女の二人旅も終着点だ。龍の王が其処にいた。異空間の中、周囲には気味が悪い巨大な神像が並んでいる。大きな神殿内部のようで、冒険の最終ステージとしては最適の雰囲気と言えた。
相棒が遠距離から攻撃魔法を撃ち続ける。煩わしそうにしながらも、二足歩行の恐竜のように、悠然と敵は進んできた。凄い耐久力だが、老いた龍の動きは遅い。どのみち、こいつを倒さなければ異空間からは出られないのだ。私は龍に向かって走り出した。
「跳んで!」
相棒が叫んだ直後、地面が燃え盛る。龍が炎を吐いて、その際に低く下がった龍の頭よりも高く、危機一髪、私は跳躍していた。ビキニアーマーの私は身軽なのだ。
「お前の敗因はな、龍の王。独りだったことさ」
そう空中で語りかけた。龍の王を殺せば、龍族を支配できるとも言われる。私の栄誉、そして相棒が求める金銀財宝のために死んでくれ! 私は縦に回転しながら、勢いをつけた大型ハンマーを龍の頭蓋へと叩き込んだ。