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滅ぶ前にゃー叫ばなやめれんッ!!!  作者: シ流つっけ
レグナトール家〈中編〉
36/42

会話率補強会合!


 虚空の狭間で、在りもしない影が三つ。


 ある観測者からは、それはランタンによって地下道の赤壁に照らし出されたネズミの影。それらがコソコソ遊んでいるように見えたそうな。



「キたぜェ!!これが神のカードォ!〝ワイルドドローフォォォォォォォォォォォォオ!!!」





「いえ、私スキップ出しましたので、次はミークシス様のターンです」


「ハイ、UN○」


「あ、私もUN○ですっ!」



「しゃアッ!!今度こそォッ!降臨せよォ〝ワイ…」




「いえ、私リバース出しましたので、次はミークシス様のターンです」



「封印されしオレのターンッ!!?」



「だってー、何だか最後まで記号のカード、持ってたくないじゃないですかー」


「それェ、都市伝説だからァ!!」


「オフィシャルルールはローカルルールを否定するものではないよ……むしろ共生していく事で広まっていくのさ………」


「悟ってんじゃねェアミニズム神様系ショタがァ!!てか、何でお前らルール分かるんだよッ!?ここは異世界人のオレがァ、一方的にビギナー共をいたぶるっていう〝なんかやっちゃいましたか~?〟編だろォ!?」


「まぁ、それはそれはっ!とても可愛らしい野望をお持ちだったのですねっ?……ごめんなさい、そうとはつゆ知らず………おのれ~見ただけで大抵の事が出来てしまう私の才能め~~~……あ、お詫びにヒマワリの種でも食べます?」


「ボクは何もしてないよ。ただ、彼岸丸お兄ちゃんが残っただけだよ」


「よく善人ヅラでそこまで敗者を弄れるなァ!?」


「ふふ、ありがとう。お兄ちゃん、お姉ちゃん…おかげで今夜は楽しかったよ?」


「まぁっ!しばらく時間とは無縁に彷徨っていましたが、もう良い子は寝る時間だとセレスティア時計が告げていますっ!」


「おう!ガキは良く寝ろッ!!じゃねーとオレみたいなビッグな男には成れねーからなァ!!!」


「まぁっ!しばらく長さとは無縁に彷徨っていましたが、彼岸丸君もお姉さんからすれば大して変わらないと、セレスティア測定器が告げていますっ!」


「狂ってんのかァその測定器ッ!どう見たって拳一個分もチゲーだろォ!?あ、それに見ろッ!こいつ下駄だッ!下駄履いてやがるッ!!測定ワンモア!ワンモアッ!!」


「ふふふ、大丈夫だよお兄ちゃん?キミがビッグなのはきちんと知ってる。……だってさ、ボクってキミの隠れファンだからね?」


「お、おう?……分かってんじゃねェかガキンチョ!よしッ!この神のカードにサインしてやるッ!!代々の宝とするが良いッ!!!」


「まぁ!ミークシス様の大人の対応に、デレデレな彼岸丸君とっても可愛いですっ!!ヒマワリの種食べます?」


「オレをHAMU扱いすんじゃねェ!?滑車に縛り付けんぞ!?」


「えぇ!?私を回る滑車に?……それって拷問車輪ですかっ!?水責めですかっ!?それとももっとすごい…」


「うるせェHENTAIッ!興奮してんじゃねェ!!」


「ち、違いますトンデモナイっ!ただ、ちっちゃい子にイタズラされるのがお姉さんの責務よっきゅうなだけですっ!!」


「駄々漏れだァ!!」


「なんだか、内容もアダルティーになってきたし…もうボクは行くね?お兄ちゃんカードありがとう、大事にするよっ!」


「おうッ!おやすみ!」


「お休みなさいませ~!」




「……………」


「……………」




「とこんで、ここどこ?」


「どこでしょーねー?」




「……………」


「……………」




「アンタは何してんの?」


「私は、ミークシス様という方を探して、はや三千里?いや、もうちょっと?」


「奇遇だなッ!オレもミークシスってヤツとセレスティアってヤツを探してた気がするッ!」


「まぁっ!偶然にも私の名前もセレスティアですっ!!いや!すごい偶然ですねっ!!いい事あるかもっ!!!」


「ハハハッ、確かに偶然会ったヤツが探してるヤツと同じ名前なんてなァ!すごい偶然だッ!!」


「えへへ!」


「ハハハ!」


「ハハッ、ところでさっきのガキの名前も〝ミークシス〟だったなー」


「へへっ、ホントですねー!すごい偶然っ!あーおかしぃー………」




「……………」


「……………」




「「?(笑)」」



「!……?……!!………??(困惑的ジェスチャー)」


「……?………!!!……!……?(乱舞的ジェスチャー)」



「「!(驚)」」




「お待ちになってぇえ!!ミークシス様ぁぁぁぁぁあ!!!!!」




「やれやれェ、お姉さんぶっといてドジなドMだぜ…セレスティアはよォ………あれ?」


 独りになってしまったネズミの影が、何か重大な事に気付いて飛び出そうとするが………。



「おォ、見つけましたぞ…彼岸丸殿!」


 淡い遊色の羽音。


 けれど、通り過ぎるは黒い一迅。


 王冠を戴く蠅が、その者を連れ去っていきましたとさ。





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