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戦輪の戦士  作者: KY
29/41

遅れて来た人物は

とうとう戦場へとやってきました。

少し間に入れてから本編をやりたいと、思っております。

一路、街道をひた走る1台の馬車。

御者の男は明らかに当代具足を着こんでいる。 馬車の後ろにある見張り用の場所にも当代具足を着て弓を持っている男が、立っている。 その馬車を引く馬は馬車用の馬ではなく、軍馬の様な馬が2頭で馬車を引いている。

 答えは騎馬兵2騎を召喚し、その馬でこれまた召喚した馬車を引いているのだ。

その馬車には、大量のクッションの中に俺ら3人がいた。


「主様、参戦されるのですか?」


「ん?・・・そうなる・・・。 今の里の生活を保障するために領主様は、階級をくれた。 そして、彼らの生活に必要な生活物資を買いやすいようにもしてくれた。 それは感謝しなければ・・・。 ヤニス、君はこの参戦に反対かい?」


「いえ、主様の決めたことに私は口を挟みません。 ですが、心配ではあります。」


「ありがとう。 何も最前線に行くわけでは無いさ。 それに君も守ってくれるんだろう?」


「勿論です!姉さんと共に頑張ります!」


「私も~頑張りますよぉ~。 召喚兵の軍団で~叩きますよぉ~。」


「ありがとうな。 お前たちに感謝してる。」


「「ありがとうございます!」」


街を出て、召喚兵の操縦する馬車の中で今後の対応を話し合った。

当然だが、召喚兵は疲労はないが、3人はある。 どうしても休憩が必要だった。

しかし、移動距離は明らかに長かった。

こうして3人は領主様が宿営した場所から1・2箇所前の川沿いに夜営した。 当然、召喚兵の護衛の下で馬車内で就寝した。


「領主殿・・・。 俺らは貴方に恩を返しに行きます・・・。 どうか、生き急がぬよう・・・。」


「「主様・・・。」」


俺の独り言は彼女らが聞いており、2人は黙って俺の手を握ってくれた。

2人の手の温かさで安心した俺は、安心して寝ることが出来た。


<領主サイド>


我は思う・・・。

盟友だと思っていた冒険者(親友)とも思っていた年下の男を・・・。

いざ、決戦となった時に彼に助けを求めれば、助けてくれると思っていた・・・。 が、それをすることが出来なかった。 彼にも守る者がある。 それは我も一緒だが、彼には人に迫害され、冷遇され続けた獣人を始めとした亜人達がいる。 彼らに人族の為に死ねと、彼に命令をさせることに遠慮があったのだ。 だから自身の兵力だけで来たのだ。


「あの男がこの後もあの街にいてくれるだろうか・・・。」


「旦那様!夜営の用意が出来ました!こちらへ!」


「ああ、すまない。」


配下の者達が設営してくれた陣幕内に入り、桶に入ったお湯で体を拭き清めてから眠りにつく。

明日の昼には、盟友の貴族達の軍勢と合流し、敵軍に備えねばならない。

我は自分に言い聞かせながら眠りについた。


<シンサイド>


日が昇り始めた頃に昨日と召喚した馬車や騎馬兵を召喚して、馬車に乗り込む。

3人で次の野営地に向けて進む。


「主様、明日のお昼頃には追い付けそうです。」


「そうか・・・。 領主殿は同志の方達と合流出来たかな?」


「はい。 その様です。」


「まずは良かった。 我らも向かおう。」


「「はい。」」


街道を疾走していく馬車の中で、合流後の対応を話し合った。

疾走する馬車は、さらに2日の誤差で領主様を始めとした連合軍が見下ろせる小高い丘に着いた。


「追いつきましたぞ。 我らの恩返しを致します。」


眼下には、数千の連合軍の兵士が集まっていた。

俺ら3人はその威容を見ていた。


<領主連合軍サイド>


集結点に集まった兵士達は、これから訪れる恐怖を紛らしている。

彼らの顔色は一応に悪い。 自身らの3倍の兵力とやり合わなければならない状況に逃げ出したいが、逃げられない理由が彼らを留まらせた。

理由はここを守れなければ、自身らの家族や恋人、子供達が蹂躙される事が確定しているからだ。


「俺ら・・・明日の飯が食べれるかな・・・?」


「・・・。 それを言わないでくれ・・・。 悲しくなる・・・。」


「俺らは・・・捨て駒なのか・・・?」


「違う・・・。 防波堤さ・・・血と肉のな・・・。」


「少しでも踏ん張ろう・・・。」


「ああ。」


領主連合の士気は著しく低かった・・・。

彼らの折れないでいるのは、自身の家族を守りたいというモノが、今の彼らを動かしていた。

しかし、集結して2日後に連合軍の1人の旗を掲げた軍勢が、楽器の音を響かせながら進んできたという見張り兵の報告に全員が、その音源のする方向に移動したのだった。


<シンサイド>


眼下にいる兵士達を見下ろしている3人。

その様子は遠目に見ても士気が低いというのは、明らかだった。


「主様、追い付きましたね。 どう合流されますか?」


「召喚兵は~いつ~出しますぅ~。」


「まずは召喚兵は先に召喚しておくべきだな。 士気が低すぎる。 彼らの支えが必要だ。」


「分かりました。 ひとまずは少し距離を取って、出現させましょう。 軍楽隊も召喚して、彼らの士気も上がるはずです。」


「ああ、そうしよう。 しかし、全力で召喚するのは、危険だ。 ひとまず相手と同数で行こう。 今後の展開で追加して行こうと思うが、アニスは大丈夫か?」


「勿論ですぅ~。 5万くらいなら~平気ですぅ~。」


「すまない。 頼む。」


「あとでぇ~、ヤニスちゃんとあたしにぃ~ご褒美をくれれば~良いですよぉ~。」


「姉さん!」


「いや、構わないよ。 勿論だ。 よろしく頼むぞ!」


「はい~。 いきますぅ~。 えーい!」


アニスは小声で呪文を唱えると、彼女の周りに幾つもの魔法陣が現れ、そこから召喚兵の軍団が現れ、3人の前に現れる。 数千の騎馬兵と2万はいる歩兵とその他の魔道兵も現れる。

こうして連合軍に合流すべく、100名程の軍楽隊がその存在を知らしめるかの如く、演奏を開始したのだった。


「さあ、往くぞ!」


「「はい!」」


軍楽隊が太鼓やラッパ、その他の楽器を打ち鳴らし、吹き捲りながらの行進はその存在を晒した。

その軍勢の前を召喚馬に跨って、領主様の旗を掲げながら進んだ。 軍勢の中にも借りた旗が風になびいたのであった。

 

◇◇◇◇◇◇


連合軍の幹部たちは少ない戦力をどのように向けるかを議論していた。

議論はやはり寡兵で大軍を打倒すにはどうするか・・・。


「やはりゲリラ戦を主眼とし、遅滞戦術で出血を強いるしかないのでは・・・?」


「それではこちらが後ろが無くなるだろうが!ならば、敵中に中央突破ののちに敵将を討ち取るべきだろうが!」


「それではこちらの被害が多すぎる!こちらが突撃中にその敵大将が後方に下がられたらどうする!」


「では、何かあるのか?!」


議論は誰かが出した発案を潰し合うという堂々巡りで、答えが出なかった。

互いに被害が出したくないので、余計に議論が進まない。 その上、3倍の戦力と相対するから自身の命も危ない。 それらで余計に答えが出なかった。

 議論が出来ず、沈黙が場を支配した時にそれを引き裂く報告が来た。


「会議中に失礼します!」


「どうした?!」


「はっ!見張りより報告!地平線上に軍勢と思われる集団が接近中との事!以上です!」


「軍勢?!どこの軍だ!国軍か?」


「いえ、音楽の様な音を聞いた者が音の元を調べに行った際に見つけたと、報告が・・・。」


「して、敵か?味方か?あとどれくらいだ?」


「はっ!もうそろそろ陣地の門付近であれば、見える頃かと・・・。」


「分かった!我らも行く!案内せい!」


「はっ!」


議論に嫌気の刺していた貴族達は、門へと急いだ。

門にはすでに人だかりが出来ていたが、貴族が来ると一斉に道を開けた。 彼らはそこを悠々と進んで件の方向を見た。


「なんだ?!あれは?!」


「兵士だ・・・それも装備が整っている軍勢なんて・・・そうそうないぞ・・・。」


「ここいらでは教会の騎士団くらいか?」


「いや、あそこだって全員が甲冑を着ているわけでは無い。 法衣だってある。 よく見れば、武器もバラバラではないな・・・。 どこの軍だ?」


彼らからしたら酔狂に音を鳴らしながら、進んでくる所属不明の軍勢は異様だし、警戒対象だ。 しかしながら、それを払しょくする物が所属不明の軍勢の前になびいていた。


「ん?あれは貴殿の旗ではないか?」


「そうだな・・・。 子爵殿の旗では?」


「我の・・・だと?」


所属不明と思われていた軍勢の先頭には、子爵家の旗がはためいていた。

よく見れば、軍勢の中にも同様の旗が何本も立っている。 こうなると、確認に走らされるのは子爵家の警備隊長が走らされる。


「そこの子爵家の旗を掲げた軍勢の代表者は、いずこか?!」


「ん?もしかして警備隊長殿?」


「もっ、もしかしてシン殿か?!」


「お久しぶり。 領主様にお目通りをしたいんだけど。」


「いや、それより貴殿の後ろの軍は一体・・・。」


「うちのアニスの召喚兵。 自警団は残してきた。 ただ、領主様には言っても良いけど、他の人には言わないようにしてくれよ?隊長殿?」


「ああ、勿論だ。 ひとまずは報告してくる。」


「分かったよ。」 


警備隊長は再び馬上の人となり、報告の為に走っていった。

2人は近づき、声を掛けて来た。


「これからどうされますか?」


「これからか・・・。 ひとまず合流は出来たからここに陣幕を立てて、領主様の指示を待つか。」


「分かりました。 では、その様に・・・。」


とはいえ、召喚兵がいるので彼らにやってくれるので、うちらは立っているだけだが。

ものの、1時間程で3つの陣幕が出来た。 その中に寝室や浴室、居間用の陣幕だ。

こうして陣幕内の準備をしているうちに再び警備隊長さんがやってきた。


「シン殿・・・。 これは・・・一体?」


「隊長殿。 我らはどうしたらいいですか?」


「あっ、はい。 ひとまずは3人には、連合軍側の陣幕に来てください。 そこで他の方々と会って頂きたいとの事です・・・。」


「了解した。 では行こうか。」


警備隊長の誘導で陣幕を出て、領主様の待つ陣幕へ向かう。

俺の後ろから首肯定してくれた2人も付いてくる。


数十分ほど前・・・


様子を見に行かせた警備隊長が、戻ってきて我の前に跪く。

そして、報告を受けた。


「申し上げます!彼の軍はシン殿の軍勢です!今回の事を聞いて駆け付けた由!いかがいたしましょう!」


「シンが?!なぜ?!」


「それは・・・分かりません・・・。」


「まあ、良い。 ひとまずここに来るように伝えてくれ。」


「畏まりました!ただちに!」


彼は再び馬上の人になり、戻っていく。

そうして、伝言を伝え終わったらしく、シン達を連れて戻ってきた。


「領主様、中々水臭いですね。 呼んで頂けない事は悲しいですね。」


「シン・・・貴殿は・・・いや、すまない。 貴殿を巻き込みたくなかったんだ。 許せ。」


「ここまで来たんです。 もう問いません。 ですが、貴方様の配下として参戦します。 宜しいでしょうか?」


「ああ、ありがとう。 共に戦おう。」


「はっ!」


領主様から挨拶をしたのちに他の領主様達に挨拶・目通りをした。

中にはアニスとヤニスを差し出すように言った貴族がいたが、他の貴族の方々に白い目で見られた上に信用を失った。 本人は言い訳をしたが、聞き入れてもらえずで最終的に戦いの中で戦功を立てる事でひとまず矛が収められた。 言った本人の部隊は、最前線に立つことが決定した。


「我らは自身の陣幕に戻ります。 先ほどの発言もあるので・・・。」


「仕方あるまい。 無理強いは出来んからな。」


「申し訳ありません。 やはり仲間の安全は絶対ですので・・・。」


領主様に断りを入れてから自らの陣幕に戻った。

当然だが、彼女らの安全を確保する事が第一だが、やはり自分のモノを取られたくないと思う気持ちがあるからだ。 

 自身の陣幕に戻ってからは食事と入浴を一緒に入り、寝室も共にした。


「主様、その・・・私達の姉妹に安心を頂けますか?」


「主様のぉ~、温もりを~下さいぃ~。」


「ああ、勿論だよ。 おいで・・・。」


陣幕の中では、俺たちのコミュニケーションを取りながら、夜が更けていった。

朝までとてもよく寝ることが出来た。 貴族の厭らしい目で見られたことに不安を感じたから必要な事だと・・・。

色々と大変な時ではありますが、皆様も体をご自愛くださり、KYの作品もお願いします!

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