悲しみの中に産まれる希望②
少し本業の仕事がうまく行っておらず、かなり気持ちが不安定になっています・・・。
自身の精神が壊れないようにする事が大変な様に感じる気がする。 だが、かなり気持ち的に長期休暇を取りたい自分がいます・・・。 だが、それを許されない家計であるために辛いです。
「捜索班、困難事項にあう」という事を示す信号弾が上がった事が、監視所からの報告で緊急編成した自警団は、急いで里を飛び出していく。
そんな緊急事態に新たな事に気が付いた。
「姫将殿の班じゃないか?!」
「そうでした!今のお嬢は対応が怪しゅうございます!急がねば!」
「いや!騎士殿が行くと、共に遭難する可能性がある!外を知っている彼らに任せるべきだ!」
「くっ!無念!」
騎士殿は当然ながら悔しそうに拳を握りしめる。
しかし、俺の言う事も理解できるためか、飛び出すような事はなかった。
捜索班を放って、3時間ほどで意外な報告を受ける。
「なに?フォレストボアの亜種を1人で?」
「はい!お客人が討伐されました!」
「それは何よりですな!お嬢も自信を取り戻されるきっかけが出来たようですな!僥倖です!」
自信を取り戻すきっかけが出来た事で、喜ぶ騎士殿。
無事に帰還したことを喜ぶ俺と、少し立場は違うが、共に帰還を喜んだ。
今は彼女も眠りについているが、顔はどことなくスッキリしていた。 その様子を報告してくれた姉妹も嬉しそうだった。
彼女が目を覚ましたのは、その日の夕方であった。
「起きたかい?」
俺は彼女に声を掛けた。
<姫騎士サイド>
私は最悪だ・・・。
祖国から見捨てられ、上官だった上位貴族様にも切り捨てられた・・・。
その上であっても共に戦ってくれた兵達は助けたい。 私は自身が虜囚の辱めを受ける事を条件に彼らを助けてくれるように願い出た。
降伏を受け入れてくれた相手側の男は若い男だった。 従兵は亜人であるダークエルフの女性2人を従えて、来ていた。
それどころか、彼の別動隊に我らを切り捨てた上官や兵達は、僅かな兵力を残して殲滅されていた。 残った者も数十人程度に落ち込み、上官である貴族も2・3人程しか生き残れなかったようだ。 そこで我らがすでに死んだ者と、報告された事は衝撃だ・・・・。 あれだけ尽くしたのに・・・と、いう気持ちが先になり、呆然とした。
「我は・・・我は何のために・・・。」
そんな虚無の時間が流れる虜囚の生活。 いや、虜囚と言うには贅沢過ぎる・・・。
日に3度の食事と柔らかいベッド、里を出なければ、自由に歩き回る事も出来るし、自警団の訓練にも参加が出来る。 夜になれば、部屋つきのメイドに案内されて入浴を楽しむことが出来る。 もはや賓客扱いだ・・・。
守役の彼はすでに気持ちを切り替え、自警団の教官の真似事をしている。
彼は元々、部隊の指揮をしているから訓練もお手の物だからだ・・・。
しかし、自分はまだ切り替えも何も出来ていなかった・・・。
そんな私に彼から提案を受けた。
「自警団の巡回に付き合うだと?」
「はっ、姫もずっと引き籠っているのは辛いでしょう?どうですか?」
「いや・・・我は・・・。」
「いい加減、体を動かしませんと、体が怠けますぞ?行きなされ。」
「うっ、うむ・・・。 分かった。 行こう。」
「それでこそ、お嬢!気張りなされ!」
守役に言われるがまま、鎧姿になって巡回に向かう自警団の者達と共に進んでいく。
森の中は様々な動物や魔物が生活していた。 ただ、こちらに構わないで過ぎていく動物はそのままにしたが、襲い掛かってきた魔物は自警団のメンバーと共に倒していた。
こんな事に何の意味が?
彼女はそう思いながらも向かってくる魔物を討伐していた。
気がそぞろであっても、元々の能力の高い彼女は団員に後れを取ることなく、討伐していた。
そんな様子にリーダーを務める男性が、声を掛けた。
「やはり姫将殿は凄いですなぁ。 森を知っている我らに後れを取らない事が脱帽です。」
「そうなんですか?まあ、我は・・・。」
「?! リーダー、何か大型の魔物と思われる生物が近づきます!」
「なに!戦闘準備!来るぞ!」
「「「「おう!」」」」
「はい!」
一斉に各自の得物を構える。
草木を踏みしめる音から徐々に木々をかき分ける音になり、次第に木が押し倒される音になり、その全容が現れた。
「フォレストボアの亜種だ!」
「マジか!?」
リーダーの声に隊員の一人が声を上げた。
しかし、魔物は止まらない。 そのまま突っ込んでくる。 隊員の弓師の一言で一斉に散開するも、魔物は向きを変えて、突っ込んでくる。 弓師の隊員や斥候の隊員が矢やナイフを投擲するが、ダメージは少ない。 我は突然の事で動けずにいた。
「あっ、あああ・・・。」
声にならない声を上げ、剣を構えたままで固まった。
魔物はそんな光景を見逃してはいなかった。 魔物は蹴散らした隊員ではなく、こちらに狙いを定めたようだ。 我と目が合った魔物は我に向かって、一目散に襲い掛かってきた。
「危ない!」
「へっ?」
我はリーダーに突き飛ばされたようで、地面に倒れている所で呆けた意識が戻った。
その引き換えにリーダーは魔物の突っ込みを受けてしまい、ダメージをモロに受けてしまう。 その為に自分が助かった。 怪我をした隊員達は、意識が戻っていないリーダーの前に立ち、守る様に立っていた。 しかし、魔物はそれらも蹴散らそうと、踏み込んでいる。
駄目だ・・・!散れ!散るんだ!全員が、全員が死ぬぞ!
恐怖のあまりに声が出せない。
しかし、彼らはリーダーを囲むことを辞めない。 彼らもそれだけの理由がある事は言うまでもない。
何もできない自分が嫌だった。 体が動けなかった・・・。 だが、何かが切れた音が自分の中でした気がした。
プチン
「うああああっっっっっ!!!!」
我は引き抜いたままで落ちていた自身の愛剣を拾い上げ、ボアに向かっていった。
後先を考えない突撃だ。 同行の隊員が何かを言っていたが、聞こえなかった。 すれ違いざまに我の切っ先でボアの前足を斬り飛ばした。 どっちの足かは分からない。 それくらいの必死な状態で戦っかえた。 ボアも自身の足を斬り飛ばされた事で逆上し、完全に我を敵認定した。
これで他の者には向かわないな・・・。
心のどこかで冷静な所があることに自身でも驚くが、敵認定された事で相手はもうよそ見をしない。
我も視線を外さない。 数度のぶつかり合い。
我も腕や足に手傷を負ったが、深手はなかった。 しかし、相手はそうではなかった。
さらに牙1本と後ろ脚の一本に深めに切ることが出来た。
数度のぶつかり合いで、とうとうボアが前のめりで突っ伏した。
この隙を逃す手はないと、我は最後の一手に出た。
「うああああっっっっっ!!!!」
ボアの体に馬乗りになる様にして剣を突き立てんと、襲い掛かった。
防御も考えていない様な捨て身攻撃ではあるが・・・。
「ピギィィィィィ!!!!」
魔物の後頭部から斜めに突き刺した剣は、根本付近でへし折れたが、我は金属板のついている踵で剣の根元をそのまま踏み抜いた。 最後の一撃はボアの脳を貫いたらしく、断末魔と共にボアは沈んだ。
我は・・・勝ったぞ・・・。 我は勝ったのだぁぁ!!!
もう言葉にならない物が駆け巡った。
そして、そのまま倒れてしまい、気を失った。
次に目が覚めたのは、シンの隠れ里の屋敷。 宛がわれた部屋のベッドの上だった。
「我は・・・乗り切った・・・苦難を。 我はもう、何も怖くない・・・。」
誰に聞かれるでもない声を右腕だけ出して、達成感の様な物を感じていた。
そうこれから我は前に進むのだ・・・。
更新は頑張って更新しております。
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