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戦輪の戦士  作者: KY
38/41

日常という名の日、多分それ自体がチート?

更新が遅れまして、申し訳ございません。

精神的な体調不良があり、やはり手が上手く出ませんでした・・・。

今後はある程度、定期的に更新を頑張ります。

姫将ことマリアに自身の爪の後を残してから里での生活は大きな変化はなかった。

だが、自身の騎士団につけられた召喚兵の部隊はかなり特殊だった。

一般兵でありながらオークなら瞬殺していた。 騎士団も奮戦するも、流石にそこまでにはなれなかった。 それでも三人で一体は倒せるようになった。 自警団も同様の戦闘力がある。


「ここの隊員さんは、かなり強くなったよな?」


「はっ、マリア殿と騎士殿のお陰です。 我も相手が出来て嬉しいです!」


「そっ、そうか・・・。 それは何より。」


「はっ!」


マリアが来た事で実力の均衡したというか、近い者がいる事は大いに彼女の中で奮起しやすい状況の様で喜々として訓練に邁進していた。

そんな中で領主様の書状を携えて戻ってきた街への納品組の一人がやってきた。


「領主様から?」


「はい。 何でも先の戦闘での追加の話があるそうです。 詳しくは書状をご覧下さいと、話がありました。」


「分かった。 お疲れさまでした。」


「はい。 失礼します。」


納品組から書状を受け取り、開封する。

書状には、もう一度来てほしいというモノだった。 ひとまずは今日は伺わず、明日の訪問をするべく準備を始めた。

明日の朝に二人を率いて、街の館へ向かう。


「ですが、領主様の話はなんでしょうか?」


「それはわからない。 だが、来るとすれば、今の近況を話されると思う・・・。」


「近況?我らのですか?」


「ありえるのは、先の戦闘の近況だと思う・・・。」


「・・・。 また戦闘ですか?」


「・・・。 それはわからない。 まずは行こう。」


「「はっ!」」


いつものように通っていた街の道・・・。

通りの両サイドからは相変わらず購入の呼び込みが来ている。

通い慣れた道をまた歩く。

領主様の御屋敷に着くと、顔見知りの門番さんが顔パスで門を開けてくれ、屋敷の玄関にはいつものように馴染みの使用さんが、笑顔で出迎えてくれた。


「お待ちしておりました。 シン様。」


「またお世話になります。」


「はい。 使用人一同、お世話させて頂きます。 どうぞこちらへ。」


「よろしく。」


メイドさんに案内され、いつも通される応接室に入る。

淹れてくれるお茶を飲みながら、お待ちする。

少し待つと、少しやつれておられる領主様がお越しになる。 やはり疲れているのか、メイドさんにお茶を所望して、話す前に飲み干してから俺らに向き合った。


「まずは足労すまぬな。」


「いえ、私は貴方様の配下なので、お気になさらず。」


「そうだったな。 お前の貢献度を考えると、どうしても遠慮気味になる・・・。」


「いえ、そんなに貢献した覚えはありませんが?」


「お前は・・・まあ、良い。 今回はちょっと困ったことになった。 そこでお前に相談がしたい。」


「私に?なんでしょうか?」


「うむ・・・まずは・・・だ。」


領主様によると、マリア嬢と騎士殿は生死不明でも引き渡されることになった事。 その為に合法的に彼女を俺の妻にすることが、貴族連の中で決まり、それは王宮も追認した事が通達された。 それと、賠償金の不足を現物支給され、切り取った領地のうち、相手側の要塞線のある土地から我が国側の領地が、賠償金代わりに割譲される運びになった。

それ以外にも利権や保証等の話をされたが、細かすぎて分からなかった。

そして、話を一通り話すと、領主様がこちらを見る。


「今回の呼び出しは他でもない。 この領地、割譲された領地の管理者にお前を推薦した。」


「はっ?なぜですか?最前線ですし、確か小規模でも穀倉地帯と鉱山があるとか、言っておられませんでしたか?」


「ああ。 そうだ。」


「しかも要塞線という事は、幾つもの城や砦がありますよね?」


「ある。 一番大きいのは一つだが、中小の砦や城を入れると、10ほどある。」


「そんな重要拠点を?」


「ああ。 正確には従者の召喚兵のスキルに期待している所がある。」


「確かに・・・。 ですが、それはお歴々は御承知頂けているので?」


「まだ根回しは十分ではないが、ほぼ断るという事はないはずだ。 どうだろう?」


「俺の様なよそ者で宜しいので?」


「それ以前に貴殿は高位の冒険者だ。 それに貴殿の従者達、里の人もそろそろ手狭だろう?まあ、それがなくても貴殿に頼みたい。」


「私でよろしければ・・・ですが、立場は貴方様の配下で宜しいですか?」


「残念だが、独立してもらう。 領地と城に要塞と砦。 それ以外にも鉱山に穀倉地帯まで持っている時点で、独歩領主でない方が可笑しくないか?」


「・・・。 言われて見れば・・・。」


「まあ、対等の取引相手と相談相手としては、続けて欲しいがな。 頼めるか?」


「それは勿論です!」


「分かった。 まあ、大丈夫だと思うが、期待せずに待っていてくれ。」


「はっ!」


領主様はそれだけを言うと、根回しの為だろう、退室していった。

俺もこれ以上は用事がないので、退室してお屋敷も後にした。


「先の話は本当でしょうか?」


「まあ、期待せずに待とう・・・。 どちらにしても里の方も分かれて住む事を考えなくてはならない時期になりつつあると、長老達から言われている。 もし、その領地への移住が叶えば、多くの人が助かる。 里で手狭になっている生産品も、作物も大々的にできる。 それは魅力だ。」


「・・・。 叶うと良いですね・・・。」


「ああ、だが我らは亜人だ。 嫌悪する事はある。 ダメな場合の事も考えておかねば・・・。」


「「はい。 主様。」」


こうして領主様達の命令を待つ身となった。

里では大いに喜ばれた。

しかし、逆に懸念もあった。 彼らは元は迫害された人々だからだ。

彼らほどではないが、追い出された身である俺もそこは理解できた。 だが、そこを解決したのはなんと姫将・マリアだった。


「皆の者!恐れる事はない!何のための自警団か!何のための騎士団か?!今までだって困難を乗り切ったではないか!新天地に行くだけの事!恐れる事ではない!」


おおおおおっっっっ!!!!!!!


「そうだな!そうだよなっ!」


「ええ、そうよ!新たな場所に行くだけよ!」


「「「そうだ!そうだ!!」」」


彼女の叱咤に多くの獣人達が歓声を上げた。

特に彼女に心酔していた騎士団の女性達は、一斉に歓声を上げた。

それに呼応して、他の獣人達も喊声を上げ始める。 その波は次々と広がっていき、とうとう大きな波は里全体に広がった。


「どうやら杞憂だったようですね・・・?」


「・・・。 そうだな・・・。 まあ、これで領地異動がなければ、終わるな・・・。」


「そこは平気ですよ。 必ずありますよ。」


「凄い自信だな・・・。」


「はい。」


領主様に対しての受け入れの準備が始まった。

全員でというのは、やはり危険なので自警団と騎士団の一部と一般民200名程が帯同するところまでが決まった。 

計画を話し合っている時に街への納品班からの領主様の呼び出し状が来た。


「いよいよですね・・・。」


「ああ、どう出るかな・・・。 まあ、行くしかあるまい・・・。」


「「お供いたします。」」


「ああ。 頼む。」


こうして召喚状に基づいて、領主様の居るお屋敷のある街へと行く・・・。

街はいつもと変わらず賑わっていた。

だが、警戒は解かない。 偵察部隊を飛ばして、不穏な空気がないかを調べる。

街に入ると、通行人に扮した偵察部隊の男がすれ違いざまに声を掛ける。


「シン様、今のところは異常なしです。」


「ありがとう。」


「はっ。」


すれ違いざまにこの様な会話をしていく。

館近くになると、今度は露天商の獣人から果物の詰まった籠を買う。


「ありがとうございましたぁ!」


「こちらこそ。」


そうして渡す寸前に互いの目が変わった。

屋敷内での偵察報告書を男から渡される。 一瞬だが、彼も偵察部隊の者である事を知らされる。

盛り籠を二人に渡し、最後の報告書を受け取る。


成程、館には貴族連のお歴々が集結。 俺の到着を待っていると・・・。 害意はなしと。


報告書をヤニスに渡すと、彼女も一読する。

アニスは盛り籠で見えないが、心配はしていない様で見ないままでいた。

姉の行動に察した妹は、それを焼き切った。


「さて、正念場だ。」


「「はい!」」


館前に着く。

いつものように顔パスで入り、いつものようにメイドさんが応接室に案内され・・・なかった。

案内されたのは食堂で、すでに貴族連のお歴々が待っていた。


「お呼びという事で参上しましたが、お歴々がすでにお待ちとは・・・いかなることでしょうか?」


「思っていたほど、驚いておらぬようだな・・・。 まあ良い。 まずは結果から話そう。 件の領地への移動は決まった。 シン、お前が彼の地の領主・・・というより執政官となった。」


「ありがとうございます。 ですが、私は新参者。 どうしてですか?」


「ああ、まずはそこから離さねばならぬか・・・では・・・。」


領主様を始め、お歴々が話してくれる事はこうだった。

まずは手柄自体が、法外になってしまい、払える事が出来ない事。 自国も戦費でカツカツになっている為に金銭以外でという事で、この領地の譲渡となった。 だが、俺は領主様の配下であるために下賜という形で、領地以外の穀倉地と鉱山を渡される運びとなった。

要塞と砦等の軍事用地は、騎士団や近衛隊、魔法部隊がごねたらしいが、緊急時の応対に非があり、国王から咎められてしまい、渋々と引き下がったらしい。

 他の貴族も利権の獲得に走ったが、兵どころか資金や兵糧すら出していない事が貴族連のお歴々から笑顔で指摘され、押し黙ってしまう。 教会関係者も口を出したが、教会騎士団の派兵もせずに治療術者すら派遣していない事を問い詰められ、負け戦になるこの開戦に貴重な人員を出せないと、暴露してしまい、退場させられるという事態になったらしい。


「それはまた・・・大変だったようで・・・。」


「ああ、それなりにな。 だが、王も亜人たちの処遇は苦慮しておられた。 まあ、貴殿らが住み始めたら少しずつ彼らが移住させる。 我らの貴族の中には奴隷のように扱っている者がいる・・・。 その罪滅ぼし・・・とは言えないが、彼らも受け入れて欲しい。」


「まあ、こちらのルールに従ってくれるなら構いませんよ。 こちらもこれから移住先を探さねばと、思っていたので。」


「なに?!我に不満があったのか?!ならば、聞かせてくれ!」


「落ち着いて下さい。 不満はありません。ですが、家庭を持つ者や新規で来た者で里が手狭になってしまいまして、それでです。」


「そうか・・・それなら良かった・・・。」


「他のお歴々の方々は、我らに渡すことに承服されておられますか?」


「「「「無論だ。」」」」


しかし、お歴々はまだ含みがあった。

そこを俺が指摘しようと思ったが、その前にお歴々がその口を開けた。

やはりお歴々は、こちらとの取引がしたいらしく、その独占をしていた領主様が羨ましがっていた。 そこでここで俺らに新天地を渡して、そのお礼として一つの派閥としての取引の優先権を貰おうとしたことを暴露した。


「やはりそうでしたか・・・。」


「すまぬ・・・。 我らも彼が羨ましかった。 いい匂いのする石鹸やその他の美容製品、我らも妻の要望には応えねばならぬ時があるのだ・・・・。」


比較的に年長の当主様が、話してくれた。

他の貴族連の方々も首を縦に振り、俺との関係構築の為に頑張っていた事も暴露した。

俺も有難い事ではあった為にお礼を言うと、彼らはあからさまに良かったと、肩を撫でおろしていた。

こうして、細かいことを言われたが、派閥に入る事で、外事的な事は領主様を始め、お歴々が手を貸してくれることになり、王宮発行の委譲書を手渡された。


「これからは同じ派閥の仲間だ。 これからは共に共存共栄の道をいこう!」


「はっ!よろしくお願いします!」


周りにいた他のお歴々の方も集まり、共に手を取り合った。

この会合は今後数十年続く派閥の始まりとなる時だった・・・。

その後は新執政官の就任の祝いの食事会が開かれ、姉妹とは別になったが、大いに盛り上がった事は言うまでもない。


「楽しい食事会でしたぁ~。」


「姉さんはもう少し自重してください。」


「ヤニスちゃん、良いじゃない~少しくらいは~。」


「その様子だと、差別はされなかったようだな。」


「はい。 主様ほどのモノは出ませんが、大変美味しかったです。」


「それは良かった。」


俺とは違うが、接待を受けたようです。

用事と引き渡しの書状等を受けた俺らは、そのまま里へ。

里では今回の移住計画に大いに喜んだ。 確固たる領地を俺が貰ったことで、安住の地が出来たから。

俺はまず、偵察の人手を派遣し、先方を偵察・観察を指示した。

指示に従い、20名程の男女が準備を整え、旅立っていった。

里でも第一次移住組が編成され、準備に取り掛かる。


「そういえば、ここはどうなりますか?」


一人の獣人男性の声に喧騒が静まる・・・。

彼らもこの地に愛着があるからだ。

その回答に俺は領主様からの書状を広げて、話す。 


「この里については・・・そのままシン殿所有とし、新領地の中継地として使用する事を許可するものとする・・・と、追認を受けている。」


「そうですか!ありがとうございます!」


「うむ!当然だが、ここに居残る者も選ぶが、現状は長老達と自警団の数名が残ってくれる!当然だが交代でここにいて貰う人員も決めるからそのつもりで。」


「「「「分かりましたぁ!!!」」」」


里での準備が始まった。

数か月後には、大規模の移住計画が実行されて俺らも領地の統括知的な街に着く。

街では、暫定的に運営をしていた文官から引継ぎを行い、街の運営を任された。 砦や城はマリアを筆頭に騎士殿がサポートするという形で、要塞線を一任する形になった。 しかし、大きな要塞は国軍が入る事になり、約1万の兵員と同数の非戦闘員が、家族ごと入る事に。

要塞自体が街でもある為にそれは可能であり、物資の補給拠点としての役割を俺が着任した街の市場が対応できることで、大いに要塞側から期待された。

その代わりにその付け城的な砦や城砦は、我らの騎士団や自警団が受け持つことになった。 そこには予備兵力としてアニスの『召喚兵軍団』も隠し玉でいる。


「先遣の騎士団と自警団の半数をひとまず国境沿いに。 残りはひとまず街の警備に当たらせます。」


「そうだね。 だが、後続が来ても当分は人手不足は否めないな・・・。」


「領主様から普人族の移民も受け入れて欲しいそうで・・・。 まあ、差別がなければ良いですが・・・。」


「そんな人間はポイだ。 要塞の連中もそういう連中なら荷止めをする。 誰のお陰で生活できるかを教えてやるさ・・・。」


「主・・・。 怖いです・・・。」


「まあ、その相手をしてくれる人も呼んだからそちらにお任せするけどね。」


「ん?そうですか?分かりました。 主様にお任せします。」


こうして新天地での新しい生活が始まった・・・。

だが、この移転は再びかつての仲間を引き寄せてしまう事にまだ気が付かなかった・・・。

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