書くしかない
書くしかない
安岡 憙弘
一番リラックスすることはなにか、という問いを何かで読んで、すごい問いだなあと思ったことがある。私の場合は、半分冗談のような答えだが、目薬をさす、洗顔フォームを使っているときそして知で満たされているという答えになる。一番リラックスすることの反対のあるものが、トラウマのフラッシュバックが脳裏に上がっているときだとおもう。
作家にならないと絶対できないことと言われるとどう答えるかというと、トラウマのような深い傷でも、すこしづつだが、癒していけるということだとおもう。立場の弱い人に寄り添う姿勢が、何度も問い直される。僕はこうなのだ。という成熟した自我が、恐怖症をいやす大切な個性であり、心を知る道なのだ。だから、書くしかないのだ。