラーラは中々の強敵な筈だが……
まあ、気持ちはわかる。
正直言って、私が手も足も出ないあの強さで負けるなんて考えたくもない。
それでも万が一の為に第二門を使用するのだ。
「しかしまあ、影龍軍団の数は……どれだけ龍宮様は夜に頑張られたのか……百は増えましたよね……」
我が火龍軍団は10匹程度しか増えていないのに……
そう思うと、配下達が申し訳無さそうに、“轟”と火を吹く……
あんんたには慰められたくないわね!
そんなくだらない与太話をしていると、古王熊が現れる。
「ふん!お前らは我らを全無視か?その厚顔さを剥ぎ取ってやる!三位一体」
「やれるものならね?」
三人が合体した。
弱くなってそうなのは気のせいだろうか?
その言葉と同時に、拳と拳の応酬が始まる。
“どごん”“どごん”と鳴り響く。
「深海の王の拳」
「火拳」
まるで世界樹を纏った様な一撃を放つ。
それを燃やしつく様な一撃は摂氏200℃を超える。
火は拳の形をして飛ぶ。
それに対して古王熊は……
「乱打!」
その瞬間、古王熊から幾つも拳がは生えて来る錯覚に陥る。
しかし、それは腕に魔力を込めて、高速で殴っているだけ。
そう考えると、自分も似た様な事ができるが……火龍軍団副団長である配下2人に前衛を任せて後方支援でもしていようかしら?
そう考えた時には体はすでに動いており、バックステップを華麗に刻んでいる。
「ファルン!ルイヤー!あんたらが前衛していなさい!」
「「YES ma'am!」」
そう言うと同時に地面が抉れる速度で向かっていく。
そうじゃ無いとしばかれると言う、悲痛な思いを胸に秘めて……
「火属性付与」
「“火”飛剣!」
火属性付与は技に火が付く。
火力はほぼ二倍な為、使い勝手の良い技だ。
「舐めた真似を!“友呼びの雄叫び”ぐるおおおおおお!」
“ザッザッザッ”
“カシャンカシャン”
とても大きな足音と、鎧の擦れる音は聞こえる。
それは援軍だ。
上位火龍の2人もひとたまりもない……筈だったわね。
まあ、関係ないけどね。
「火龍の咆哮」
龍宮様の龍の咆哮よりも威力はあるが溜めが必要だ。
更に火纏、いや、火纏纏うための時間が必要。
そう考えると対軍隊様にはこちらの方が良いが、対個人だったら、龍の咆哮の方が使い勝手の良い物なのだ。
いや、私の龍の咆哮の2倍の威力はあるだろう。
アレは龍宮様がぶっ飛んでるだけなのだ!
『でぐるああああああああ!』
軍が真紅に染まった光線によって消し飛ばされる。
その光線は血を抉り肉を焼いた。
「よ、よくもっ!“真空波”!」
己の拳に込めた魔力を打ち出す……ね。
原理、理解したわよ?
「“紅真空波”」
それはまるで、血に染まった空撃だった。
“どごおおおおん”
辺り一体が轟音で揺れる。
少々魔力を込め過ぎてしまった様ね……
「は?」
古王熊も目が点になっている。
正直言って、ここまでの成果が出るとはね。
期待値以上の結果よ!
これから、これも訓練に仕込もうかしら?
「な、ななななぜ、おおおお前がそそそれを使える!?」
「何故って?まあね、真似しただけよ?そんな大層なことしてないわ」
「巫山戯るなぁ!“起死回生”!」
“ひゅごおおお”
古王熊の周りに気が集まっている。
「下らない!お遊びはこれまで!金色の炎!」
“煌”
金色の炎は燃え上がり、全てを燃やし尽くさんとする。
今夜のディナーは焼きグマかしらね?
「ぐあああああああ!」
「ふふふっ、じゃあ、サヨナラね。龍の咆哮」
“ずどおおん”
至近距離で高火力の技が撃ち込まれる。地が抉れ空気を震撼させる。
はあ、今頃龍ノ宮は攻められてるでしょうね。
龍宮様は軽く見ていたけれど、宮の侵略って言うのは大きな影響を周りに与えるのよ。
危機感を覚える人たちも多かったでしょうね。
獅ノ宮どころは攻めてくるでしょうけど、今代は“神獅子”が居ないからなんとかなるわね。
まあそこは乱数だけれども。
《龍ノ宮が熊ノ宮と併合されました。宮の数が一つ減り、戦力図の変化が確認された為、龍ノ宮の主である、アリティニーに大罪の力を与えます》
「っ!?なっ!?」
「りゅ、龍宮様……勝たれたのですねっ!」
2人ともが歓喜の声を上げる。
2人ともニマニマしちゃっている。
「ふう、割とギリギリだったな。修行が足りねーことを実感したぜ……」
神種2体を同時に相手して勝てるのは龍宮様ただ1人ですよ。とは言えない。
言うと、龍宮様は怒る。
何故なら、このお方はいかなる場合でも対応できる様に全神経を集中させているからだ。
「それじゃあ、帰るかぁ〜しかし、アクアとアースとシルフ、あいつら大丈夫かな?結構やばいっぽかったぜ。今アクアから連絡もらったんだが、神鳥である鳳凰に、金獅子の位階上昇ってよ?正直言って、信じられねーぜ。領地は増えたが敵を増やしたな。暫くは防衛に一定の戦力を回すぞ」
「「御心のままに」」
そう言い、左膝を突き右膝に右手を置いている様は忠臣であった。
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「はああ〜まじで今回はやばかったぜ?誰か俺の無聊を慰めてくれねーかなぁ?」
そんな下らないことをアースは呟く。
本当に一切合切ゴミである。
「そんなんだからモテないのよ。龍宮様みたいに紳士で力強くなくちゃ!」
そんな下らない会話をいつまでも続けていくのだった。
五忠龍。
今後、全宮に名を轟かせ、龍ノ宮の戦力の中枢とも言われる様になる圧倒的な存在。
その龍は5体とも、死ねと言われたら死ぬくらいの覚悟を持って支えていると専らの噂であるとかなんとか。
そうして、その上に立つのは、影神龍アリティニー。
熊ノ宮を侵し、手に入れた。
熊ノ宮の中枢にはあるものがある様だ。
これが熊が神種になった理由だ。
それが判明し、アリティニーらが驚愕するのはまた別のお話。
どうでしょうか?取り敢えず1話に纏めて見ました。次からはもっと大きく話が動く……と言いたいところですが、まだまだ閑話パートは続きます。
次は、“ラブロマンス”編です。因みに作者はドーテイなので、全て妄想でお送り致します(笑)




